キングオブコント2024 振り返りと感想
キングオブコント2024が終了。これだけ世間に結果が知れ渡っているのでネタバレ云々はどうでもいいだろう、ということで結果交えた感想を書いていく。
しかしもうほんと毎年非常にハイレベルになってきた。なにせ最下位でも平均したら90点以上あるのだ。あと、昔は「明らかに滑っている」というのがだいたい1.2組くらいはあったものだが、ぜんぜんそれがない。
1.ロングコートダディ 475点 2位→Finalへ「花束を買いに来る客」のコント。兎演じるサラリーマン客が、花屋にて花束を作るよう依頼するが、持ってくる花束全部にケチをつけていく。そのケチのつけ方が「こういう奴いるわ!」という感じの絶妙に嫌なラインを非常にうまくついていた。兎のふてぶてしい表情ともあいまって完成度も高く、トップバッターにも関わらず高得点をたたき出してFinalへ進んだ。
個人的採点:94点
2.ダンビラムーチョ 469点 6位
「冨安四発太鼓」という謎の地域太鼓のコント。地域のお祭り感といい、「こんな横柄なおっさんいそうだな」という雰囲気といい、よくできていた。4発しかたたけない太鼓という設定をよく考え付いたなあという感想。単純に1組目がよすぎたというのもあるが、その後も高得点に挟まれ早々に脱落となったが、「シャレになってないじゃーん!」のギャグを挟みつつ去るのはさすが。
個人的採点:90点
3.シティホテル3号室 471点 5位
通販番組での社長とタレントのやりとりコント。タレントが強引に値下げ交渉を始め、社長が「聞いてない」と戸惑いながらしぶしぶ値下げするが、実は全部社長の台本、という設定が非常に裏切りがあって面白かった。ただ最初のほうにピークが来すぎた感はあるかなぁ。オチもストレートで分かりやすいけどなんとなくもう一つ裏切りを求めてしまった。
個人的採点:93点
4.や団 474点 4位
工場かなんかの休憩時間に、ロッカーで現金盗難が起こる。そこから犯人捜しが始まる…というコントだが「正義感が異常に強すぎる同僚」のロングサイズ伊藤の演技が恐ろしく、そこからどんどん笑いにつながっていく形だった。や団のコントは本間キッドがひたすらツッコミに回る形なのだがそれが淀みなく展開していてだいぶ笑った。まあ下ネタ(肛門)で多少好みが分かれるかな。
個人的採点:95点
5.コットン 461点 9位
西村がぬいぐるみでおままごとをしているが、その内容があまりに完成された青春ドラマになっていて、近くで聞いていたきょんが過剰に反応してしまう、というネタ。西村のセリフ量の多さがすごいしきょんが入ってくるタイミングとか練られたコントだな~とは思うのだが、せっかく二人とも演技派なのにかけあいが少ないのはさみしい、と思ってたら似たようなこと言われてた。
個人的採点:91点
6.ニッポンの社長 468点 7位
野球部の新人が、めちゃくちゃ能力高いのに声が小さい。それだけを軸にしてひたすらやっていくコントなのだが、ケツの声の小ささと表情とバットでどつかれるタイミングが完璧すぎて死ぬほど笑った。ただ同時に「これはコンスタントな高得点は難しいぞ」と思ってたらやっぱり。毎回「小峠にハマって飯塚にハマらない」という枠になってしまってるのが残念だが、ま~一番ウケた。
個人的採点:97点
7.ファイヤーサンダー 476点 1位→Finalへお笑い芸人がロケ番組にて毒舌で突っ込んでいたら警察がスカウトに来る。なんで?と思ってたら「銀行強盗やってそうやな!」みたいなツッコミが全部真実を言い当てている、という斬新な設定。この一発目のネタバラシで一気に持って行った感がある。「君は例えすぎた」というパワーワードも生まれたし。審査員にも大いにウケて1位通過。この時点では優勝かなと思ってた。
個人的採点:95点
8.cacao 468点 7位
まだ5年目の若手トリオ。部員のいない野球部員が部室で練習してたら異様に「部屋練」が上手くなるというコント。監督までノリノリで部屋練に参加して「ビシュッ→カキーン→バシッ」みたいな超ハイテンポで投げて打って捕ってをやりあうシーンが一番盛り上がったが、そこからしばらく繰り返しになってしまったのが惜しい感じがした。まあ充分面白かったけども。
個人的採点:92点
9.隣人 458点 10位
飼っていたチンパンジーに別れを告げる老人…というと泣かせるような設定ぽいが実際は「チンパンジーが人間に近づきすぎて怖いので追い出す」話。音声読み上げソフトを使ってコミュニケーションするチンパンジーが面白かった。しかし去年もチンパンジーネタだったので、これで優勝したらチンパンジーで各局回ろうというプランでもあったのだろうか。
個人的採点:91点
10.ラブレターズ 475点 2位→Finalへ
引きこもりの息子が、実はどんぐり系Youtuber(なんじゃそら)になっていたことを知った両親が、陰ながら応援しまくるコント。洗濯物のポケットにどんぐりがある=あいつもしかして外に出てるんじゃ?みたいなところからまさかそこに行くかという展開で笑えるのになんか応援もしたくなるという熱いコント。ギリギリで2位に滑り込みFinalへ。
個人的採点:94点
Final
ラブレターズはカオスの一言。海に来た女性をナンパする外国人、しかし女性は坊主頭でなおかつジュビロ磐田の熱狂的サポーター。ただ呪いの存在としてスタジアム出禁を食らっているという…と改めて書いてもわけわからんが勢いはすごかった。ロングコートダディは遺跡のなかでの石像とのやりとりで、言葉が通じないため終始すれちがうというコントだった。ズレ具合が非常にうまかったのだが「兎が出てこない(腕だけ出演)」というのがちょっともったいなかったなぁ。ほかの人でもいいやん、となってしまうので。最後はファイヤーサンダー。野球部をからかうヤンキーが「お前らが甲子園行ったら全裸でマラソンしてやるよ!」と言った後、なんのかんのその準備を始めるという構成で、エスカレートする準備具合、ハートフルなオチと、非常に完成度が高くこれは優勝かなと思ったのだが、おそらく「ベタ」「流れが読めてしまう」というあたりで引っかかってそこまで得点伸びず。優勝はラブレターズとなった。
ラブレターズはコントに定評があり何度も決勝に残っているもののそこまでいい結果を出せず、という感じだったのでここにきての優勝は驚いた。よかったなぁ。しかし二人ともシークレットシューズを履いてることもいろんな番組でバラしてるが、今回どうだったのか?身長まで気にして見ていなかったのでわからん。
なお、今回から審査員が松本人志に代わりシソンヌのじろうになったが、おおむね安定というか「全般的に高めで推移」「そんなに厳しいことは言わない」といった印象。まあこのレベルの高さならそうなるか。