出口を考える:武田塾をスタートした理由
学習塾の開業について
もともと私は塾は”社会の必要悪”と思っていました。偏差値で人を輪切りにして個性を殺して、子どもたちの可能性を押し殺すものみたいな偏見というかイメージがありました。それは僕自身が特に大学受験で苦労したからです。中学までは割と優等生で勉強も得意だったのですが、高校に入るとその感覚が一変します。
高校では勉強に関しては全然できずに、先生が数学の話をしている時間はずっと寝ているくらい詰んでいる感じでした。でも、大学受験はなんとなくしないといけない、でも到底どこにも受からなそう、だからと言って浪人する覚悟はないみたいな気持ちだったので大学受験は本当に憂鬱でした。結果としては、現役で埼玉大学に受かったので、本当ラッキーだとおもました。
自分自身としては大学受験は最悪の経験で、それを増長する塾っていうのはけしからんっていうのが基本的なスタンスでしたが、キャリアについて勉強したことで、見ると大学受験は”なるべくコスパ良くクリアすべきもの”という認識に変わりました。例えば教員免許などの資格を取ったり、ある専門的な知識を学ぼんだり、資格を取ろうとすれば、そのために大学進学は不可避です。また大学出ないと学べないことも少なからずあります。
僕自身は大学で教育について学んだり、今やっていることの足がかりを作ることができたりと多くの経験ができたので大学が必要ないとは思っていなかったので、必要なことはなるべく無駄なく大学受験というイベントをクリアすることだと思いました。
また学校外の教育を考えて、社会との接続を考えないというのはかなり無責任なことだということも思うようになっており、1つの出口として大学進学という選択肢はありだという結論に至ります。
もちろん受験以外の選択肢も必要だと思うのですが、受験という選択肢を選んだとしたら「武田塾」の勉強法はとてもいいと思った次第です。
教育百貨店という塾講師YouTuberの動画を見て、「管理型」「web施策」という点で、武田塾の持つ可能性にビビッときてしまい、そこから令和の虎やFCチャンネルを見るようになりました。見るにつけて魅力的だなと感じるようになりました。
プログラミング教育における出口の問題
プログラミングや、ものづくりを学びたい子どものための居場所を学校外に作ってきた何年間でしたが、それなりに需要に応えることができていたんじゃないかと思います。埼玉大学での活動では教室に通う子のうちで、20数名の子たちは、毎週、朝から夜まで自由にロボットやプログラミングに熱中していました。そういう彼らに取って居場所を作れてきていた感じがありました。
しかし、多くのケースで小学校高学年くらいになると塾通いが始まってしまい習い事の優先順位的にもプログラミングから引退していく子がたくさんいました。中学生はいわんや、部活が始まりかなりの割合で引退していきました。
致し方ないなと思いつつも、そこに歯痒さを感じ始めたのが社会人3年目くらいの話です。そこで、子どもたちが自分のやりたいことを自分の将来やキャリアにつなげることができる方法はないかと思ってキャリアについて学ぶことを決めました。
目の前の問題解決として
・ロボットやものづくりを通したAOや総合選抜の支援
・基本的に進学するなら武田塾の方法が最も合理的
ということを感じています。
実際に僕の教え子も大きくなって大学受験でロボット作りの経験を活かしている子もいます。それも世界大会とかそういう華々しい経験というよりは粛々と学び続けていたその成果をしっかり伝えて、合格したという感じです。こういう方法は悪くはないような気がします。そういう子はやりたいことも割と明確で大学での学びも充実しているような気がします。
なぜ大学に行くかという問いはより深めていく必要がありますがそのための方法論で言えば武田塾の自学自習が良いとは思います。勉強法として本質的だし、他の学習にも活かせる、学習者の主体性が重要になるという点で学校っぽくなさを推進できていると感じています。武田塾加盟の大きな要因の一つです。学びたければ自分で学ぶというそのための武田塾です。
その上で、まだ未達の領域があります。
僕がキャリアについて学んだ結論として、
・中等教育後期(高校生)から職業教育を始める必要性
というのを強く感じるようになりました。日本の教育は多くの場合は学校では汎用的な知識を学び、職業の専門性は多くの場合は会社に入ってから学ぶケースが多いです。それも、終身雇用を前提にして社内でのジョブローテーションを行い、その会社で活躍できる能力を身につけるという性質が強いです。実際なくはないんだけど、企業の育成力を前提としていたという点で公的な職業訓練が弱いというのも日本の課題と言われています。
なので、ホリエモンのゼロ高やN高みたいに働くことを意識したような高校の教育をもっとやっていく必要があると思っています。吐出して起業家を育てるということまでは想定に入れていませんが、90%の普通の人が、働くことができるような教育をしていくことが重要だと思います。この部分に関しては僕としては次の大きな課題と考えています。
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