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め
2017年7月5日 16:59
車は暗闇の前で震えながら停まった。「ついたよ」シフトレバーをパーキングに押し込みながら言うと、助手席で眠っていたユリは目をこすって短く息を吐き出した。たぶん笑ったのだと思う。暗くてよく見えなかった。車内のライトをつけると彼女は片目をつぶって眉を寄せた。「まぶしい」手足を伸ばしながら言う彼女からは、俺と同じシャンプーの匂いがする。おとこ物の、清涼感の強いその匂いでさえ、ユリが纏う