【日記2024/12/26】漫画感想文

・1700時弱。

・手塚治虫回です。



・ブラックジャック 13

・第116話 イイネーー……

・第121話、ただただブラックジャックの有能さを描いただけの回なんだけど、非常に良い。気持ちが良いね。

 しっかり本質的に面白い。それも「刺さる人には刺さる」という良さではなくて、ちゃんと万人ウケするだろうなという面白さがある。

 手塚先生の漫画を読んでいると、相対的に現代の漫画がつまんなすぎて哀しい気持ちになってくるよ。

 私の好きな漫画、キャラクターのことを、物語を見せるための触媒として扱っている気がするんだよね(勿論例外も無限にある)。「このキャラ愛くるしいでしょ?」という圧がない。キャラの愛くるしさって、「キャラを愛くるしく描こう」と思って描くものではない気がする。

 漫画の入門について説いているサイトとか本を読んでいて「キャラクターは魅力的に描写しろ」みたいな教えがあると「クソくらえ~~キャラは触媒じゃ」と思う。

 人が人を愛するとき、無意識にリアルタイム性が意識されていると思う。スポーツの過去の試合を好んで見る人は稀だし、過去のAVを好んで見る人は稀だし、漫画だってそうなのかもしれない。


・ブラックジャック14

・ウオーン


・手塚治虫のマンガの描き方

 「省略」「誇張」「変形」、この三つは、幼児画の特徴で……落書きの特徴で……そして、マンガの、すべての要素なのだ!

 えらく低レベルな絵の描き方について説明しているな~と思ったら急に真理が出て来るんだもんな。

もし、なんにも欲がなく、望みも、心残りも、ウラミツラミももたない悟りきった坊さんのような人がマンガを描いたら、それは仏教の禅画みたいになってしまうだろう。

 なるほどなぁ~


どういうわけか、日本には、最近、動物マンガがきわめて少ない。

 ↑泣ける

 本当にそう。

 この本、最初から最後までおふざけのやり方を説明している。それは本当にそうだと思う。

 Kindle位置106ページ、「殴られる人の絵」だけで24パターンのデフォルメ表現を紹介していて、すごすぎる。

 具体的な作品名がたくさん出てきて助かる。

 手塚氏、やはり思考実験をたくさんしている。最近の漫画には思考実験が足りないと思う。

Q「マンガというものの本質を、ズバリひとことでいうと、なんでしょう」
A「風刺ですよ」


・鉄腕アトム

 鉄腕アトム、18巻あるみたいなんだけど、そのうち1-5巻と13巻目だけKindle unlimitedで読める。なんで13巻目?

 13巻目を読んでみたら、プルートウが生まれてから死ぬまでが描かれていた。うわ~~~。

 初期の鉄腕アトム、ページあたりの平均コマ数が11くらいだ。現代は5-7コマが最適と言われているが……

 やはりこれは絵柄の問題なのではないだろうかと思う。繊細な絵柄であれば5-7コマより多いとギュウギュウになってしまうのだろうけど、手塚先生くらい頭身が低くて、5W1Hを記号的に描く絵柄であれば、それくらい詰め込めるのか。

 13巻目になると、見せ場ではないページの平均コマ数は8くらいであった。

 試しに18巻目を購読したら、えらく見やすかった。3巻目ってえらく見づらかったので、見違えた。


・鉄腕アトム 別巻 2

 漫画、主人公がどんなに強くても、どうしても「苦戦する話」は描かないといけないのだけど、たまに主人公の強さを再確認できるような話が挟まると気持ちがいいよね。

アトム、力も精神も強すぎる

 さっきのブラックジャックの121話もそう。

 ハンターハンターは「強さの再確認」の描写が上手い印象がある。漫画は、常に苦戦してるシーンばかり見せられると窮屈だけど、かといって無双シーンばかり描いているとなろう系になる。柿ピーのように比率が重要なのかもしれない。


・漫画大学

 漫画で漫画の描き方を教えている。こういう、作品を以て作品の作り方を解説してる作品、フェチなの。ラップの作り方を教えるラップとか。

 というかほとんど読み物だ。

 手塚先生のそういう所が好きだ……


・おわり

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