「本当の理由」が知りたいかい?
世の中にあふれている「本当の理由」。最近はネット上によくあふれている。何かといえばまあまずPRなわけだが。
「韓国人にデブがいない本当の理由」
「日焼け止めを塗ってはいけない本当の理由」
「忙しい人こそクビになりやすい本当の理由」
「余裕がない時こそ投資するべき本当の理由」
まあちょっとアレンジしたりしなかったり勝手に考えてたりするが、だいたいこんな感じ。知りたいよねー、本当の理由。でもちょっと考えてみると本当の理由が知りたいということは、「今認識していることは本当じゃない=騙されてますよ、知らない事実がありますよ」となる。だからこそこういうときは常識に近いことをとりあえず出しておいてカウンターのように「それウソですよ!」と誘導する流れになる。まあ詐欺とかもそういう入口でやってるとは思う。
試しに「本当の理由」で検索してみると以下のようなものが引っかかった。
「がんばっても報われない本当の理由」
「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」
「世界から格差がなくならない本当の理由」
なんかどれも重たい。しかもこれ全部書籍のタイトルだ。
やっぱり「え、どんな理由?知りたいから買おう」と思ってもらいたいからだろう。構造的にはPRと同じだ。PRと違うのはさすがに本を出せるレベルの内容が書いてあること。5ページぶんしか情報がないよ、だと出版できないので。
インターネットの発達によって知りたい情報にはだれでも気軽にアクセスできるようになった。ただアクセスできると同時にアップもできるようになっているので、中には全く役に立たない情報もある、というかそういうものほどとにかく検索に引っかかるように作ってあるので妙に上位にくる。
「いかがでしたかブログ」や「こたつ記事」と呼ばれるものだ。
例えばタイムリーなところでいえば星野源。架空のいかがでしたかブログだが例えばこんな感じで書かれている。
「今日は星野源さんについて調べてみました!」
「星野源さんは本名だそうです!」
「くも膜下出血で入院して大変だったみたいです!」
「星野源さんの兄弟はいるのでしょうか?調べてみたところわかりませんでした!」
「星野源さんの同級生がミュージシャンという噂!こちらに関しても情報はありませんでした!」
「いかがでしたか」
ほとんどの人が知ってる情報に加え、全くもって無意味な情報。
これは単純に「クリックさえされればよい」という考えに基づいているからこその作り方である。「本当の理由PR」もおそらく同じような考えだろう。とにかく興味を引きさえすればその中の1%でも見る人がいるかもしれないから、といったところか。
やっぱり「騙されたくない」「騙されたままでいたくない」という感情を刺激するのはある程度の強さがある。疑り深い人ほど逆に引っ掛かったりしそうだし。 でも全体的に脅してるようで品がない。バナー広告の「クリック数が成果」みたいな考え方はそろそろ行きつくところまできているのではないかと思う。
なおこんなブログを急に書き出した「本当の理由」は…
(知りたい人はここをクリック!)
みたいなの引っかからないようにしたい。
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