【日記2024/7/29】映画 感想

・2900字強。


・パイレーツオブカリビアンとかMARVEL作品とかは「独り言」が全くなかった記憶がある。「作者が視聴者にフィクション作品を見せているのですよ」という姿勢を極力隠し、「フィクション作品内で本当に起こっている映像をカメラが拾っているだけですよ」という姿勢でのセリフ回しだ。

いつかの日記より

・トイストーリーとかパイレーツオブカリビアンは一直線に過去→未来という時系列順に描いているのに過去の情報を後出しできるような工夫を入れているので、創作ってこういうことなんだよなと思いながら視聴するなどしていた。

いつかの日記より

 丁寧なお話であった……丁寧に、フィクションの臭いが消臭されている。ちゃんと市民とか海賊はあまり風呂に入っていないような肌だし、洗濯もしていないような服を着ているし、地位のある人ほど肌と服が綺麗なのも細かいね。二流三流の監督が作った映画だったら、海賊も綺麗な肌と服をしているかも。

 そして、日本語吹替はフィクション臭を強烈に放っていて台無しである。現実の人間は日常会話でそんなに声を作らないよ……現実の人間の日常会話は、もっと呟くように喋るよ。

 ジャック・スパロウ、フェチである……ただちょっと着衣水泳と剣術が人よりできるだけの人間が、嘘と行動力を以てカリブ海の世界を好きなように動かしている……しかもその嘘というのは、発言による嘘よりも、行動による嘘が多く、思わず膝を打つような大きな見せ場がいくつかある……

 説明的なセリフが少ない分、やや読解力を要する。こういう、なるべくして大人向けになっている作品は好きだな……

 「画面内で、注目して欲しいもの」はわかりやすく動かしてくれる。ロープに注目して欲しいならロープを揺らす(そして、ロープ以外のオブジェクトはあまり動かないようにする)。視聴者は、止まっているものよりも動いているものを積極的に目で追ってしまうという習性を利用しているのだと思う。名前がついているテクニックなのかもな。



 「海賊といえばコレ」を全てやってくれている。海賊をテーマに実写映画を撮るなら、こうなるだろうなという想像にあまりにも合致する。幽霊船、骸骨のクルー、未開の地、酒場の喧嘩、財宝、クラーケン、人魚伝説など……

 「最後の海賊」はまだ見てない。



・ウソダロ……パイレーツ・オブ・カリビアンってアトラクションの方が原作だったんだ……この前ディズニーで当該のアトラクションに乗った時、「映画ってこんな内容だったか……?」と思ったのだけど、そうなのか……



・カイジ2~人生奪回ゲーム~

 ここぞという場面で来るエレキギターのBGM、気持ちが良い。聞いてるだけで耳が火傷しそうだ。オッサンの演技力、高くて気持ちが良い。

 と思ったらこのオッサン、実写ボヤッキーであり、大空港2013の人か。私って滅多に役者の名前を覚えないけど、生瀬勝久さんだけは覚えておこう……



・ゴジラマイナスワン

・抽象的なネタバレがある

・うい! 待ってたで!

 54分あたりからのゴジラの大暴れ、気持ちいいぜ……圧倒的にスケールがデカい怪物が、子供のように暴れまわっており、その「どうにもできなさ」は地震や津波に近い。

 全編に渡ってCG大暴れシーンが多かったので、周回視聴しても美味しい。

 時代設定が1947年というのも残酷だ。戦後の復興中なので、多数の死者が出た直後だし、政治的理由で日本政府も米軍もアテにならず、民間の力だけでゴジラをどうにかしないといけない。しかもゴジラは再生能力があり、重巡洋艦の砲撃では倒せない。

 映画中盤、「え、このあと残りの尺全部使って日本滅亡すんの?」と思った。


 ゴジラを倒すための作戦、すげ~~~~~。これが科学的にありえるかどうかの議論もされている。

 初代ゴジラでのゴジラの倒し方(オキシジェンデストロイヤー)、なんじゃそりゃと思ったもんな。


 シンゴジはあくまで政府が主人公なので、登場人物の人生ドラマとか人間関係には全く触れていないのが魅力の一つだった。今回のゴジラは一人の主人公の人生ドラマにフォーカスしていたので、途中で「これは凡作かもな」と思ったのだけど、あのドラマチックなオチから逆算するとコレでよかった気がする。

 美しい話であった……


・鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

 そんなに流行って、そんなに考察するようなものか?

 オタクって本当に作品を記号的にしか見ていない気がする。



 実写カイジの1、2作目は原作をなぞっていて、現代日本が舞台だったのだけど、コレは完全にオリジナルストーリーであり、IFの現代日本が舞台だ。視聴後にネットでの評価を見て見たら、やっぱり荒れていた。

 ギャンブル描写は面白かったけど、いくつか引っかかる点はあり、星3くらい。

 

・パペット大騒査線

・視聴前に思ったのは、「実際、パペットと人間が共存していたら、絶対に差別が発生するよな。でもこれは映画だから、差別は描かないか」と思っていたけど、視聴してみるとほんのり差別の臭いがして、解像度高いやんと思った。

・ジーザスパペットクライスッ! ←なんだよその驚き方。

・激烈に記憶に残るとか、他人に勧めたくなるというものではなかったけど、ちゃんとFunnyで面白かった。起承転結のあるストーリーはあったけど、それはあくまでおまけであって、世界観のトンチキさがメインの見どころだ。



・仄暗い水の底から

・高い読解力を要する。

・不明なシチュエーションから入る作品全般嫌いや~! 頭使う割にそれが旨味にならないから嫌いや~

 よくお話作りの基本として「謎から入ると、読者の興味を引ける」というテクニックを聞くけど、それってその謎が興味深い場合にはそうなんだけど(小説「君のクイズ」はかなりそうだった)、5W1Hみたいな、それ自体に旨味がない基本的な情報をぼかされても全く興味を引かれないし、ストレスだけがある。

・普段からノンフィクションの怖い話をよく摂取しているので、開始19分の「水道水がマズい」という描写があったあたりでオチが読めてしまった。

・あとこれはホラーあるあるなのだけど、主人公が全然私の思った通りに動いてくれないから自己投影できないな。ホラー好きな人ってそれでもいいの?

・私って多動的で、全ての創作物に対して「情報密度を最大にして欲しい」と思っているから、ホラー向いてないかもしれない。ホラーは描写に重みをもたせるために、全ての発言とか全ての表情をネットリ描写するから、終始「はやくして~」と思ってしまう。

 以前、とある人が自主製作したホラー映画をネットで公開していたのだけど、それはテンポが良すぎてホラーRTAみたいになっていた。ネットでの反応は「これは風刺なのではないだろうか。ホラー映画というのは間の使い方によって怖く見せているだけなのであって、要点だけ抜き出してみればこの程度の怖さなのだと、この作者は言いたかったのではないだろうか」という考察がされていた。でもそれは単に作者が退屈が嫌いな性格で、「もっと間を詰めて情報密度を増やせる」と考えた結果そうなってしまっただけなのだろう、と個人的には思っている。


・おわり

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