グローバル採用を3年経験した人事からみる、多国籍採用のいろは
こんにちは!Corpy&Co.というAIグローバルスタートアップにて人事をつとめている、もえやんです。
前職も含めてもう3年ほど、人事としての仕事の7割程度をグローバル採用にあてていますが、「グローバル採用ってどうやっているの?」「なにから始めればいいの?」とご相談いただく機会も増えまして、このnoteでできるかぎりのグローバル採用のTipsをご紹介できればと思っています。
※本記事では日本語が話せない外国籍の方を採用し、英語でコミュニケーションすることを前提としています
★本記事はWHOMさん(https://whom-hr.co.jp/)企画のアドベントカレンダー、12/4の記事です!
1. リクルーターが英語を話せること
まずはこれに尽きます。Corpyでもそうですが、まずは英語を話せる人がリクルーター/面接官として話ができる必要があります。
私は一時期、「外国籍メンバーの英語力の方が自分より高いからこそ自分が前に出ないほうが良い」と決めつけてテキストコミュニケーションをメインにしていたことがありましたが、候補者も人間。直接顔をみて話し、候補者の味方であることを分かってもらえることが会社の志望度を上げてくれたと思います(国内の採用でも同様だと思いますが)。
私の場合は、(荒治療ですが)前職でも現職でも、いきなり"英語しか話せない候補者の前に立つ経験"が自身の英語力を伸ばしてくれたように思います…!技術面のテクニカルな英語は、何度も何度も自分で言葉にして伝えることで身につけていきました。
今でも緊張しますし、完璧に話せることはないでしょうが、今この瞬間は私が一番会社のことを知っているということを謎の自信に変えて臨んでいます。笑
2. 社内環境がグローバル前提の環境になっていること
さらにそもそも論が続きますが、グローバルの土台ができていない企業が外国籍の方を受け入れるのは無理に等しいです。
土壌が整っておらず、外国籍のメンバーの方が病んでしまった…という話を何度も聞いたこともありますし、採用においてリクルーターや受け入れる部署に求められるのは、採用する方を活躍させるという腹決めです。そのための環境を整えたうえで(もしくは整えながら)、採用を進める必要があります。
私が考えるグローバルな土台とは下記のとおりです:
上記の3つはマストだと思っています。
特に3つ目の「コーポレートメンバーと英語で会話ができる」に関しては、(日本の法律に則る必要があることから)ほとんどが日本人のメンバーで構成されるであろうコーポレートチームを考えるとかなり難易度の高いことではあると思います。しかし、給与や労務などの「生活に関わる部分」が英語で会話できないと、外国籍メンバーには大いなるストレスをかけてしまいます。(体験談)
主語を大きくするつもりはありませんが、体感として、外国籍のメンバーは文脈や行間でわかることも、より「正しく知りたい」という気持ちであえて質問をしてくることがあるように思います。採用前もさることながら、採用後にパフォーマンスを最大限に発揮してもらうためにも、コーポレートメンバーが英語で説明ができる(会話ができる)は持っておきたい条件です。
3. 媒体とエージェントの選定(やっぱりLinkedIn)
さてここまでの前提条件をクリアしたところで、候補者を見つけにいきます。採用のあり方は国内採用とかなり似ていると感じていまして、兎にも角にもスカウト。CorpyではLinkedInやIndeedをメインに、ビズリーチやWantedlyでも候補者を探しています。
エージェントさんともお付き合いがありますが、個人的に以下のエージェントさんや媒体も、良いタレントが多くおすすめです。
Active Connector
学生時代にインターンをしていたこともあり、代表のAsamiさんも大変厚意にさせていただいています:
TokyoDev
JapanDev
4. スカウト文面は会社の情報を多くすること
ここはわりとグローバル採用のカラーが出るところだと思っていまして、「なぜあなたにスカウトを送ったのか」よりも「私たちがどんな会社なのか」に重点を置いてスカウト文面を作成しています。
日本国内の企業からスカウトを受け取る私たちとは異なり、世界中の知らない企業からもスカウトを受け取る候補者の気持ちに立ち、どんな意義をもちどんな意味のあることをしているのか?を厚めに語る方が返信率が高いです(自分調べ)。
また、私の体感になりますが、スカウトへの返信や面談をしていても、「なぜあなたにスカウトを送ったのか」を聞いてくる候補者はかなり少なく感じます。
現時点ではそもそも日本の企業からスカウトが来ることが大変稀なので、その点ではアドバンテージがあるとも言えます。その中でもさらに興味を持ってもらうためには、どんなミッションのために会社が存在するのかを厚めに語るようにしています。(スカウトで世界と闘ってますね!)
