岸田政権と台湾有事とトマホークと
◉麻生太郎自民党副総裁が、岸田文雄総理大臣の実行力を褒めています。本来は、総理の座を退いた安倍晋三元総理が、役職のない立場でやるべきことだったんですが、麻生副総裁が代わりに発言しているという感じですかね。岸田政権も丸2年、いろいろとマスコミは文句をつけますが、ある意味で安倍・菅内閣よりも、難しいことをどんどん実行している感じですね。特に外交と軍事は、台湾有事に関する、かなり確度の高い情報をアメリカと共有しているのか、剛腕を見せています。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、海上自衛隊の艦艇4隻、です。
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■岸田総理の剛腕■
こと台湾有事に関しては、アメリカの動きはかなり。そもそも、ロシア連邦軍のウクライナ侵攻に関しても、自称専門家たちが予想もしていなかった中、アメリカは確実な情報を掴んでいて、やはりその情報力は並外れています。なにしろ検索すると中央情報局(CIA)は、人員は2万1575人で海上自衛隊の4万3000人と比較しても、かなりの大組織。しかも、外部のエージェントはもっと多く、自衛隊の総数に匹敵するとも。予算は150億ドル(本日のレートで2兆2350億4500万円)と、2022年に初めて6兆円を突破した日本の防衛予算と比較しても、とんでもない額です。岸田総理も頑張っているのですが。
備忘録も兼ねて、画像も転載しておきますね。
岸田総理は2027年度の防衛費を、9兆円程度にまで増額する意向を示しているんですが。それでも、8770億ドルのアメリカや、推定2920億ドルの中国の軍事費とは、本日のレート1ドル149円では9兆円=603.9億ドルで、中国の5分の1ほどと、比較にならないのですが……。ただし、2027年のレートが1ドル100円なら、推定864億ドルのロシアを抜いて、世界3位の軍事費になる可能性があるんですけどね。ロシアはその頃は、ウクライナ戦で疲弊して、ボロボロになっている可能性があるのですが。
■トマホークの導入■
また、日本が導入を予定でった米国製巡航ミサイル『トマホーク』を、1年前倒しして調達し、2025年度からとする方針で国防総省と一致下とのこと。しかも、最新鋭のブロック5タイプではなく、古い型であるブロック4とのこと。このことで、また左派が米軍のお下がりや中古品を押し付けられたとか、X(旧Twitter)などで騒いでいます。左寄りの論調の地方紙として知られる琉球新報は、相変わらず見出しに『敵基地攻撃能力』と入れて、日本が先制攻撃するかのような印象を、煽っていますが。そういう話ではないんですよね。
確かに最新鋭のブロック5の導入が理想ですが、ブロック4も目標の識別能力がやや劣るものの、射程や速度などの性能はほぼ同等なんですよね。安定して生産されているので信頼度も高いですし、性能的にはそこまで大きな差があるわけではないです。というか、トマホークは巡航ミサイルとしては元々、高性能ですから。1972年から研究が始まり、1980年には試験発射され、もう40年以上の実績がある巡航ミサイルですから。ブロック5は2021年にアメリカ軍に納入された、アメリカでもまだ数が少ないモノですから。それだけ、台湾有事が切迫していると考えることも可能です。
■総統選と大統領選■
この動き、2024年のアメリカ大統領選挙で、民主党のバイデン大統領が敗北する可能性も含んでいます。実際、事前の調査では、共和党が優勢。トランプ大統領復活なるかはわかりませんが、共和党候補が当選した場合、伝統のモンロー主義に従って、ウクライナ支援からさえも手を引く可能性があります。アメリカの歴史を見ると、ブッシュ親子を例外として、民主党政権が始めた戦争を、共和党政権が終わらせるのが基本パターン。アメリカは4年もあると、厭戦気分が広がって、戦争を終結させる機運が高まるんですよね。加えて、2024年は1月に台湾総統選挙もあります。
中国が動くとしたら、2024年か2025年というのは、かなり可能性が高いでしょうね。台湾総統選挙の結果を見て、揺さぶりをかけ。アメリカ大統領選挙のドサクサや、結果を見て共和党政権が成立したら、ウクライナの動きを見て台湾侵攻。自分が習近平主席ならば、その時は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に南進の動きや、日本海側の海岸で工作船を動かして、韓国の在韓米軍や日本の自衛隊に揺さぶりをかけるように指示し、陽動作戦を展開した上で、台湾侵攻でしょうね。アメリカもその動きを見越しての前倒しでの、現物納品でしょうね。
■皇帝の正統と台湾■
前から書いていますが、中国には『正統』という概念があり、最初の帝王である黄帝から歴代の皇帝に、天下を支配する正統性が継承されてきたという考え方です。でもこれっておかしくて、三国時代も南北朝時代も、五胡十六国時代や五代十国時代もあったわけで。でも、この建前は崩していません。でも例えば、明王朝は元王朝を滅ぼして、正統を受け継いだことになっていますが。元朝はモンゴル帝国の大元ウルスでしかなく、明王朝に破れましたが、本来の本拠地のモンゴル高原に帰っただけ。恵宗ことトゴン・テムル皇帝も死んでいません。
でも、これを滅ぼしたことにして、以降の元朝を北元と呼び、別の王朝として扱っています。ところが、この元朝の皇帝の玉璽と皇帝位は、清朝の二代皇帝ホンタイジに継承されます。こうなると、皇帝の正統は元朝から清朝へ継承され、明朝の歴代皇帝は三国時代の呉や蜀の皇帝と同じで、皇帝を僭称していた偽皇帝ということになります。そう、台湾の正式名称は中華民国で、中華人民共和国にとっての北元王朝なんです。ここを滅ぼし、ついでに故宮博物院のさないと、正統が完全には移らないわけです。だって、中華人民共和国は清朝の版図を受け継いでいるので、なおさら。
現代の皇帝たる習近平主席が、建国の初代皇帝毛沢東と、中興の祖たる鄧小平を超えるには、台湾統一しかないんですよね。2024年と2025年は、ロシア連邦・中華人民共和国・北朝鮮にとって、乾坤一擲の勝負に出る可能性が……。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