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F-16とロシア空軍

◉乗りものニュースに、F-16関連の記事が出ていましたので、ご紹介。ウクライナ 戦争における、ゲーム チェンジャーになることが期待される名機F-16ですが、ウクライナのパイロットが使いこなせるようになるには、訓練期間も含めてまだまだ時間がかかるようで、来年の夏以降になるようです。

【ウクライナ落胆「F-16今年はこない」 活発化したロシア空軍への対抗策が遠のく 「戦闘機が欲しい」そもそもの理由】乗りものニュース

ウクライナ空軍は今年中にF-16戦闘機の供給はないだろうと発表しました。ロシア空軍の本格投入が噂されているなか、同機はどのようなことを期待されていたのでしょうか。

https://trafficnews.jp/post/127616

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、F-16の写真です。いやぁ、あるもんですね。

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■戦争は人間がやるもの■

ウクライナは良くも悪くも、ロシア連邦と兄弟のような東スラブ人の国家で、武器もロシア製が多く、アメリカ製の武器とは、使い勝手や操作性が違います。これがアサルトライフル ならば、基本的な構造や操作は似たようなものなのですが。精密機器の塊である 戦闘機となると、いかに優れたパイロットであっても、すぐには動かせない。戦争は人間がやることである、という当たり前の事実ですね。

日本人はここら辺の現実を軽視して、特攻隊 という 攻撃に走ってしまったわけです。一人の優秀なパイロットを育てるのに必要な時間や、経費のコスト意識がなく、それが大西瀧治郎中将の「二千万の日本人を特攻として用いれば負けはしない」という妄言に繋がるわけです。実際は1億人いなかった当時の日本人の、おそらくは未来を担うであろう若い男性達が2000万人も亡くなったら、もう国家としては勝利してもガッタガタ。

■10倍の戦力差でも■

昨年戦争が始まった時点で、ロシア連邦軍とウクライナ軍の戦力差は明らかで。戦争が始まった時点での総兵力は、ロシア連邦軍約85万人対ウクライナ軍約20万人と、4倍以上。戦車も1万2000輌対2600輌と5倍弱も違い。戦闘機に至っては770機以上対69機と、11倍以上も違っており。軍事費は約7兆1100億円対約6800億円と、約11倍も違います。ウクライナが3日で首都を落とされると考えられたのも、根拠がない話ではないのです。

ひとつ不思議なのは、航空戦力においてそれほど圧倒的な差があるはずのロシアが、空軍を投入するのを渋っていること。現在の戦争は、制空権を取ることが最も重視されます。いくらロシア ウクライナが、陸軍主体の大陸国家とはいえ、不思議といえば不思議です。ウクライナ侵攻に関して言えばプーチン大統領は、戦力の逐次投入という負け戦のパターンを踏襲してしまっているのですが。圧倒的な戦力差を利用しての力押しの電撃戦が、最も有効なのに。

 なりを潜めていたロシア空軍が本格投入された理由に関しては様々な憶測もあるようですが、ロシア軍の火砲の多くが、長引く戦闘のなかで失われたため、地上火力を補うための航空支援であると指摘する専門家もいます。

同上

それだけ、ウクライナ軍を舐めていたのかもしれませんが。これはひょっとして、フセイン大統領の戦術のマネとか?

■負けても種銭は残ず■

イラクのサッダーム・フセイン大統領が、隣国のクウェートに攻め込んだクウェート侵攻の結果、多国籍軍との湾岸戦争が起きたのですが。あの時もイラクは、虎の子である空軍の戦闘機を、一時期隣国に退避させるという、不可解な行動をとりましたが。湾岸戦争後も10年ほども、フセイン政権が延命したことを思えば、そう不思議でもなく。いくら負けても明日の種銭を残す博打打ちと同じで、敗戦後を見越した動きだったと思います。

 ただ、ロシア空軍はウクライナの防空網の中には入ることなく、射程延長用の滑空装置を備えた無誘導爆弾を使って攻撃を行っていると見られ、高い精度を得られているわけではないとイギリス国防省は予想しています。とはいえ、防空網の構築や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など、いわゆる西側陣営から供与された対空ミサイルの配備が十分ではない前線のウクライナ軍にとっては、ロシア空軍の地上攻撃は脅威となります。

同上

ウクライナ侵攻の後、ロシア連邦は極東の兵力をウクライナに投入するにあたって、北方領土で軍事演習をするなどの、威嚇を見せました。日本人の感覚からすれば、自衛隊が好機到来と北方領土に軍を進める可能性は、ほぼゼロなのですが。ロシア連邦軍からすれば、極東の軍事力がダウンすれば、その機会に乗じて他国が攻め込んでくるのは、ごく当たり前の話。戦力を一気に投入できない理由が、ロシア連邦軍にはあるわけです。長い国境線を持ち、周辺国と揉めてきた歴史のツケ。

■ロシア製兵器のポンコツ■

素人考えですが、数的には圧倒的に優位なはずのロシア連邦軍が、その空軍の戦力を大規模投入できない理由はたぶん、そこら辺でしょうかね。それこそ、中国軍が台湾ではなく、ロシアとの国境に北進する可能性だって、ゼロではないのですから。中ソ国境紛争の昔から、友好国ではあっても背中にナイフを隠し持って握手するような関係性ですから。それは北朝鮮にしても同じです。ここで動いてもロシア側がうやむやにするしかない状況なら、動くのが権威主義国家。

 航空戦力に関しては、ウクライナ空軍の方が数的にかなり不利な状態にあります。しかもウクライナ空軍の主力戦闘機であるMiG-29では、ロシア空軍のSu-35などが迎撃にきた場合、レーダーや搭載している空対空ミサイルの性能に差が大きく、一方的に撃墜される危険性もあり、なかなか出撃が難しい状況となっています。

同上

戦略的には、ウクライナ側が劣勢なのは、まだまだ事実ではありますし。たぶん、パイロットの育成もそう簡単にはいかないでしょう。ただ、西側の兵器の性能は、かなりハイレベルなのは事実で。逆に、ロシア製のポンコツぶりが、今回のウクライナ侵攻で明らかに。よほど、西側の対空ミサイルを恐れているのか? いずれにしろ ロシアは思い切って戦力を投入できない状況は、あるようで。さらに、こんな情報も。

現状では、戦争を長期化させて、ロシア連邦軍の戦力をさらにスライスしていくことが重要なのでしょう。すでに洗車とか博物館 レベルのものも 投入し始めているようですし。来年の夏以降、F-16と義勇兵の参戦で、ロシア連邦はかなりやばいことになりそうな。フセイン大統領はそれでも10年ほどの延命に成功しましたが。ロシア連邦が解体され、ロシアが モスクワ大公国のレベルまで後退することを、ひそかに願います。

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喜多野土竜
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