漫画の主人公とゲームの主人公(主にバトル)の共通点
バトルマンガの主人公が、「ボロボロの状態から勝つ」というのがよくある。もちろん苦戦しないと面白くないからだが、実際の戦いでボロボロになってしまうとそもそもそれが原因で勝つための動きができないものだ。足を痛めたからよけられない、出血が多いから動きが鈍るなど。
そういうリアルを反映したからか、昔に比べるとずいぶん緻密な設定が求められるようになってきた。「めちゃくちゃボコボコにされてたのに何故か一発必殺技出したら勝った」みたいな単純な構図はあまり見られなくなっている印象。
怪我している間にパワーを溜めていたとか、実は右腕をかばっていたけど痛めていたのは左腕のほうだったとか、「実はそうだったのか」という納得感が求められるようになっていると思う。
あと、何回もやられすぎて見た目的には「いやこれ一撃で死なないとしても出血多量で死ぬぞ」となってても何故かまあまあ動けるのはあるあるといえよう。
いずれにしてもピンチに陥るのは確かなわけで、そこからの逆転という展開が何かを思い出すなと思った。何かといえば、RPGのキャラクターである。強敵にHPが削られて、HPがもう残り1!みたいな状況。これって漫画に置き換えると大けがしている主人公と同じだ。しかし、両方に共通するのが「ここから逆転できる」ということ。HPが1だと技が出せないというゲームは基本ない。スキルポイントとかマジックポイントさえあればそこから最大の技をぶちかますことが可能である。
ボスモンスターに瀕死の一撃を食らい、次のターンに全回復とか、回復が追い付かないからイチかバチか大技を撃つとか。このへんのドラマティックさが強く印象に残る仕掛けだと思うし、バランス調整で苦心するところではないだろうか。
それだけに苦労せずに倒せてしまったとか、想定内くらいの強さであっさり終わったとかのボスはだいたい覚えていない。自分の思い出としては、ファイナルファンタジー9の時をすごくよく覚えている。というのも、「ラスボス戦に入りそうだけど勝てるか?まあやられてもいいから強さを測るために一度チャレンジしてみよう」くらいの感じで挑んだら予想以上に強く、仲間キャラクターがじわじわとやられていき、最後に1体残ったキャラはバーサク状態(コマンドを受け付けず、自動的に戦闘するだけ)。そして「こりゃ死んだな、次はもうちょっと準備かレベル上げをしよう」と思った瞬間にそのキャラがトドメを刺したのである。思わず「ええええ」と声が出た。そこの思い出が強すぎてラスボス自体のことはあんまり覚えていないのだが…。
まあそもそもが漫画の登場人物に対して「そんなボロボロなのに技が出せるほうがおかしい」みたいなことを言うのは野暮というか、「ビキニアーマーは守備力がない」という主張をするようなものだが。全員わかってやってんだ、というね。
いずれにしても漫画もRPGも「説得力のある逆転」が面白さのポイントであるということで、強引にまとめる。