あなたにハッピーバースデー
コランダ地方交流。ファタさんのお誕生日を祝う短い話。ファタさんお誕生日おめでとうございます🎂🎁🎉
ウィグリドタウンのとある家の前に、ハートは立っていた。チャイムを鳴らすと、中から笑顔を浮かべた大きな男が顔を出す。
「ファタさん、お誕生日おめでとう~!」
「ハートちゃん、ありがとう」
ファタと呼ばれたその男は、頬を掻きながら礼を述べた。
「今日は、ファタさんへのプレゼントを持ってきたの!」
「えっ、ありがとう!何だろう?」
「持ってきて~!」
ハートが叫ぶと、ドキドキストアの男達が大きな箱を運んできた。
「ファタくん、お誕生日おめでとう。プレゼント、喜んでもらえると良いんだけど」
「あっ、ポーチ。それ鳴らしちゃダメダメ」
クラヴがファタに祝いの言葉を伝えている間に、ピチューのポーチは玄関に置いてある銅鑼を鳴らそうとしていた。
「いいよいいよ、減るものじゃないし」
ファタの言葉に反応した彼の手持ちのアシレーヌが、ポーチを持ち上げる。銅鑼を鳴らす手伝いをしてくれるようだ。
ジャーン!!!!!!!!
大きな音が部屋中に響いた。ハートはファタの家にいる居候の人や近所の人のことが心配になったが、ファタはニコニコ笑っていた。
「さぁ、開けて開けて!」
「それじゃあ……」
ファタがリボンをほどいて箱を開くと、中からプレゼントが出てくる。
桃色の体が愛らしいポケモン、ピクシーがモチーフになっているビーズソファだ。
「このソファ見た時、ファタさんが浮かんだの。ファタさん、ピクシーが手持ちにいるじゃない?エナジードリンク一年分だと、お医者さんに怒られるかもしれないし……」
ハートはそう言って、少し苦笑する。
論文を書いたり、四天王の仕事があったり、ファタはとにかく忙しい。そんな彼が、家でゆっくり休めるようにと選んだソファ。
「ファタさん、改めておめでとう!」
忙しくてあんまり会えなくても、ファタさんのこと大切に思ってるよ。
彼が幸せに過ごせるように願いながら、ハートは穏やかに笑った。