5. Speed Speed Speed!!
国内採用ももちろんそうですが、グローバル採用においてはよりスピードが命になっていると感じます。
体感ですが並行していくつかの企業を受けている候補者は1-2週間で内定、内定も定時後2-3日の間に決めるというタイムラインがメジャーのようです(私が対峙した候補者のみではありますが)。
こちらから積極的に一報する、より速く結果を返すということそのものが採用体験向上に繋がりますね。
6. 会社としての魅力はさることながら、対面に立つ人の魅力があること
上述の通りスカウトに会社の魅力を余すことなく記述したうえで面談・面接に臨むことになりますが、候補者の志望度を高めるのは、対面に立つ人の人柄・気遣い・言葉遣いだと強く感じます。
考えてみれば当たり前のことですよね。自分が多くの時間を使う"仕事"で、一緒に働く人や話をするうえで垣間見えるカルチャーにどれだけ自分が活躍できそうと思えるかは大切で、さらに"日本の文化・環境下"というパラメーターも加わるわけで、外国籍の候補者にとっては、社内に頼れる人がいるかどうかを選考中に知ることができるのはとても重要なポイントです。
ちなみに私はこれまで、候補者からの質問のなかで「カルチャーについて」をダイレクトに聞かれたことはないです(日本の候補者にはめちゃめちゃ聞かれる)。無意識的に"言語化できないもの"を話しながら掴もうとしているのかもしれません。
ちなみにご縁がなかった方や退職した一部メンバーからも今でも連絡をもらうことがあり、それは外国籍の方が圧倒的に多いです。リクルーターを1人の人として見てくれていると考えると、ビジネスの枠を超えた信頼を築くことができているというのもとても楽しく思えるポイントです。
7. 初手で給与水準を明確にすること
グローバル採用については、給与を下げてきてくださる方は私観測では限りなく少ないです。もちろん諸外国の給与水準と日本の給与水準が異なる前提はあるのですが、給与に対するこだわりは日本人採用時よりもシビアに考えるべきと感じています。
私の失敗談として、内定直前になって給与水準が合わないという事態を経験し、時間をかけたにも関わらずその時点で辞退されてしまったこともありました…。会社への温度感が上がったときに給与交渉をするという考えだったのですが、そもそも「給与水準が合わないからNO」は色濃くあります。
初手で給与希望を明確にし、叶えられるのか、交渉可能な範囲なのかを考えながら採用を進めるべきだと断言できます。
8. 「ビジネスの仲」を超える腹決めをすること
採用後の話になりますが、グローバル環境下ではビジネスの関係を超えた催しがより多いように感じます。
Corpyでも日本に在住する外国籍メンバーとのパーティーやpotluckが開催され、私がこれまで体験してきたなかでも、週末のアクティビティにも積極的です。
以前フィリピン・セブ島にある会社に努めていましたが、その際の面接質問で「パーティーは好きですか?文化的にそういうのが多いので…」と聞かれたのも良い思い出です。
必ずしもパーティーである必要はないと思いますし、全員が全員そういうわけでもないのですが、ビジネスライクな関係のみを望まれるような文化下では相性が悪そうだと感じます。
採用の本質は、どの国の方を採用しても同じ
採用の本質は日本国内の採用であろうと、グローバル採用であろうと変わらないと感じます(これを言ってしまっては元も子もないのですが…!)。
特に採用が激化している日本の環境下においてあらゆる知恵を振り絞ってこられた採用担当の方は、スピード感や候補者に対してのコミュニケーション、候補者体験においてグローバルに見ても"能力が高い"のではないかと思います。どういう伝え方が良いか、どうアトラクトするのか、だれをアサインするのか、何を面接で確認するのか…。普段考え抜いていることが、そのままグローバルの競争力を高めることにつながっていると思います。
採用はとっても尊いお仕事だと思います、採用担当の方はいつもおつかれさまです。
採用を課題解決の1つと捉え、グローバル採用がその解決に近しいのであれば、本noteがお役に立てたら良いなと思います。
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