他競技経験者の帯認定について考える

・ブラジリアン柔術の帯について
ブラジリアン柔術の帯は白、灰、黄、橙、緑、青、紫、茶、黒帯とあります。
黒帯以上は段数によって黒赤帯や赤白帯もあります。
また灰色から緑帯まではキッズ帯です。

帯の昇格について正式に決まっているものはなく各アカデミーで違うのもブラジリアン柔術の特色ではないでしょうか?
なので帯昇格試験があるアカデミーや先生の裁量で昇格したりと昇格方法は様々。
認定する先生のみIBJJFより認定、登録された指導者であることだけが必要となります。そのためアカデミーによって帯の昇格が甘いところ、厳しいところが出てしまうのも事実でしょう。

・他競技経験者の白帯出場禁止について
最近明文化されたものに『柔道黒帯、レスリングの実績がある競技者、プロアマ問わずMMA試合出場経験者は白帯での大会参加は認められない』(要約)というものがあります。

今回はこれについて書こうと思います。
ちなみに自分の意見を先に述べると明文化されたならばそれに従うだけです。
競技ルールとして書かれていることにあーだこーだいうのは意味がないことだと思う。
決められたルールならばそれを守るの筋だと思ってます。

前述の通り、ブラジリアン柔術の帯認定についてはその道場によってまちまちです。
本来であれば道場によって柔道黒帯でも実力がないと判断されれば白帯で出場させるところもあるだろうし実力があれば青帯以上で出場させるところもあったわけです。

それがなぜ明文化されたのか?というところから考えなければいけないのではないかと思います。
今までは明文化されなかったことをわざわざ明文化するということはそれによって競技者の安全が脅かされる、もしくは不平等が生じるからでしょう。
今回の件では不平等というよりは競技者の安全を考えてのことと自分は考えてます。

本来なら柔道、MMA、レスリング経験者の実力を各道場で実力を見極めて出場させるのが本来の形です。
それが正常になっていないのでこのような明文化を生んだのではないでしょうか?

また根本的な問題点として海外との柔道黒帯所得基準の差があります。
日本ブラジリアン柔術連盟JBJJFは国際ブラジリアン柔術連盟IBJJFの下部組織のためIBJJFルールを使用してます。
そのため今回の明文化がされたわけですが以前はこれに加えて日本独自のルールとして柔道黒帯でも各道場判断で白帯でも参加出来ていました。
17年前の話ですが自分がマナウスに柔術を練習しに行った際に現地の柔術茶帯の若者が柔道の黒帯を所得したと大喜びしてました。
日本人の僕らからすると柔道黒帯なんて中学生でも取れるのになぜ?となりました。
ちなみに彼は柔術は紫帯で世界王者。
そっちの方がすごいのにが日本人の感覚です。
要するに海外で柔道の黒帯を所得するのは日本人の感覚とはかけ離れているレベルなわけです。

同じようなことでレスリングの実績があります。
レスリングはアメリカが優れているのでIBJJFルールでは注釈がついてます。
『アメリカでは大学レベル以上、その他の国では全国レベル以上の出場経験者』と。

というわけで僕が考える柔道黒帯問題は同じように柔道黒帯に例えば『日本では黒帯二段以上は』のような注釈をつけるべきではないでしょうか?


・プロMMAはわかるけどアマチュアもダメなの?
MMA経験者ですがこちらはプロだけにするとどの競技団体はプロでプロじゃないなど微妙になります。
修斗のようにライセンスがあればわかりますがほとんどの団体はないでしょう。
というか今、修斗ライセンスってあるのかも不明ですが。
なのでアマチュアMMA経験者も記載されているのかな?と思うわけです。
しかしながらアマチュアMMA経験者といってもそれこそピンキリなわけで青帯で出しちゃダメだろーという競技者の方がたくさんいることでしょう。

これらの判断をきちんとするために連盟公認の指導者いるわけで、きちんとした判断をするべきだと思います。

・指導者の役割
競技者の帯の認定とはしっかりとその競技者の実力を分析することが大切だと考えます。
柔術でも実績を残していても昇格しない場合もあります。
実績を残して次の帯に自動昇格なら指導者は不用でそれこそ連盟が優勝者に帯を認定すればいいのではないでしょうか?
そうすると例えばワンマッチでアマチュアMMA経験者というだけで青帯に出場してきた超初心者の競技者に勝っただけで紫帯昇格ということもありえます。
そんな状態で紫帯で試合せざるを得なくなった競技者のその後が心配です。
そのようなことがないようにしっかりと見極めるのが指導者なのです。

ルールで決められた以上、アマチュアMMA経験者の競技者は青帯でしか出れなくなります。
が、何も悲観することはないのではないでしょうか?
アマチュアMMAに挑戦するゆうきがあるならば柔術青帯でかてるくらいの実力を身につければいいわけであってむしろ青帯で勝てないレベルで打撃ありの試合をする方が優しくないのではないかと思います。
僕は試合にはまずは柔術の白帯で出場してグランドで勝てるようになってからMMAに挑戦することをすすめます。

・まとめ
柔道黒帯でもMMA経験者でも現状ルールでは青帯で出場せざるを得ません。
他競技の経験値だけで青帯で勝つのは限界があります。
そのくらいブラジリアン柔術もレベルが高くなっています。
しかしながらそれらの他競技での経験を踏まえて青帯で勝てるように練習することで独自のブラジリアン柔術スタイルを構築することができると思います。
白帯で出場できない、のではなく青帯で勝てるように練習するは柔術を練習している競技者全員の通過点であるわけですからさらに上を目指して練習すればいいだけではないでしょうか?

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