形容し難い
先日、退職時にずいぶん寂しがってた上司に電話した。
退職してそろそろ一年経つので、どうしてるかなんとなく気になった。
大したようも無いのに電話する勇気がなくて、他に探りを入れたら、最近忙しすぎて元気ないとのこと。
掛けてみる、出ない。時間は18:50。
そろそろ仕事も終わるか、デスクワーク中かと思ったけど、折り返しを待つ。
19:30、電話が鳴る。
待っていたくせに、緊張する。私から出た声は在職当時そのまま明るく屈託のない声。自分で驚く。
向こうの声、「なんだよ、間違い電話かと思ったじゃん。」「お元気ですか?」電話越しでニコニコしてるのが伝わってきてちょっと嬉しくなる。よかった、とりあえずまだ嫌われてないみたい。
なんてことない世間話だけど、なんの気無しに向こうが言う「俺がもっと偉ければお前を雇い直すのに」「じゃあもっと偉くなってください(そして副業とテレワークできるようにしてくれ)」
月末に何人か少人数で飲むことになった「私は別に2人でもいいですよ!」「嫌だよ俺お前と2人で飲んだら泣いちゃうよ」何故なのか、心の内は知り切れないけどあんまり悪い気しない。
予定確定の為にまた連絡すると言う。電話を切った。
なんとも、また呼ぶのに、と言ってもらえたことが嬉しくて肋骨の裏あたりがキュッとする。
仕事の仲間、まして上司、会社員冥利に尽きる…
結局まる2日くらい反芻してニヤニヤして過ごしたが、ずっと肋骨の裏がキュッとする。
これはあれだ、一番高い感情は恋し始めた頃に近いが、恋ではないのだ。
なにか、名前がつけばいいのに。