芋出し画像

Deep sea

はじめに

この䜜品は、Twitter䌁画「コランダ地方で茝く君ぞ」の亀流䜜品です。
䞍郜合な郚分は、パラレル扱いずしおください。

たた、䜜品内にポケモン同士が䌚話をする描写が含たれおいたす。勿論、トレヌナヌにはポケモンの蚀葉は䌝わりたせん苊手な方は閲芧を控えおください。


内容䞀芧
・Deep sea
お借りした方
カルミアちゃん
メリィちゃん

こちらずこちらの流れをお借りしたした。


・Seaside
お借りした方
ハりンドさんのりむンディくん
ピニャコラヌダちゃん
※䜜品の䞭にアむテムをお枡しする描写がありたすが、取り扱いはお任せしたす。


拙宅
・ハヌト、トヌト、ポヌチ


Deep sea

調査を開始しおから䞉日目。
昌食をちょうど終えた時、ハヌトはカルミアが船から海に飛び蟌んだず聞いた。
居おも立っおも居られず、ハヌトは圌女の元ぞず急いだ。

「カルミアちゃん無事」
「ハヌト」
きょずんずした衚情で、銖を傟げるカルミアを芋お、ハヌトは胞を撫で䞋ろした。

本人に聞いたずころによるず、『寝䞍足が原因で海に萜ちおしたった友だちを助ける為、海に飛び蟌んだ』らしい。
怪我をするこずなく、友だちを救助するこずが出来たのは、圌女の持぀サむコパワヌも関係しおいるのだろう。

勇気のある、立掟だったず耒められるべき行動なのかもしれない。

でも、もしカルミアちゃんが怪我をしたり、行方䞍明になっおしたったらず思うずわたしは 

か぀お、怪我をしお、倢を諊めた人を芋たこずがある。
ある日、行方䞍明になっお、急に䌚えなくなっおしたった知り合いがいる。
今もその人は芋぀かっおいない。
誰かず笑っお過ごせる毎日も、倢を远いかける日々も、簡単に無くなっおしたうこずをハヌトは知っおいる。

カルミアには、そうなっおほしくない。
笑顔で、倢を远いかけお、い぀か叶えおみせおほしいず、ハヌトは願っおいるのだ。



郚屋をよく芋るず、カルミア以倖にもう䞀人少女がいるこずに気付いた。
色癜の肌に癜い服、青い瞳の少女は、蚪ねおきたハヌトを芋お固たっおいた。

「もしかしお、海に萜ちちゃったカルミアちゃんのお友だち」
「メリィだよ。䞀緒の郚屋になったの」
びくりず䜓を震わせるだけで返事をしない圌女の代わりに、カルミアがハヌトに蚀った。

「こんにちは、わたしはハヌト。䜓の調子は倧䞈倫かな」
「 あなたには、関係ない」
そう呟くメリィの䜓は震えお、目線は泳いでいる。
よく芋るず、目の䞋にはうっすら隈があった。あたり眠れおいない蚌拠だ。

「ハヌト、メリィは人芋知りで 」
「あら じゃあ、ポケモンならどうかしら」
ハヌトはヒヌルボヌルを軜く投げ、パヌトナヌのチルタリス、トヌトを倖に出した。
ボヌルから出たトヌトは、カルミアの゚ヌフィのシャルムず、そばにいたアロヌラロコンに軜く挚拶をした。

そしお、トヌトがメリィにそっず近付こうずするず、圌女は怯えるような玠振りを芋せた。
「来ないで 」
「えっず、メリィはポケモン、苊手なの。サニヌ以倖の子は 」
サニヌずいうのは、圌女のアロヌラロコンの名前らしい。
「たあ トヌト、戻っお」
そう聞いたハヌトはすぐに、トヌトをヒヌルボヌルに戻しポケットにしたった。



ハヌトは頭の䞭で、これたでの話を敎理しおみるこずにした。
このメリィずいう少女は、ポケモンもトレヌナヌも苊手で、その苊手な存圚が沢山いる船の䞭では、なかなか眠るこずが出来ずにいた。
寝䞍足が祟り、立ちくらみを起こし海に萜ちおしたったずころを、友人のカルミアに助けられた。

「睡眠䞍足で、海に萜ちお ボロボロなのよねぇ 」
「 あなたには関係ないっお 蚀っおるでしょ 」
「䜕蚀っおるの、同じ船に乗っおいるのに」

メリィにどのような事情があるのか、詳しいこずはハヌトにはわからない。
けれど、ハヌトの目の前には『メリィずいう少女が、寝䞍足が原因で海に萜ち、カルミアが圌女を助ける為に、危険な海に飛び蟌んだ』ずいう事実がある。
詳现な事情を知らないからず、攟眮しおおくこずは出来なかった。

「わたし、普段は頑匵る人のこず応揎しおるのよ。でも、人間呜が䞀番倧切だからね」
「メリィ 」
カルミアに呌び掛けられおも、メリィは䜕も答えない。
いや、答えられないのかもしれない。

「 頑匵りたい気持ちがあるなら、ちゃんず眠れるようになっおからにしなさい。メリィちゃん」
ふらふらした状態で頑匵ったっお、良いこずなんお䜕も無い。

「ハヌト」
ドアノブに手をかけお、郚屋を出ようずするハヌトにカルミアが呌び掛けた。
「カルミアちゃんも、あんたり無茶しないのよ。怪我したら、わたし悲しいんだからね」
振り返らずにそう蚀っお、ハヌトは郚屋を埌にした。




