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会議で、10万円とか50万円の相談ばかりで悲しくなった話。お金は使って、転んで、学ぶもの。
最近、社内のメンバーのMTGに出ていて「みんなお金を使うトレーニングが不足しているんじゃないのかな?」と感じたので、今回は意識的にお金を使うことの大切さについて書いてみたいと思います。
きっかけは、営業会議で年商数億円規模のお店のメンバーが、10万円とか50万円とかの規模の相談ばかりしていこたこと。
「あぁ、意思決定にプレッシャーがかからない範囲でしかお金を使おうとしないんだな」
と少し悲しくなりました。
損を恐れていたら、何もできない
1月からNISAのルーがが変わりました。皆さん、新NISAやっていますか?
「損をしたくないから金融商品を買うのは怖い」という人も多いですが、インフレ状態のこれからは「日本円を持ち続けると、損する可能性が高い」ので、むしろ金融商品を買っておいた方が良い、という意見が増えていくでしょう。
とはいえ、株を買ったことがない人が最初に買うのは勇気がいります。そこで多くの人が「何を買ったらいいですか?」と有識者に質問します。
その気持ちも分かりますが、経験者からのアドバイスはすべからく、「損を恐れてたら何もできないから、何でもいいからとにかく買ってみなさい」です。
これは、株などの金融商品に限らず、仕事でも生活でも、やってみないと分からないし、経験しないと何も身につかないことばかりです。
子どものころにたくさん転んだからこそ、痛いしケガをすることを学び、できるだけ転ばないような動き方を身につけていくわけですし、スポーツでも仕事でも失敗経験をして学んで成長します。
お金の使い方は、転びながら学ぶ
お金の使い方もそれと同じで、何度も失敗したり損をしたりしながら学んでいくことです。これは、個人レベルでも、店舗や会社でも同じです。
大きく使ってみて「うまくいく」こともあれば「うまくいかない」こともある。だから反省するし、PDCAを回して「次こそはうまく使おう」と考えて、成長するわけです。
逆に言えば、損をしない、失敗しないような立ち居振る舞いをしていたら、いつまで経ってもお金の使い方を覚えないばかりか、長期的に見て大損をしてしまう可能性だってあるのです。
なんで今回こんな話をしているかというと、自社の営業会議の議論の中で「損をしないようなお金の使い方をしよう」という考えの空気を感じたからです。
・絶対に効果の分かる販促しかしたくない
・誰からも怒られなさそうな金額しか使わない
・「失敗しても仕方ない」と納得できる金額しか提案しない
これは、最初の株の話でいうと「絶対儲かる株しか買いたくない」と言ってるのと同じなんです。
そんなものはありません。
個人レベルで「絶対儲かる株なんてない」と言われれば分かる人も、会社のお金を預かる立場になると「絶対効果がでるものを…」という発想になってしまうこともあります。
決める責任を持つリーダーは、プレッシャーを感じるのは当たり前。だからこそ日々勉強をして、考える時間をつくらないといけないんです。
50万円を失ったところで、失敗したことにすらならない
正直、営業会議で10万円とか50万円とかの相談をしているのを見ると、悲しくなります。
温泉道場は今は年商20億の規模にまで成長しました。若いリーダーの育成に力を入れているので、20代からお金を使う権限もしっかり与えられています。
そんな環境で、50万円って……。たとえ全額本当に何の意味もなく失ったとしても、失敗したことにすら入りません。
店舗にもよりますが、年商2億円規模の店だと、
・1Q(四半期)のイベントや販促費で300万円ぐらい使ってみる
・プチリニューアルで500万〜1,000万円ぐらい使ってみる
もちろん、金額が増えれば、失敗した時の打撃も大きいです。しかし、それぐらいやってはじめて、プレッシャーを感じながら、失敗する責任を感じながら、成長できるのだと僕は思います。
自分で決めてもプレッシャーを感じづらい50万円規模に抑えるか、専門家にお願いするような1,000万円以上の工事発注か。そのどちらかばかりを選んでいると、お金を使うスキルは身につきません。
ところが、実際の現場の会議ではその2つのどちらかしか聞かない気がします。
自分の意思決定で、プレッシャーを感じながら300万円使う。
もしそれで大きく失敗したら、めちゃくちゃヘコむと思います。
でも、だからこそ二度と失敗しないように、がむしゃらに勉強します。こういう経験を何回も繰り返して、打率を少しずつ上げて、試合に勝てるようになっていくんです。
お金を使うトレーニングをしないのに、「業績を上げたい」「予算を達成したい」と言うのは、練習してないのに試合に勝ちたいと言っているのと同じです。
予算達成のためには、トレーニングあるのみです。意識してお金を使いましょう!
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1986年生まれ、和歌山県出身。27才の時に地域活性を目指して株式会社温泉道場入社。支配人を2年間経験したあと、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などを経て、HR部門に注力。2019年より、ONDOグループ1人目の社長として、三重県の株式会社旅する温泉道場の社長を兼任している。
Twitter:https://twitter.com/masakimiy
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