好まれることと、許されることの違い。
けっこう前に見た「あちこちオードリー」で、インパルスの板倉が「いくらネタを頑張って書いたところでお金にはならない。世間は好感度に金を払っている」といった発言をしていた。確かにそう考えると一番単価が高いと言われるCM出演もずばり好感度に連動しているし、テレビ出演も好感度がよいから呼ばれる。なるほどなぁと深く納得した記憶がある。
と言いながら、好感度は諸刃の剣でもある。アンジャッシュ渡部の例にもあるように、好感度が高い人物が何かやらかしていた場合、それは完全に反転して跳ね返ってくるからである。「いい人だと思っていたのに」という思いが、「裏切られた」に繋がるためだ。別に何かやらかしたとしても、世間一般の人を騙そうと思ってるわけでもないし、知り合いでもないのだから裏切るような関係性ではないだろ、と本人は思うかもしれないが、まあそう感じる人がいるため「もうテレビに出ないでほしい」というような声が出てくるのだ。最近ちょっと出始めたみたいだが、まあそれはよい。自分としては家族が許してるんなら別に外野が騒ぐことでもないと思っているし。
さてさて、ここまでの話だと「好感度が高いとやらかした時そのままダメージになるから大変」という結論に落ち着きそうだが、実はそうでもないことがある。ゲームのキャラクター的に言うなら、「好感度」の隠れパラメータとして「許容度」があるのではないかと思うからである。ある程度世間に「ダメなやつ」「やんちゃ」「クズ」といったキャラクターが浸透していると、それがクッションとなって「まあ〇〇ならやりそうだよね」くらいで済まされる。こうなると強い。まったくの独断と偏見だが、いま現在好感度と許容度が一番高いレベルで共存しているのは千鳥の大吾ではないかと思う。ちなみにクズキャラなどが許されるのは基本的に芸人だけだろう。代表的なところで鈴木もぐら、岡野雄一あたりだろうか。このあたりは「人から借りた金を使い込みました」となっても「まあクズだもんね」くらいで済まされそうな気もする。と言いつつ鈴木もぐらは子供のお年玉着服疑惑でちょっと叩かれて、その後離婚してはいたが。ただの金ではなく子供のお年玉というところがポイントか。ちなみにダウンタウンの浜田雅功も、不倫報道があっても全然自粛もなければ謝罪会見もない。せいぜい松本にフレンチクルーラーネタでいじられる程度だ。確か昔もそんな報道があったので知る限り二度目の不倫にはなるが、これに関しては許容度が高いのか、地位が重すぎるのか微妙なところだ。あとはゲスキャラ売りのナダル、女好きのイメージがもはやパブリックになっている明石家さんまあたりも許容度が高いキャラクターだと思われる。
ちなみに「許容度が高い」といっても、基本的に浮気とかギャンブルとか民間レベルのやらかしに対してなので、もしこれが殺人とか強盗とかであればさすがに許容はされないだろう。でも麻薬とかだと意外とあっさり復帰しそうではある。ミュージシャンや俳優だと結構あるのに対して芸人の麻薬報道って聞いたことがないが。確か昔千原ジュニアが「笑わせる快感のほうが強いから芸人は麻薬やらんのちゃうか」みたいなことをどっかで言っていたような。ちなみに、千原ジュニアの許容度は低くて、千原せいじは高い。ストイックイメージと反するから。
にしても許容度といっても芸人ばかりなので、他のタレントだと許されないのは不公平だな~と考えたが、女性関係のやらかしでも、梅沢冨美男と高田純次は許されそうな気がする。まあ年齢がいっているのもあるが。
ここまで読んで「全部男の話やん」と思われた方がいるかもしれない。そう、なんのかんの女性芸人に対しては許容度が低い世間である。想像してみてほしい。仮に3時のヒロインやガンバレルーヤ、おかずクラブなどが不倫していたとしたら。実際に矢口真里などもバラエティ常連キャラだったのがあの時期はパタっと出られなくなったし、ベッキーも元気キャラが災いした。さすがに両方ともだいぶ時間が経って今は普通に出ているが。
まあこのあたりがある意味まだ男女平等とは遠いということなのかもしれない。どこに着地しとんだ。
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