「そうそう、これこれ!」と刺さるものをつくるには自分の目で見て、耳で聴きき、肌で感じる体験を増やす以外に道はない
こんにちは!
全国で日帰り温泉事業を手がける「ONDOグループ」の宮本まさきです!
新しい商品やサービスをつくるとき、きっとどんな業種でも重視されるのが【ユーザー目線】というやつです。
しかしこのユーザーから見て「そうそう!!」「これこれ!!」と思われるようなものをつくるのは口で言うほど簡単ではありません。
今日は、ONDOグループで新店舗を開発するときにどのようなことを考えているかを少しご紹介したいと思います。
「あの店のこんな感じ」事例を引っ張ってくる
ONDOグループ(温泉道場)が手掛ける「おふろcafé」は全国に9店舗ありますが、実は店舗ごとにコンセプトは違っています。また、おふろcafé以外にも、僕たちは全国で様々な温浴施設のリニューアルに関わっており、たくさんの店舗開発に携わってきました。
新店舗のリニューアル開発をしていく中で、案が詰まってきてそろそろオペレーションを意識しながら細かいところを考えていこうという段階では、
「あの店のこんな感じ」
という事例をひっぱりながら話をすすめることになります。
例えば、さいたま市にある「おふろcafé utatane」ではリゾート系ホテルにある”オールインクルーシブ”を意識しました。
「そうそう!!これこれ!!」に見事に刺さったオールインクルーシブ
「オールインクルーシブ」とは、ホテルの料金に滞在中の食事やドリンク、プールやリラクゼーションなどの施設利用、またアクティビティなどの料金が全て含まれている料金体系のことをいいます。
ある日僕が宿泊したホテルでの利用シーンはこんな感じでした。
・チェックイン後にロビーで生ビール、お茶菓子、アイス、お茶・コーヒーなどをいただきながら過ごす
・レストランで、目の前でカットしてくれるローストビーフとロメインレタスのシーザーサラダを、ワインで楽しむ
・ディナー後は、アルコール片手に館内の暖炉前でライブを楽しむ
・翌朝、露天風呂の近くで朝ヨガをしスッキリ
・モーニング食べた後に、コーヒー片手にハンモックで揺れる
これが「全てフリーで使える」ので、1日中リラックスしてリゾート感覚で楽しめます。
実際にオールインクルーシブのホテルに宿泊してみて、これはユーザーの「そうそう、これこれ」に見事に刺さっているなと感じました。
旅行のときに
・夕食の時間が決まっているので、そこ目掛けて行動しないといけないず、事前の行程管理が難しい。
・かといって早めに着いて「やることがない時間」を過ごすのは嫌だ。
みたいなことを感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
僕もその一人です。大体、旅館やホテルの中を散策するか、畳の部屋でゴロンと寝転がって過ごすか、風呂に行くか…ぐらいしかすることがない時間ができてしまうんですよね。子どもの頃は、あの時間がすごく退屈で嫌でした。
翌朝の行動でもそうです。一般的なホテルの有料アクティビティは、チェックイン時に予約することが多いのですが、明日の朝の予定が決められてしまうのは嫌だという気持ちもあるんですよね。
旅行では極力だらしなく過ごしたいタイプなので、「ヨガやってみたいけど、明日の朝の気分次第だしな…」なんて、億劫になってしまいます。
オールインクルーシブであれば、そうした面倒くささもありません。
余談ですがこのときのホテルでは、ヨガ講師の人が実はフロントにいたぽっちゃり体型の男性だったのもポイント高かったです。
「僕でもできることしかしないので、みなさんリラックスして参加してください」と声をかけてくれて、みんな笑いながらやってました。
このホテルは、こういう「そうそう、これこれ」って感じることが多くあって、ユーザーに刺さっているなと感心しました。
自分の目で見聞き、体験する数を増やす
さて、こうした体験をできる「新感覚のおふろやさん」としてつくったのが、「おふろcafé utatane」です。
暖炉、フリーコーヒー、ハンモック、ライブ、ワークショップ、泥パックなど、無料のアイテムが何も考えずに自由に使えて、のんびり過ごせる場所で、「そうそう、これこれ」をたくさん感じてもらえるように意識しました。
「そうそう、これこれ」に刺さるものを考えるためには
①理論とマーケティングを極める
②感情や実体験を掘り下げる
③リサーチに行きまくる
という方法があります。
成功した人の「こうやって思いついた」という体験談は色々とあるのですが、「めちゃくちゃ考えるのが大事」という人もいれば「ひらめきが大事」という人もいて、確かな成功パターンというのはない気がします。
成功事例の共通点があるとすれば、
自分の目で見て、耳で聴き、肌で感じる。つまり体験する数を増やすということだと思います。
ユーザーの「そうそう、これこれ」を見つけるためにも、どんどんリアルな体験を積み重ねていってください。