森のおはなし
はじめに
この作品は、Twitter企画「コランダ地方で輝く君へ」の交流作品です。
この作品での描写は、お相手様の行動を制限するものではありません。
不都合な部分は、パラレル扱いとしてください。
また、この作品にはポケモンが語り手となる描写、ポケモン同士が会話をする描写が含まれています。(勿論、トレーナーにはポケモンの言葉は伝わりません)苦手な方は閲覧を控えてください。
今回の語り手:メテオ、コメット
内容一覧
・名前を呼んで
お借りした方:コムギさん
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・また会ったね
お借りした方:ルーミィさん
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・よろしくの話
お借りした方:ガラドさん
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・今夜の星空
お借りした方:テンさん
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・幸せな時間
お借りした方:アルスさん
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※お見かけしただけなので、厳密には交流ではありません。
名前を呼んで
手触りの良いピザ生地の上に、甘いチョコレートソースを塗ってマシュマロを並べる。
ベリーを乗せて、窯の中へ。
「食べる人が幸せな気持ちになればいいな」と思いながら、ピザを作っていく。
ピザ生地は、パン屋さんのコムギお姉さんが作ったもの。
美味しいのは、約束されてるようなものだ。
そばではプリンのコメットが、マシュマロをつまみ食いしている。
「コメット、あまりマシュマロ食べ過ぎるとピザ食べられないよ?」
「ぷり…」
ボクの言葉を聞いて、持っていたマシュマロをじっと見つめた後、コメットはぱくりとマシュマロを食べた。
「そろそろ昼休みだな少年。もう少ししたら、私たちも休憩にしよう」
「はぁい。…ねぇ、コムギお姉さん。ボクのことは、良ければメテオって呼んでほしいなぁ」
一緒にお料理をして、仲良くなれたんだもの。
お名前で呼んでもらえたら、もっと仲良しになれると思うんだ。
***
また会ったね
小さなポシェットをかけ、森に入ってねがいのかたまりや木の実を集める。
オレはプリンのコメット、相棒のメテオがピザを作ってる間にちょっと一仕事だ。
実はさ、さっきマシュマロ食べ過ぎて。満腹なんだよな。
だから運動して、ちょっとお腹をすかせようと思って。
「だからマシュマロ、食べ過ぎなんだってば」なんて、メテオに言われたくないから!
昼休憩まであともう少し、美味しくピザ食べるぞ。
あ、ねがいのかたまり。
これをラグナログが何に使うかなんて知らないけど、まぁ集めてやる。
少し腹がすいた頃、誰かの悲鳴が聞こえてきた。
「きゃーー!?」
なんだなんだ、事件か!?
声の方へ走って行ってみると、さっき出会ったルーミィってトレーナーがずっこけてた。
***
よろしくの話
「ぷりぃ?」
「あっ…もしかして、コメットくん?えへへ、恥ずかしいところを見られちゃった」
少し照れたように笑うルーミィと、慣れた様子でルーミィの荷物を拾い集める、ガラルニャースのミィミ。
「大丈夫かぁ、ルーミィ!?」
そして突然の、見知らぬ男。
さっきはいなかったよな、この男。
『ミィミ、だぁれこの男』
『ガラドだよ~!』
名前以外の情報を得られなかったけど、多分ルーミィの友だちか何かだろうな。
ミィミの様子からして、良いやつなんだろうな。類は友を呼ぶから、ルーミィと同じような、良いやつなんだ、きっと。
「ミィミの友だちなん?俺はガラドや。よろしくな」
「ぷぷぷぷ、ぷりん!」
よろしくなって言ったの、わかる?
***
今夜の星空
「お待たせしました、ピザが出来たよ。調査お疲れ様」
さっき、ピザが出来る前に来てくれたお兄さんに声をかける。
「やぁ、ありがとう。色んな種類のピザを作ったんだね」
ピザを一緒に食べながら、お兄さんと少しお話をした。
お兄さんはテンさんという名前で、星空を眺めるのが好きだと教えてくれた。
「ボクも、星空を見るのが好きなんだ」
「そうなのかい?今夜は晴れるから、きっと綺麗に星が見えると思うよ」
テンお兄さんはそう言って、少し嬉しそうに笑う。
それを見て、お兄さんのポワルンも嬉しそうな声を出した。
そして、ボクはとても良いことを思いついた。
「ボクね、まだまだ星のことは勉強している途中なのだけれど…。良かったら、テンお兄さんに、星のことを教えてほしいんだ」
今夜、一緒に星を見ませんか?
***
幸せな時間
「あ、コメットおかえり」
「ぷいーん」
森から戻ってきたコメットは、ちょっと機嫌が良かった。
何か良いことがあったのかもしれない。
「メテオくん」
「ルーミィお姉さん、調査お疲れ様。ピザいっぱい食べてね」
「ありがとう~」
ルーミィお姉さん、甘いもの好きかしら?
ピザ、気に入ってくれるといいなぁ。
「さ、コメットもピザ食べ…もう食べてるね」
両手にピザを持ってご機嫌なコメットの隣で、ボクは午後からのスケジュールをチェックする。
「ピチュー」
「フィッ」
暫くしてふと顔を上げると、さっきピザを受け取りにきたピチューとエーフィが、トレーナーらしき人と一緒にいるのが目に入った。
トレーナーさんはピチューとエーフィの頭を優しく撫でて、穏やかに微笑んだ。
「良かったね」
ピザを二枚持っていった小さなお客さん。トレーナーさんに喜んでほしかったんだね。
大丈夫。
キミのトレーナーさん、とても嬉しそうだもの。
キミたちの幸せな時間に、ボクたちが作ったピザが少しでも役にたったのなら良かった。
「行こう、コメット。午後も忙しいよ」
「ぷりぃ」
ボクは立ち上がって、その幸せのお邪魔にならないように、そっとその場を後にした。