アイドルとの疑似恋愛をやめて、良い恋愛がしたい
アイドルが好きだ。
男の子のアイドルも女の子のアイドルもみんな好きだ。
韓国のアイドルが好きだ…
かなり詳しいというタイプではないが、10代の頃から常に好きなグループがあってファンクラブに入ったり、グッズを買ったりしてきた。
辛いとき、孤独なとき、
アイドルは向精神薬のように、私を幸せの世界へと連れて行ってくれる。
最近は忙しくてなかなか追えていなかったが、
ついさっき、推しているグループの活動記録のような動画を見たところだ。
うわー…かわいい、かっこいい、頑張ってる、えらい、素敵、最高…
ただただ肯定的な気持ちだけになる。
「ファンの皆さんのそばにいます、いつも愛してくれてありがとう。」
「ファンの皆さんにとって、もっと誇らしい存在になれるように頑張ります。」
「いつも愛しています。」
頭の中が好きの感情で埋め尽くされる。
脳みそが溶けるような快感。
気がつけば画面の前には目尻を下げニヤニヤと笑う自分。
見終わった後は、多幸感で満たされる。
本当に恋心に似ていると思う。
私が愛してると思うと、アイドルも愛してると答えてくれる。
私がスマホを開いて、YouTubを観ればすぐに愛しているよと言ってくれる。
無条件に自分を肯定してくれる、最高の存在だ。
こんなに簡単に幸せになって良いのだろうか……
だが、簡単に得られる幸福感や興奮はすぐに冷めるし、きっと何かの代わりにしかならないんだな、というのが久しぶりにアイドルを観た私の感想だった。
疑似恋愛はあくまでも疑似恋愛であって、夢でしかないんだと、私は現実で、本当の恋愛がしたいんだと、当たり前のようなことをはっきりと悟ってしまった。
アイドルに心酔していた頃は、なぜ人類全てがアイドルを好きにならないのかが不思議なくらい、もうこれ以上何もいらないという気分だったのに。
現実の恋愛における幸せとは、
自分が好意を持った相手と、『精神的につながっている』と感じることによって発する幸福感のことだと思う。
アイドルとの疑似恋愛で、私はこれを得ることができない。
(得られる人もいると思うけど)
ファンとアイドルは、個と個として繋がることはできないからだ。
結局、ファンがどれほどアイドルを愛しても、アイドルがどれほどファンに心を寄せても、コンテンツを鑑賞する、コンテンツを提供する、という関係性からは変化できない。
ファンとアイドルはその関係性を、どれだけ“崇高なもの“にしていくか、というだけで、じゃあ関係性を恋愛関係に変化させましょうということはあり得ないのだ。
そこから得られる幸福感には限界があり、恋愛としての本当の、成熟した幸福感は得られない。
私はやっぱり、生身の、目の前にいる人間と心を通わせたい。繋がりたい、個と個でありながら、精神的にひとつになりたいと思う。
そういう瞬間に、勝る幸福感はないと思う。
こういう考えを持てるようになったのも、自分の精神面が少し成長したからなのだと思いたいが、どうなんだろう。
アイドルはこの先もずっと好きだと思うし、追い続けると思うけど、もう擬似恋愛的な感情で観ることはないだろうなあと思う。
うーん。
なんというか、早く良い恋愛がしたいなぁと思う、というお話でした。
得るだけの幸福ではなく、与えることによって生じる幸福感をもっと感じたい。
2022.02.02の日記。