【日記2022/2/21】欠けてる人間が描けてる
・1400字弱
・ある日のバースデープレゼントに友人がくれたもの一覧
・感謝……ッ!
・誕生日に「チキチキマシン猛レース コレクターズボックス」くれる友人、一生大切にした方がいいと思わん?
・最高かなり
・かなり最高
・おれは「チキチキマシン猛レース コレクターズボックス」を持っているという点において貴様らより優れているぞ。
・日本に「チキチキマシン猛レース コレクターズボックス」を持っている人間が何人いる? そういう意味ではおれは百万人に一人の存在かもしれないんだぞ
・パコと魔法の絵本
・コレをくれた友人は新品主義らしいのだけど、私が中古主義者だったので無理言って新品でなく中古の方を注文して貰ったのだ。
そしたらよ、そのDVD、擦り傷、ひっかき傷、指紋がいっぱいついたヤベーDVDだったのね。どう保存してたらこうなるんだ。
写真だとこの程度の傷に見えるけど肉眼で見たらもっとすごいよ。
でもね、不思議なことに全く問題なく再生できるんだわ。すごいねテクノロジーは。
っぱ中古よ。
~以下パコネタバレ感想~
・冒頭から既にコレよ。
・私は創作のことを「大ウソつき合戦」だと認識しているのだけど、そのモノサシで言うとパコは冒頭から120点だ。実写のはずなのに画面が全部フィクションすぎる。絵でも描くかのようなノリで小道具とか服装とかメイクを決めてるんだろうなと伝わってくる。
アニメって物を増やせば増やすほど、それを動かすコストが大きくなり、動かせなくなる。必然。しかし実写ならいくら雑然と小道具のバラまかれた部屋をグリグリ動かしても作画コストが増えたりしない……
・暗いスクショばっか貼るから陰鬱映画だと思われちゃうかもしれないけど、そうではなくて山と谷のある映画です
・鬱のシーンは雨の夜に、躁のシーンは晴れた昼に。この映画は暗喩の使い方が上手い。キャラの心情を言葉でなく映像で説明してくる。窓の光の角度を早回しにすることで「このキャラは日が傾くまで呆然としていましたよ」と説明したりする。
・主要人物が11人くらい出てくる。舞台が病院なので、登場人物の多くは入院患者だ。みんなそれぞれに欠けた部分のある人間で、欠けているがゆえに入院している。物語が進むごとに各キャラが描かれ、紡がれ、気づけば最後には綺麗な一枚絵ができている。群像……
・「群像劇 作り方」とかでググったらわかると思うんだけど、群像劇って作るのはめちゃめちゃ難易度が高いのよね。登場人物11人それぞれの立場に感情移入しながら脚本を書くためにはIQが1100必要なはずなんだけど、それをやってのけているのがパコ。
私は、キャラとして消費されるために生まれたペラペラのキャラでなく、ありありと質量を持って動いているキャラが好きだ。「このキャラにも過去や未来があって、この作品はそのキャラたちのとある時間を切り取っているだけなのだ……」と思わされる作品が好きだ。パコの登場人物は全部それ。
・本当に、感情と理性をどちらも並外れて持ち合わせている天才にしかこの作品は監督できないと思うのだが……
・私の好きな映画ランキングの2位に入る映画だ。
1位はカリオストロなんですけど。
・おわり