僕が考える「値上げ」のやり方~2024年は世の中のルールが変わる1年
2023年は、withコロナ・アフターコロナと呼ばれる時代の最後の1年でした。
世の中全体が、コロナ中に失った売上を補填するために構造を変えるとか、エネルギーコスト高騰に対応するとか、どちらかというとネガティブな外部環境の変化に対応していました。
昭和・平成・令和などの元号レベルで考えると、平成時代のITの発展・人口減少・温暖化などの社会変化や課題に、日本全体で正面から向き合ってこなかったツケを一気に精算していたように思います。
政治・金融・経済も、これまではツケの精算とリカバリー施策が多かったのですが、これからはルールが大きく変わっていく予感がします。
本日のnoteでは、そうした状況の中で僕が考える2024年のお風呂・サウナ店舗のビジネスのあり方を整理してみました。
やるべきことはシンプル。
付加価値向上と値上げ。
こんにちは!全国で日帰り温泉「おふろcafé」を展開しているONDOグループの宮本です。
最近は、既存店舗の運営に加え、三重県いなべ市にまもなく誕生する「おふろcaféあげき温泉」のオープン準備のため、日夜奔走しています。
さて「これからルールが変わっていく」1年だと予想される2024 年は、インフレする世の中に食らいつき、スピードを上げて進化していく必要性を強く感じています。
やるべきことをシンプルにいうと「付加価値向上と値上げ」です。
ただし、「インフレだから」「他の店も値上げしてるから」とフワッとなんとなく全体的に値上げをするのは危険です。
「予算帯」を考える
値上げをするときに必ず抑えてほしいのが「予算帯」の考え方です。
例えば飲食業界の場合。
インフレが起き、値上げが相次いでもお客様の
【1,000円】【3,000円】【5,000円】【10,000円】
という予算帯は変わりません。
ここで元々1,000円の予算帯の店が値上げして2,000円にするのは、実は誰も喜ばない値上げになります。
もし値上げをしたいのであれば、リブランディングをして3,000円の予算帯まで一気に上げるべきです。もしくは、人員を減らしたり、グレードを下げて、1,000円で高回転を維持するかです。
温浴施設の場合の予算帯は
・500円〜700円:入浴
・2,000円〜3,000円:サウナ
がベースになります。
どの範囲の値上げなら許されるか?を注意して考える
インフレと言っても、収入が上がらなければガソリン代や食費など日常的な生活費への出費がかさむため、余暇サービスへの出費は絞られるのが当たり前です。
とはいえ、「身近で安いレジャー」のはずの温浴施設は、インフレ局面だと本来は支持率が上がるはずです。
ここはしっかりと予算帯と価格戦略を考えていかないと、小さなミスが大きな失敗に繋がってしまうこともあります。
現状では、インフレで物価が上昇し、最低賃金も上がっているものの、社会保険料も上がっているため、手取り賃金はあまり上がらない構造になっており、実質的にはスタグフレーションに近い状態です。
このような状況ですので
・顧客にとっての付加価値は何で
・どの範囲の値上げなら許されるか
をこれまで以上に綿密に考えて実行することが重要になってきています。
非常に不安定な中で、ビジネスを開拓できる、地頭思考が問われていますね。
「付加価値向上&値上げ」と「従業員価値の向上」を両立する
地方創生の専門家である木下斉さんが、「顧客価値を創造していくと同時に、従業員価値を考えることが大切」という話をnoteでされていました。
高付加価値の商品やサービスを提供するためには、それができるだけの優秀な人材を採用する必要があります。
それ以前に、人が採用できなければお店のオープンすらできないというのも、決して大げさな話ではなくなってきました。
そのように考えると、特にローカルにおいては「従業員価値」という視点を併せ持って価値創造していくことが今後ますます重要になりそうです。
「付加価値向上と値上げ」と「従業員価値」の両立のために僕が考えているキーワードを最後に紹介します。
・客層付加
・健康寿命
・福利厚生
・ペット
・インバウンド
・複業
・温暖化
・農業
・一棟貸し
皆さんもぜひ色々な視点から考えてみてください。