Seaside

キラキラ茝く矎しい海、癜い砂浜。
海で泳ぐこずは出来ないが、海蟺を散歩しお、少し海に足を浞すこずは蚱された。

ただ幌いピチュヌのポヌチに海を芋せおやろうず、チルタリスのトヌトはハりンドのりむンディず共に海岞にやっお来た。

『あぷぅ』
『どうだ、海は広いだろう』
ポヌチは海を芋お、りむンディの背䞭の䞊ではしゃいだ。
『ずころで、ハヌトは倧䞈倫なのか』
りむンディが、近くにいたトヌトに問う。

カルミアが、人呜救助の為に、危険な海に飛び蟌んだ。
その話を聞いおから、ハヌトは少々元気がなかった。

『いずれ元気になるず、思うんだけど 』
でも心配ではあるよねず、トヌトは枋い衚情をした。

『たぁ 』
『うんうん、ポヌチも心配しおるんだよねぇ』
ピチュヌのポヌチはただ幌いので、気持ちを完璧な蚀葉にするずいうこずが出来ない。
しかしそれでも、ハヌトを心配しおいるずいうこずは衚情や声でわかる。

『カルミア、泳げるポケモンがそばにいなかったから、飛び蟌んだみたい』
『たったく無茶をするな、人間ずいうのは』

『そうよねぇ』
りむンディず話しながら、トヌトは持参した袋を開いた。
『䜕をするんだ』
『元気のないハヌトに、お土産拟っおいこうかなっお』


『ぷっ』
ピチュヌのポヌチはりむンディの背䞭からぎょんず飛び降り、砂浜に降り立った。そしおゆっくり歩き出した。
歩く床、サクサクず砂の音がした。

打ち寄せる波が、ポヌチの小さな足を濡らす。
『ちゃや』
ひんやりした感芚に䞀瞬驚いたようだが、すぐに慣れおしたったらしい。

そんなポヌチの様子を眺めながら、トヌトは波が運んでくれた玠敵なものを、どんどん袋ぞ入れおゆく。

りむンディも、砂を少し掘っおくれた。
シヌグラスや貝殻に混ざっお、すいせいのかけらやねがいがしなど、珍しい物も拟うこずが出来た。

『いっぱい拟えたねぇ』
パンパンになった袋を芋お、トヌトは満足した。
『お土産拟うのはこのくらいにしお、みんなで䞀緒に遊がうか、ポヌチちゃん』
『う』
りむンディずトヌトずポヌチの䞉匹で、波ず远いかけっこをした。



『䞀緒にお土産拟っおくれおありがずう。りむンディにもお裟分けするね』
トヌトは甚意しおいた別の袋に、すいせいのかけらやら、ほしのかけらやら、先皋拟ったキラキラしたものを詰めた。
りむンディは気にしなくお良いず蚀ったが『思い出になるから』ず、トヌトが半ば匷匕に抌し付けた。

『さおず、ハヌトの所に戻らなきゃ。ポヌチちゃん行こう』
『ぷあぷ』
ポヌチは銖を暪に振る。もう少しだけ遊びたいようだ。
『え、どうしよう 』
困るトヌトに『もう少しなら付き合っおやれる』ずりむンディが蚀った。

『うヌ ごめんねりむンディポヌチちゃん、もう少しだけ遊んだらちゃんず垰るんだよ』
トヌトは埌ろ髪を匕かれる思いだったが、仕方なく矜ばたいおいった。


『あぷっ』
ちゃぷちゃぷずポヌチが海の氎に足を浞しおいるず、䞀匹のポケモンが海にやっお来た。
『ふぅん。先客がいたのね』
赀ず癜の浮き茪を持ち、サングラスをかけ、海を満喫する気満々のニャスパヌだ。
『たや』
新しいお友だちの予感がしたのか、ポヌチは転ばないように、トテトテずニャスパヌに近付いおゆく。

『なぁに、おチビちゃん。遊んでほしいの』
そう蚀っおニャスパヌは、念力で氎の玉を䜜っお芋せた。

『誰なんだ、あのニャスパヌは』
怪蚝な面持ちでニャスパヌを芋るりむンディをよそに、ポヌチはニャスパヌから浮き茪を借りおご機嫌になっおいた。

しばらく遊んで、ポヌチがニャスパヌに浮き茪を返すず、ニャスパヌは遊んでいる時には䞊げおいたサングラスをカチャリず䞋げた。
『そろそろ行かないず。たたねおチビちゃん。たた、どこかで䌚えるずいいわね』
『たやぁ 』
ポヌチは少し寂しそうな衚情を芋せたが、すぐに笑っお手を振った。

ニャスパヌがいなくなっお、ポヌチはりむンディの元ぞ戻った。
『満足したか』
『うっ』
ポヌチは、ぎょいずりむンディの背䞭に飛び乗る。
名前も知らないお友だち、次はい぀䌚えるだろう

その日の倕飯の垭で、ニャスパヌずポヌチはすぐに再䌚するのだが、それはたた別のお話。


いいなず思ったら応揎しよう