おすすめインディーズゲームレビュー 「深世海」
突然だが、メトロイドヴァニア型のゲームが好きだ。2D画面(というかサイドビュー)で、探索して、戦って、アイテムを発見して、新しい能力を手に入れて、また探索できる場所が増えて…という、「メトロイド+キャッスルヴァニア」タイプのゲームのことである。
単なる普通の面クリア型アクションと違うのは「探索・成長」という部分であり、行動範囲が広がるたびに楽しさの幅も広がるのがいいところだ。
キャッスルヴァニアの流れを汲む「ブラッドステインド リチュアル・オブ・ザ・ナイト」にハマったことで「やっぱりメトロイドヴァニア面白い!」とインディーズゲームを探して見つけたのがこの「深世海」である。
実はそれ以前に「ホロウナイト」にもチャレンジしたのだが生来の腕前のショボさにより進めることを断念していた。だがこの「深世海」は難易度も高くなく、プレイ時間もそこまで長くならない、ということで遊んでみたわけだ。
まず一つ言えるのが、「世界観と雰囲気が素晴らしい」という点。主人公は海の中にいて、基本的にずっと海の中を進んでいく。ただあくまで人間であり、酸素がなくなると死んでしまう。ところどころで酸素を補給しつつ、深海魚や謎の敵が蠢く海の中を進んでいく、という基本設定だ。
この海の中の移動が楽しい。空気を噴射して進めば結構快適だし、戦闘もバランスがそこまでキツくないので美しい深海を鑑賞しつつ進んでいける。
ところどころ「前文明の遺跡」みたいなものにも出会う。鳥居だったり、車だったり、「もしかしてすべてが海に沈んだ世界なのか?」と思いながら先へ進む。これに関して、丁寧な説明と言うのはほぼ出てこない。だがところどころにある「過去の記録」的なもので何となく類推していく感じだ。
この過去の記録が非常によくできている。ギリギリ読めるオリジナルの漢字と象徴的な絵を読み解き、他の人類がどうなったのか、さっき見た設備は何だったのかと想像するのが楽しいのである。ちなみに「移動に酸素が必要」というと行動に制限があるのを嫌がる人もいるかもしれないが、よほど無茶しない限りはだいたい補給は間に合う。道に迷って無駄にウロウロでもしない限りは大丈夫だ。実際自分も酸素切れで死んだのはプレイ通して2回くらいしかない。
あちこちにある鉱石を集めると、潜水服が強化できてより深い場所に潜れるようになっていく。基本的にはこの「鉱石を探す→潜水服を強化する→より深いところに潜る」の繰り返しとなる。他にも武器(モリ)の強化やアイテムの生産もあり、これらを同時に進めながらひたすら深く潜っていく。
「ブラッドステインド」などと比べると、成長要素というのは少し薄い。遠距離武器のモリは何種類かあるが、手持ちの武器はずっと同じでアクションが別に増えるわけでもない。どちらかというと世界観を楽しみつつ謎を探っていくことに主眼を置いたゲームといえるだろう。
そしてその気になる謎の最後とは…さすがに盛大なネタバレになるので書かないが、「えーっそういうことかよ」とかなり驚いた。商品紹介ページを見て何かを感じた方には、ぜひプレイをおすすめする。