キー部#8でいろいろお話しさせていただいた話
こんにちは、Mogma Productsです。
キー部#8に参加させていただきましたが、古参の方、初めて参加された方が入り混じってとても楽しい空間でした。会のテーマでもある「自作キーボードのディープな話をする」はキー部の参加の楽しみのひとつです。
今回は一つの試みとしてレポートではなく、参加者は実際にどんな話をしているのか、というのを書くことで「次回は参加してみたいかも!」って思ってもらえるんじゃないかという期待を込めてまとめてみます。
謝辞
本編の前にまずはキー部を開催していただきましたスタッフの皆様、並びに毎回快く会場を提供いただいているネクストビート様と当日立ち会っていただいた社員の方々に感謝を申し上げます、ありがとうございました。
お話しさせていただいた方々
threeさん
threeさんは薄型でオーソリニアのキーボードを制作されていて、それに折りたたみ機構を入れたくて悩んでました!ということでたくさんお話しさせていただきました。
自身の今の取り組みはわりとニッチだと自負していたのですが、可動部の設計をしたいという方に出会えたのがとてもうれしかったです。
折りたたみの機構はフレキケーブルを検討されていたので部品の購入先(RSコンポーネンツ)だったりコネクタを紹介したり(molex、JST)して知見を持ち帰ってもらえました。
また、自分でキーボードを設計してみると意外と薄くするのは限界があったというのもあるあるですよねという話がありました。自分で設計すると世にある製品がすごいということを改めて知るきっかけになるのも、ものづくりの良さですよね。
あと、印象に残った話だとガジェットが好きで一部の知り合いからガジェネキと呼ばれているそうで思わず笑ってしまいました。ガジェット好きだったら折り畳めるキーボードは好きそうだな、というのも想像できるエピソードでした。
techmechさん
techmechさんはキーボードイベントのたびにご挨拶やいろいろなお話しをさせていただいていて見かけると安心する方のひとりだったりします。
この日はtechmechさんの開発中のキーボードについていろいろお話しさせてもらいました。
Twitterでも書かれていたのですが、OLSK40のトラックポイントがうまく動作せず、展示時でもうまく動いていない状態でした。聞くと、ブレッドボードでの動作検証ではうまくいった、キーボードに組み込むとうまく動かなかった、モジュールの発売元にいろいろと質問してみたが解決に至る回答に至らず、ということでした。
キーボードというかデバイスを設計・開発するにもどうデバックをするか、という課題感を改めて思い出しました。こういったところも技術力ではあるし、自分もここは弱いところなので知見ある方のノウハウを吸収していきたいところです。
あと、会の途中でトラックポイントが突然動くようになったということなので触らせていただいたのですが、手触り感やトラックポイントの動きはとてもよかったです。モジュールは0.75Uに収まるということだったので真似てみたくなりました。
もりやんさん
もりやんさんは
制御部のヒンジとテンティング
一体型とキーポジションの課題
キーボードのサイズと収納・ポータビリティ
など、たくさんのご意見やフィードバックをいただきとてもありがたかったです。特に「制御部のヒンジをトルクヒンジにするといいかも」というのは気づけてなかったのでいいヒントをいただき感謝でした。
お話しさせていただいた内容をPostで残していただいているのもありがたいです🙏
覚道さん
覚道さんは同じ机で展示されていたということもありいろいろとお話しさせていただきました。キーボードは
1.5mmステンレスの板金
板金なのにガスケットマウント
ベゼルはなるべく細くしたい
といったコンセプトで設計されていて、質感としてもとてもよかったです。
(写真を取りそこねていたのでみつかりましたら掲載します)
また、発注したのはミスミのmeviyを使われたということでしたが、板金だと設計図どおりに作るのは難しい、などのフィードバックをいただけたそうで、私も使ってみたくなりました。
アルコさん
キー部#8で登壇されていました。木を使ったパームレストを展示されていたのですが、木材の知識がなかったのでいろいろとご教示いただきました。
紫色のパームレストはパープルハートという木を使っている
天然でこの色
仕上げは蜜蝋
