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名前隠して肩書隠さず。
ネットニュースというのは、とにかく「見出しが命」である。内容が誤認されそうでもなんでもクリックまたはタップさせれば勝ちの世界。「00000PV」といった目に見える形でその成果が表れるので、これはこれでいろいろとノウハウのある世界なのかもしれない。
なのでいかに気にさせる見出しにするかの戦いが日々続いていると思うのだが、それゆえに「このやり方でやると反応がいいんだろうな」というものが透けて見えてきている。なるべく過激なコメントを拾うとか、ショッキングな単語だけ出して続きに誘導するとか、そういうの。昔からスポーツ新聞のお得意技ではある。かなり昔になるが、某スポで「大仁田、長嶋一茂のコーチ就任」ここで半分に折れて「か?」と続いてるのがあってオイオイと思った記憶がある。
まあ要するに「見出しだけで内容を把握されたら読んでもらえない」ということだ。例えば「ボクシング世界統一選・視聴率25%」と書いてしまうとそれだけでもう必要な情報を得てしまうので「ボクシング世界一決定、驚異の視聴率」みたいにして肝心なところは隠す、というやりかた。
そのようなやり方の一つに「有名人の名前を隠す」というのが目に付くようになってきた。「32歳若手マッチョ俳優」とか「28歳・元メダリスト美女」といったやり方である。上記は架空の見出しだが、こんな形のを見たことあるな~という人も多いのではないだろうか。
あまりに見るので最近のではどうだろうか、と実際に探してみた。
以下は本当にあった見出しの中のワードである。
①「17歳JKラウンドガール」
②「紅白出場34歳歌手」
③「25歳女優」
④「35歳の元アイドル」
⑤「45歳クール女優」
⑥「aiko49歳」
さて、クイズみたいになってしまっているが、想像がついただろうか。
①「17歳JKラウンドガール」
百田汐里(ももたしおり)という子で、ヤングジャンプの制服コレクションのメンバーらしい。「17歳JK」だと当たり前の話だが、「JKラウンドガール」というところに引きがある、という判断であろう。最年少でラウンドガールに選ばれたと書いてあったが、確かにラウンドガールって20代以上のイメージだ。
②紅白出場34歳歌手
これは誰かと思えばmiwaの話であった。最近イメチェンが激しくて話題になったらしい。一度でも紅白に出ていれば30才だろうが60才だろうが使える肩書ではある。「歌手」って広すぎるだろとも思うが。
③「25歳女優」
これこそ広すぎるだろ、なんだこりゃと思ったら横田真悠という女優のことであった。朝の番組に出ていて安住紳一郎がデレデレしていたとか、そんなニュース。もし「元柔道家」とか「8頭身」とか変わった肩書があればそれも足されたであろう。
④「35歳の元アイドル」
これは河村唯(アイドリング!元メンバー)がネットのバラエティに出て芸人にバッサリ言われた、という記事。ただ35歳の元アイドルって、AKBの最初のころの子らが多分それくらいの世代。調べてみると小嶋陽菜36歳、大島優子36歳、前田敦子33歳と出てきた。このあたりの匂わせでも狙ったのだろうか。
⑤「45歳クール女優」
これは小西真奈美のことであった。③との違いは「クール」がついていることである…って「クール女優」ってなんだよ?宅急便じゃないんだから。内容は本人が「意外とよく笑うとかよくしゃべるとか言われる」というもので、クールに見えるのに、ということでこの見出しになったのだろうか。
⑥「aiko49歳」
まあ、aikoである。なんでaikoだけ名前出して年齢をつけられるのだろうか。てかもう49歳なんですなー、aikoも。表記が「歌手のaiko(49)」とかではなくてなぜ「aiko49歳」なのか。「アイコ16歳」という映画のパロディか。しかしこの映画調べてみたら1983年だった。たとえに出すには古すぎる。
さて、aikoはともかくとして、みんな知名度でいうとまだこれからか、昔有名だけど最近はそんなに露出多くなかったり、というパターンである。だからこそ勝手に肩書を付けられてしまうのかもしれないが、それもまあまあ失礼な話である。広瀬すずとか永野芽衣とか目黒蓮とかならそもそも隠されないだろうというのはあるが。しかもとにかく引っかかりポイントを作ろうとして「38歳元大河俳優」とか書いてあったりする。で、詳細は「主人公の家来の一人」とかだったりして、ファンからすると「ほかのドラマでもっといい役やってるだろ!」となったり。
まあほんとバナー広告と一緒で、アクセス至上主義になると、違法じゃなければなんでもいいという言葉選びがまかり通っているなあと思う。というか中には普通に「違法だろこれは」というものもあるし。普通のネットニュースの見出しさえそんなもんばっかりなので、近くにデカデカと詐欺広告が載ってても変に見えなくて引っかかってしまう人がいるのだろうか…。
ちなみにこのネットニュース見出しを探してたら、「無料金運占い」みたいな広告が死ぬほど出てきた。なんと無料で占ってみたら500万円入ったそうです。……どういうこと?
「こらからお話しする事は…人生どん底貧乏だった私が大金を手に入れ大富豪になった本当の話です」
と書いてあった。こらからは原文ママ。「人生どん底貧乏」って強いワードだなー。体験談コーナーに「一生使いきれないほどの大金が入りました! ※個人の感想です」って書いてあって笑ってしまった。そりゃ個人の感想だろうけども。そんなとこだけルール守ってどうする。
まあとにかく怪しい肩書と広告は無視!気を付けましょう!
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