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AIの成長と、人間の過程。

AIについてまだちょっと書く。試してみて「いきなり満点のものが出るわけではない」ということはわかったのだが、そのへんの精度が今後上がってくるとして、気になったことがある。例えばよく例にも挙げられるロゴデザイン。
「AIに社名とイメージを伝えて100案ほど出させて、またそこから気に入ったものを選んで方向性を伝えて、あっという間にこれだけ出てきました!マジでデザイナーの仕事ヤバい!使いこなす方向にいかないと」
みたいなツイートを見たことがあるのだが、まあ要するに「AIならとりあえず100案、気に入らなければもう100案みたいなことがラクにできるし精度も結構高い」みたいなことであった。もちろん最終的には「人間が選ぶ」という段階があるのだが、じゃあ選ぶ力って誰でも持ってるのか?というともちろんそんなことはない。
例えばデザイナーもいろいろ作ってみて、教えられて、だんだんいいデザインがわかってくるわけで、最初からいいのが作れる人ばかりではない。ただ、駆け出しの人が頑張って10案作ってみました、という時に「こんな初歩的なレベルならAIですぐ100案出せるから意味ない」と切ってしまったとしたら、もうそのデザイナーは成長の道を断たれてしまうわけだ。若木の時にバッサリ切り倒してしまえばもう幹が太くなることはない。

そうなると結局AIとの共存としては「選ぶ力のある人が後進の選ぶ力を鍛える」方向になるのではないか。もちろんそのセンスによっては「あの若手はAIへの指示が上手い」というような別の成長形になっていくかもしれない。まあそれが目指すデザイナー像なのかどうかは知らんが。

ただ、クラウドワークスなんかに掲載されている「単価が劇的に低いデザイン・ライター仕事」なんかはこれにすぐ浸食されそうではある。ただでさえ「会社のキャッチコピー募集!3000円で!」みたいな案件に語尾だけ変えた大量の言葉が応募される状況なのだから。まあその程度にしか捉えてないクライアントなら自分でAIに打ち込んで終わらせるかな?(単純に中抜き業者が安く出してるだけかもしれないが)

ちなみに「ナイキのロゴは学生がたった35ドルのギャラで作った」みたいな逸話もあるが、あれは「センスがあるものをセンスのある人が選んだ」話であって、「大企業なのにロゴを安く作らせた」話ではない。そもそも大企業になる前の話だし、大企業になってからはナイキの社長が当時デザインしてくれた女性を招き、ダイヤモンドの指輪とナイキの株を渡している。まあ後半の話は最近知ったのだが。


しかし「AIでロゴ作成ならあっという間に素人でも仕事を始められる」みたいなことをツイートしてた人、改めて見てみるとだいぶ叩かれてたな。デザイナー関連と思われる人はもちろん、それ以外の人にも。当然賛同者もいたが、そういう界隈は界隈でやっぱり捉え方が違うんだろうな~。

文章生成も、例えば記事を何個も読み込ませて似たような文章を書けと命令すればすぐ出てくるようになるんだと思う。ただ、どこかに違和感が出そうな気もしていて、そうなったときに人がどうするのか。
まあ階段が面倒でエスカレーターができ、すぐ連絡がつかないのが面倒でケータイができ、メールが送れるようになり…と進化してきたのが人間なので、また新しい答えがその時に出るんだろう。

ま、自分は「めちゃくちゃ自分ぽい文章」を簡単に作れたとしても「自分が書いた満足感」が得られるとは思えないから自分で書くけど。逆に言うと書くのが面倒な文章はAIで作れるならそれにこしたことはない。ビジネス文書のテンプレートを探すのと同じである。
AIはもうなくなることはないので、結局どこまでの付き合い方をするか、だ。しかしこれで「AIが予想した馬券や舟券がめっちゃ当たる」とかなってきたら色々崩れそうな気はするが…。

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