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【その2】拡張する障がい者アート。障がい者アート×デザインでゆるくて面白いものを作ってしまった話。
魅力あるアートを1度に意味を持たせデザインする方法
日課のエガちゃんねるの過去動画を見ていると「キャンプでカレー作りながら「はぁっていうゲーム」やってみた」
という動画に出会いました。
ここで、ボードゲーム(カードゲーム)に空叶論さんのアートを活用したら様々な魅力的なアートを一貫性を持って活用できそうじゃない?という、うっすらとしたヒントが湧いてきました。
モックアップの作成
早速、空叶論さんのアートを使って、カードゲームの作成を始めました。
魅力的なアートのため、見た目のグラフィックデザインは最初からとてもいい感じに仕上がる予想がぷんぷんしました。
ですが、ゲームの設計(デザイン)。
これが、すごく難しい。
ゲームデザイナーの皆様。尊敬します。
まず、様々なアートを意味を持たせ活用するために、各キャラクターに「ストーリー」と「スキル」を持たせてみる事にしました。
例えば、前回惚れ込んだこのアート。
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この子なら、「マグロのように自転車を漕ぎ続けないと生きられないくらい生活と自転車を漕ぐ事が一体化している。」というストーリーを付け、スキルは自転車で町中をずっとウロウロしている事から「何でも見る事(知る事)ができる」というスキル設定にしました。
ここから、選んだアートに「ストーリー」と「スキル」を付け、様々なキャラクタースキルで勝ち負けを競うゲームにしようという大まかな設定が生まれました。
アート選びとストーリー設定の難しさと楽しさ
大まかなゲーム設計が決まったので、アートの輪に掲載されている空叶論さんのアートの中からカードゲームに合いそうなアートを選ぶ作業を始めました。
これも、とても難しい。
なにせ、どれも魅力的で輝いてみえるもので。延べ1週間くらいかけて30種類くらいのアートを選びました。
しかし、誰に活用されるでもなく、使ってもらう確約もないまま、これだけ多くのアートを描き続ける胆力。度肝を抜かれます。
選んだアートに付けたストーリーとスキルの一部をご紹介。
「カチコチ牛」
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●ストーリー
くしゃみをするたびに時間が5分巻き戻ってしまう特殊能力を秘めた牛。
花粉症の季節には毎年1才若返ってしまう年をとらない悲しき獣。
●スキル
時間が巻き戻る事から、手番を逆回りにできる
「酔いどれ猫」
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●ストーリー
常に酔っ払っている猫。
飲みすぎを心配したお母さんに瓢箪の中身を水に変えられてしまった。
しかし、本人は気づかず水でも酔えるくらい仕上がっている新世代の「のんべぇ」。
●スキル
酔っ払いすぎていつも粗相を起こすから、選んだプレイヤーのカードを全入れ替えさせる!
「赦しのシスター」
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●ストーリー
慈愛の心、赦しの心などを持った神に愛されている心の広いシスター。
彼女の周りはキラキラ輝くダイヤモンドダストが発生するため周囲1mは気温が低くなる。
●スキル
全てを赦すのが特技なので、相手のどのスキルも無効にしてしまう。
ついに、タイトル決定
いくつかのキャラクターにストーリーとスキルをつけていくうちに、様々なキャラクターが共存する(よく言えば多様性)メルヘンな世界感が見えてきました。
いろんな生物が、それぞれ好きなようなに暮らすメルヘン世界の日常。
そこから、発想を受け
「ゆるい日常」…「ゆるい日常じゃないですか!」…
いや、
「てか、ただのゆるい日常じゃないですか!」
に決定しました!
空叶論さんの作り出した魅力的なアートに、ストーリーとスキルを付けゆるい世界感のゲーム世界でゆるく戦う。そんなカードゲーム「てか、ただのゆるい日常じゃないですか!」がここに誕生しました。
つづく。