同門対決
2月26日に横浜武道館で行われた日本ブラジリアン柔術連盟主催の全日本マスター柔術選手権。
僕は黒帯マスター4ルースター級決勝でドラゴンズデンの同門、中村くんと試合をしました。
ブラジリアン柔術では同門シェアという慣例みたいなのがあって同門の選手同士は試合をしない、みたいなのがあります。
自分は中井祐樹先生の元パラエストラで育ったきました。
パラエストラでは同門シェアなんてものはなく常に同門対決です。
そんな中で育ってきたのでその流れを汲むドラゴンズデンでも同門対決を推奨しています。
そうは言ってもドラゴンズデンも同門対決は推奨であって強制ではありません。
これまでも同門シェアもあったし同門対決もありました。
しかしながら生徒同士の同門対決はあっても僕自身が生徒と試合することは2005年の開設以来ありませんでした。
決勝で試合した中村くんは2006年入会の初期メンバーであり同い年、白帯の時からずっと頑張ってきて今は柔術黒帯、来月にはプロ修斗二戦目を控えるFighterです。
今回のように優勝人数によってポイントを獲得して団体優勝をきめる大会ではうちのような少数団体ではカテゴリーを分けて1カテゴリー1人制でいくことも考えました。
が、今大会はコロナ禍以降過去最多じゃないか?と思うくらい出場人数が多い大会でした。いわばお祭り。
そしたらそんなせこいこと考えずに思いっきり試合を楽しもうということで僕のカテゴリーも含めて2人が出場する重複カテゴリーもありでいいということになりました。
ちなみに同門シェアする場合、本人同士で決める場合や道場内試合や道場内ランキング、これまでの実績、ジャンケンなどで決めてある場合が多いと思います。
ちなみにパラエストラではかつて道場の壁にランキング番付表みたいなのが貼ってありました。
パラエストラ全支部の同帯同カテゴリーのランキング番付です。
このランキングの1位と2位の選手が同じ道場から2人しか出場権のない全日本選手権に出場することができます。
なのでこれを目指して全日本前の大会や練習で中井先生にみんなアピールし切磋琢磨するシステムでした。
けど1位と2位の直接対決が例え実現してもガチンコ勝負するのがパラエストラでした。
そんなわけでそれぞれ初戦を勝ち上がり決勝は僕と中村くん。
同門対決をするかどうかは中村くんに委ねました。
熟考の末に聞いた返事は「お願いします!」とのこと。
こうしてドラゴンズデン代表としては初めての同門真剣勝負に挑むことになりました。
結果はレフェリー判定という僅差でしたがやって良かったと思いました。
正直なところ負けたら失うものがたくさんあったし道場でいつも練習している仲間だからわざわざ試合する必要もないでしょうという気持ちがあったのも事実。
反面、同門シェアは試合する機会がなくなり貴重な経験をすることができないと思う自分がいました。
ワンマッチ決勝などでない限り決勝戦はお互いに勝ち抜かないと辿りつかない場所です。
練習で何度も肌を合わせていても練習と試合は別物です。
そして試合は練習の100倍の経験値を得られる。
今までに経験したことのない状況はお互い自分自身のためになると思っています。
ワクワクする自分もいたのも事実です。
結果的にはレフェリー判定というどっちに転んでもおかしくない、僕を知り尽くした中村くんと中村くんを知り尽くした僕の戦いで終わりました。
この特殊な条件下での試合は間違いなくふたりの経験値となったと思います。
そしてここが本当のスタートです。
同じ年齢である限りまた試合することもあるでしょう。
感動したという言葉をまわりから言われましたが僕も中村くんもここが終着駅ではありません。
僕はワールドマスター、中村くんはプロ修斗とお互いに目標もあります。
そのためにこれからもまたお互い切磋琢磨していかなきゃいけません。
泣くのは目標を達してからでいいと思います。
道場としても成長できた1日でした。
読んでくれてありがとうございます!