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夫婦二人で益子へマタニティ旅行

 「マタニティ旅行」といっても、それに沿った特別なことはしていない。ただ車で2時間ほどで行ける場所で、ゆっくりできて、妊娠中のことを配慮いただける旅館でゆっくりすることを第一に今回旅行プランを立てた。なんだかんだ、今回の旅行が二人で行ける旅行では最後になるのかなと。最後というか当分の間は二人ではなくなるだろうから、ゆっくり二人で会話ができるような場所を選びました。
 お昼は宇都宮餃子。旦那おすすめの「みんみん」というお店に行き、「もしかしたら並んでるかも」と言われたけど、ギリギリすぐに入れて、私たち以降の方は40分待ちとなっていた。なんとラッキーか。そこの餃子は「焼き・揚げ・水」と選択ができるお店で、私たちはすべての種類を注文した。

宇都宮みんみんの餃子

 これが本当に美味しい餃子で、久しぶりに美味しい餃子を食べた!!という満足感で溢れるお昼ご飯になりました。特に焼き餃子が私は1番美味しくて、中から溢れる肉汁が飲めるくらい美味しいのに、野菜もしっかり入っていてあっさりと食べれちゃうのが本当に不思議なくらい美味しい。二人して「美味しい、美味しい」と感動しながら、気づいたら焼き餃子をおかわりしていました。一気に食べちゃうと苦しくなってしまうのに、止まらない美味しさでした。周りの方も結構頼んでたから、最初から多めに頼むのがおすすめスタイルなのかも・・・。
 お昼を済ませて、次に向かったのは益子焼のお店が並んでいる場所へ。せっかく益子に来たなら、記念に二人のコーヒーカップを購入したいよね、とその場へ向かいました。到着して驚き、益子焼のお店がずらーっと立ち並んでいて、どの店も個性があって本当に選べない。「これもいい、あれもいい」と二人で悩み、お店を色々見た結果、ようやく二人が納得する素敵なカップとソーサーを購入しました。

黒が旦那で、白が私

 本当は熱燗用に徳利も欲しかったんですが、購入し始めると止まらなくなりそうだったので、今回はこれでおしまい。旦那は8千円ほどするフクロウを購入していました。彼もいい出会いがあったようで何より。でも結構いいお値段で驚きました。
 ちょうどいい時間にもなったので、目的地のお宿にチェックイン。今回のお宿は客室に露天風呂があるところを選択しました。温泉ではないけど、ゆっくり二人で過ごすには最高のロケーション。部屋に入ると想像よりも広くて、また大きなテレビもあったりですでに大満足。早めにチェックインしたこともあり、時間も余裕があるので旦那はサウナへ、私は客室の露天でお互いゆっくり過ごすことにしました。その日の夕方は風も強くて本当に寒かったんですが、お風呂は熱々の45度に設定されていたので、すぐに体の芯から温まりポカポカに。のぼせそうになったら、休憩できる椅子で涼んで、寒くなったらもう一度湯船に浸かってを繰り返す。なんともゆっくり穏やかな時間が流れていくのを感じました。本当はいつも自宅でのお風呂の過ごし方と同様に、Youtubeでも見ようかと思っていたんですが、動画を見る気にもならず、ただ風の音と目の前の山をぼーっと見つめて過ごす時間。頭の中がどんどん空っぽになっていき、気付かないうちに溜まっていたモヤモヤも消えていって、心からリフレッシュできました。
 お互いのそれぞれのゆっくり時間を過ごし、ついに夕食の時間に。私は妊娠の旨を伝えていたので、お刺身などは代わりの食材でご用意いただきましたが、そうであっても大満足の美味しさ。

美味しすぎたお肉

 このお肉が悶絶する美味しさで、旦那の分も少し分けてもらいました。夕食時にあった話で、提供されたご飯が白ごはんではなく、「むかごご飯」というご飯でした。見た目は大きな黒豆のようなものなんですが、話を伺うと自然薯という食材のようで、食感は本当に火の通った山芋のようでした。ただ私はお恥ずかしい話、豆ご飯や芋ご飯といった食事が本当に苦手で、ご飯をおかわりをする時に「可能であれば・・・」とこのお芋を避けてもらうようにお願いしました。恥ずかしいですね。大人になっても好き嫌いとは。ただその時に対応してくださった方が本当に優しくて「苦手だったら食べなくていいのよー!」と色々とお話ししてくださり、さらには体のことも気遣ってくださったりと本当に優しい言葉をかけてくださいました。日頃お店の方に、こんなに優しい言葉をかけてもらえることなんてないですし、さらには気遣っていただけることなんてほとんどなかった私からするとこの方の優しさは本当に嬉しくて、美味しいご飯はもちろんですが心が温かかくなりました。
 そのあとは大浴場でゆっくり過ごし、そこでも一緒に入っていたおばあちゃんに話しかけてもらえて、言葉にするには難しいんですが、私が好きな私に戻っていくような感覚になっていきました。私は出身は田舎なので、近所の方に声をかけたり、声をかけられることに今まで全く抵抗がなかったんです。もしかしたら田舎特有のコミュニケーションかもしれません。苦手な方は苦手ですよね。でも昔の私は犬の散歩をしている人に話しかけることも、公園であったおばあちゃんと話すことも全く抵抗はなかったし、そうやっていろんな人と話す自分が好きだったなあ、と思い出す1日になりました。人に対する壁が想像以上に厚くなっていたのかもしれない。今住んでいる場所ではなぜか無意識に鎧を被ってしまって、他人と話す時は絶対に自分の内側は見せないし、信用もしていませんよという雰囲気を出してしまっていたかもしれない。もちろん、大好きな人にはそんなことはないけれど、知らない人には自分を守るために鎧を被ってじゃないと生活できないようになっていた。それを無理矢理剥がされたような時間に溢れていて、自分がどんどん解けていく。旦那との会話もゆっくりと優しくなっていくし、心なしか感謝の言葉が多く出ている。人は人に傷つけられて、人を信じれなくなってしまうけれど、それを癒すのもまた人なんだなあ、と感じた2日間でした。
 大好きな苺もたらふく食べて、優しい人と美味しいご飯に癒されたマタニティ旅行。きっとまた数日すればモヤモヤは溜まっていく。仕方ない。それが今の生活だから。でもこの日に買ったカップで美味しいコーヒーが飲める頃にはまた少し自分も成長して、見える景色も変わってくるかもしれない。やっぱり地方に行くと、自分の好きな自分に戻れるから好きだなあ、と痛感した2日間でした。

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