強くなりたい人

コランダ地方ハロウィン交流
お借りした方
・クゥラさん
・アルスくん
・ファタさん

※お相手様の行動を制限するものではありません。不都合があればパラレル扱いでお願いします。
また、ポケモン同士が会話をしている描写があります。


クゥラが森を進む度に、サクサク落ち葉が軽やかな音を立てる。
「クゥラさん、寒くない?」
「メテオ殿のおかげで寒くありませんよ」
クゥラはメテオを抱えて、森を歩いていた。湯たんぽの代わりになって、良い感じらしい。
『メテオを抱えながら移動とか、疲れるんじゃないか?』
プリンのコメットは少し心配そうに、その様子を見ていたが、いつまで経ってもクゥラは余裕の表情だ。
『体力お化けか?』
『クゥちゃん元々お医者さんだけど軍人さんだったからタフなんだよ』
クゥラの手持ちの、ローなすがたのストリンダーのチェレステが、コメットにそう言った。
『ふーん、強いんだ』
まだまだ元気そうなクゥラの後ろを、コメットはぽてぽてついて歩く。
「疲れていませんか?」
コメットの方を見ながら、クゥラが微笑んだ。コメットはそこまで疲れていなかったが、ぴょいとクゥラの頭に飛び乗った。
『景色がいいな』
コメットはクゥラの頭の上で上機嫌になった。

「さっきの、クゥラさんとリピスのバトルは素敵だったね」
メテオは一瞬にこりと笑って、その後、調査団に参加したあの夏を思い出した。
謎のポケモンにキャンプが襲われても、バリケードを作ることくらいしか出来ない自分を無力に思った。

「リピス殿とのバトルは、とても楽しかったです」
「……ボクさ、前まで、バトルは楽しいのが一番だって思っていたんだ」
良い笑顔を見せるクゥラに、メテオはぽつりと呟いた。

「メテオ殿?」
「でも、あの夏わかったんだ。ボクみたいに弱いトレーナーは、楽しいバトルばかりしていたら、いつか来るどうしても勝たなきゃいけない時に備えることが出来ないって」
クゥラさんは、もう強い人。十分、力がある。でも、ボクは違う。
力をつけるまで、バトルを楽しむことはやめなきゃって思うんだ。

そばにいたメテオのポケモンたちは、彼の言葉を聞いて少し寂しそうな顔をしたが、彼はそれに気付かなかった。

その時、衝撃音が聞こえた。誰かがバトルをしているようだった。
「ペアを組んで戦っているの?」
「タッグバトルというものですね」
タッグバトル。聞いたことはあった。見たことも、テレビでなら。
一緒に力を合わせて、楽しそうだ。あの人たちも、多分強い人たちなんだろう。バトルを楽しむ余裕のある。

「わぁ……」
「メテオ殿。もし、タッグバトルに興味があるなら、小官とタッグを組んでみますか?」
「えっ?でも、きっとクゥラさんに迷惑をかけてしまうから……」
クゥラは自信なさげな表情のメテオに「大丈夫ですよ」と笑いかけた。

そんなクゥラに、メテオは「……うん」と小さく頷いた。
その時、腕につけているリングが震えた。敵チームが近くにいるらしい。

「あ、アルスお兄さんだ。こんにちは」
「アルス殿も参加していたのですね」
「メテオくん!クゥラさんも!」

アルスとメテオは、以前森の調査の時に知り合った。メテオが作ったピザを食べて「美味しい」と言ってくれた。まさかこんな所で会うと思っていなかったメテオは、予想外の再会に喜んだ。

「アルスお兄さん、レッドチームなんだね」
「あと一人、レッドチームの方がいれば……」
「え、何ですか?」
話が読めないという表情のアルスに、クゥラが説明をした。

「……そういうわけで、メテオ殿にタッグバトルの練習をさせてあげたいのです」
「なるほど……あと一人レッドチームの人……探せばいると思うんですが」
その時、カサカサと茂みが動いた。

「やぁ」
コランダ地方の四天王、ファタが顔を出した。メテオは彼とも知り合いだ。

「ファタさん?あっ、レッド……」
「えっ?」
首を傾げるファタ。クゥラは先程アルスにしたのと同じように、ファタに説明をする。
「ファタさん、アルスお兄さん。ボクとクゥラさんと、バトルオアトリート……してくれる?」

『わあっ!タッグなんて面白そう!やりたい~!』
『あっ!オレもやりたいのに!』
ガラルポニータのビエラが、コメットと揉めている。どちらもバトルに出たいらしい。
「ハレー、お願い出来る?」
メテオは、メテノのハレーに頼むことにしたようだ。ビエラとコメットはショックを受けながらも、ハレーに『頑張れ』と声をかけた。

『あのあの、でも、アルスさん大丈夫でしょうか……』
ハレーが遠慮がちに、ビエラとコメットに聞いた。
『大丈夫って、何が?』
『あそこで倒れてらっしゃるので……』
よく見ると、確かにアルスが地面に埋まるように倒れている。

「アルスお兄さん、大丈夫?お腹痛いの?」
「ファタさんと一緒にタッグ……?恐れ多すぎて……無理……」
アルスはファタの限界オタクだった。

『バトル、出来るのか?』
『さあ……』
コメットとビエラは、先程まで揉めていたことをすっかり忘れてしまった。


⚠️アルスくんとファタさんにバトルを仕掛け、クゥラさんにタッグをお願いしました。

賭けチップ枚数:5枚
使用ポケモン:ハレー(メテノ)

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