ずっしりとした重みがあって滑り止めがなくても安定して使える
寄せ木細工は1ヶ月近く掛かってる
お話しを伺っていると楽器を製作されていたり、寄木細工職人に弟子入りして修行したりと木材加工についてかなり熟知されている、家も木材加工の道具で溢れていると聞いてやりたいことにディープダイブされる方なんだなと理解しました。
発表内容でも1年で作った自作キーボードは4〜50個あったので納得でした。
CRAB CRAFTさん
CRAB CRAFTさんはキーボードイベントでよくお見かけする方のおひとりで、毎回新作を展示されていて制作スピードがすごいなと思っております。
(手元に写真がなかったのでyoheさんのPostをお借りしました🙏、4枚目です)
今回はアクリルスタンドを設置できるキーキャップとアルコールインクを使用したパームレストを展示されていました。
キーキャップは3DPのキーキャップとアクリルのそれぞれの公差があって嵌り具合の調整が難しいとおっしゃっていましたが、これは自身も経験があるのでうんうんとなりました。
a bit keysさん
a bit keysさんとはざっくばらんにお話しさせていただいたのですが、個人的にうれしかったのは「新作の調子はどうですか」と最近の活動を気にかけていただいた最初の一声でした。
主催のゆかりさんも冒頭の挨拶で「顔やアイコンではなくキーボードで人を覚えている」と言っていましたが、活動や世に出したものを通じて関係性が出来ているんだなぁと実感したエピソードでした。
話した内容で共感した話として、キーボードをリリースしたらQMKのバージョンアップが大変ですよね、というものでした。リリースしたタイミングでファームウェアを用意するのでその時はそれでよかったりしますが、年月が経つと最新のQMKでビルドしたい、もしくはビルドしてもらいたいという要望が来て大変、というのをキーボード開発者は一度や二度は経験したと思います。
こまめに最新バージョンでビルドしておけ、と言われたら元も子もないんですが、QMKは破壊的変更が度々入るのでひとつの課題ではありますが、自分だけじゃなく他の方も経験していると少し安心してしまいますね。
そういえば狭ピッチについて話したときに「興味持ってくれる人は100人に1人ですよ」っておっしゃってて、そこそこ人気ジャンルなのかなと思いきや中の人のリアルな話ではわりとマイノリティだった、という実際の話しが聞けたりするのも面白かったです。
ai03さん
ai03さんは設計されているキーボードの解説を丁寧にしていただいたり、欧米や海外と日本のキーボード事情を話してくださったりと毎回たくさんの情報をいただけることに大変感謝しています。
(手元に写真がなかったのでyoheさんのPostをお借りしました🙏、2枚目です)
新作のキーボードの設計アプローチについて
なぜアリス配列なのか
サイドの別体パーツのデザイン理由
裏面のこだわりポイント
各キーボードの開発の仕方の違いや事情など
キーボードのデザインをどう決めているのか
デザインというのは個人の好みや考え方が大きく反映されるものですが、それを伺える話をたくさん聞かせていただけて自分の設計思想をアップデートできました、ありがとうございます。
ここで詳細を書くというよりかはみなさんもai03さんとお話しいただいて実際に聞いてもらうといいんじゃないかなと思っています。
おこぼれ話
トピックというほどではないのですが、印象に残った話をいくつか。
最後に
取り留めもなく書いてみましたがいかがでしたでしょうか。ここに書いた以外にもたくさんの方とお話しさせていただき大変に楽しく、またたくさんのインプットにもつながりました。
この場を借りて改めてお礼いたします、ありがとうございました。
(書ききれていなくて漏れている方、ごめんなさい)
拙い文章で伝わったかはわかりませんが、キーボードが好きな方々と情報を交換する、議論する、称賛するという大変に有益な時間を過ごすことができるのがキー部の良いところです。
この記事を読んで少しでもキー部に興味が出ましたら次回は是非参加してみてほしいです!
長文になりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事はGold Coast -Surf Mount Keyboard- で書きました。
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