ピアノを始めた話【加筆修正版】
最近ピアノを始めた。
その経緯について少し話してみたい。
元々音楽が好きで、物心着いた頃にはすでにコンポの前に陣取り、歌詞カードを片手に歌っているような子どもだった。
そのまま順調に育ち、中学生の頃には「バンド組みたい!」と思い、ギターを買ったり詩を書いてみたりしていた。
まあ、ギターは買ったもののそんなに弾けるようにならず、バンドを組む機会にも恵まれなかったので、長い間聞く側だったのだけど。
それが今年に入って何かと”音楽を鳴らす”機会が回ってきている。
今年の頭には長年憧れていたドラムを教えてもらってほんの少し叩けるようになったし、6月にはDAWでの曲作りの基礎について教えてもらった。
ちなみにDAWは、パソコン上で曲が作れちゃうソフトのことね。
そして今月からピアノ。
私の人生に何が起きているのかは分からないけど、ずっとやりたかったことに着手し始めていることだけは事実だ。
なぜ今ピアノを始めたのかというと、
DAWを手打ちするのが面倒くさくなってきて、入力できるキーボードがあったらいいのになぁ
↓
どうせキーボード買うんだったら弾けた方が楽しくね?
と思ったから。
でね、そもそもDAWを始めたのは、楽器がなくても楽譜が読めなくても曲が作ってみたかったからだ。
私は楽譜が読めない。
ドは一応分かるので、すごーくゆっくりだったら解読できるけど、到底パッとは弾けない。
そんな素人でも、DAWの画面をポチポチしていれば音が鳴って、それを繰り返せばなんとなくでも曲が作れるのだ。いい時代だ。
で、なぜ曲を作りたいと思ったかと言うと、「私も舞台に立ちたい!」と思ったから。
DAWを始める数日前、私はライブに行った。
赴いたのは、日食なつこ未発表曲ツアー「エリア未来」。
音楽業界でも例を見ない「未発表曲しかやらない」という尖りに尖ったライブツアーだ。
もともと彼女のファンで、私はこの前代未聞のツアーをずっと楽しみにしていた。
そして迎えた当日、会場で心から楽しそうに演奏し歌うなつこさんを見た。
それを見て、私はなぜかとてつもなく悔しくなった。
以前からのファンだし、未発表曲はどれもすべてよかった、最高だった。
なのに、くやしかった。
「どうして私はそっちにいないんだろう?」
と痛烈に思った。
悔しくて痛くて、心がヒリヒリした。
いや音楽やってないからそっちにいないのよ、当然よ、ってすぐ分かったけど、舞台上であまりに自由で眩しく輝いて解き放たれているなつこさんの存在が、私の心を撃ち抜いて。
私も、そっちに行きたい、と思ってしまった。
思っちゃった。
思っちゃったんだよ。
プロになりたいわけじゃない。
今からそんなことできるとも思ってない。
彼らが長年積み上げてきた努力と才能の上に彼らが立っていることも重々承知しており、同じ土俵に立てると思える方がどうかしてる。
ただただあの時、私も魂レベルで何かを表現したいのだと気付かされて、それができていない、やってきていない自分の現実に対して悔しくて悔しくてどうしようもなくなってしまったのだった。
あのライブから2ヶ月以上経って、「魂レベルの自由」が私の肝なんだろうと考えている。
私は、なんのてらいもなく、心の底から楽しい、気持ちがいい、体が軽い!みたいな、そういう在り方でこの世に存在していたいんだろうな。
時系列ではないから少し分かりにくくなってしまったのでまとめると、私はひとつのライブがきっかけで曲を作りたいと願い、楽器も楽譜も分からないからとDAWを経由して、ピアノにたどり着いたというわけだ。
今はまだピアノを弾いているだけで楽しい。
ちなみに家にはピアノがないので、普段はスマホのピアノアプリを使い、時々個人練用のスタジオを借りて練習している。
長かった。
”音楽を鳴らす側”に至るまで長かった。
私の中でようやく始まった気がする。
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