デスクマットの制作秘話
こんにちは、Mogma Productsです。
Mogma Productsの製品 第2弾はデスクマットです。
第2弾はアクセサリーのデスクマットを制作したのですが、制作秘話やデスクマットに込めた想いなんかを書いてみたいと思います。
少し長いポエムになってしまったのでお時間のある時にゆっくりお読みいただけるのがよいかもしれません。
なんで第2弾はデスクマットなのか
そもそもデスクマットをなぜ作ろうと思ったのか。ここについてまずは触れてみます。
きっかけは第1弾としてリリースしたSimplessです。
Simplessはキースイッチテスターではありますが、製品としての魅力UPを考えてパッケージをつくりました。イラストやデザインをまともに学んだことはなかったのですが、自分なりに工夫しながら描いたパッケージは想像以上に反応をいただきました。
また、皆様からいただいたフィードバックの中には「このイラストでデスクマットがほしい」といった嬉しいお声もあり、イラストに特化したものをこのタイミングで一度つくってみるのはいいかもしれないと思ったのがきっかけでした。
デスクマットのデザインでの苦悩
デザインのモチーフをどうするか
Simplessのパッケージデザインは自身でも気に入っており、これを流用しつつデスクマットのデザインをする方向でまずは開発を進めることにしました。
しかし早々に問題にぶち当たります。そうです、Simplessのパッケージは縦長に対してデスクマットの寸法は横長なのでデザインとしてそのまま流用することが厳しかったのです。
また、Simplessのパッケージデザインはキースイッチテスターを全面に押し出したものになっているため、唐突にデスクマットのデザインに登場してくるのも不自然に思えたので採用をやめました。
キーボードをメインテーマに
ただ、キースイッチやキーキャップなどのイラストはどう描けばいいのかというのは自分の中に蓄積されていたので、そこを軸にキーボードをイラストにすることとしました。
Simplessはキースイッチテスターx街というテーマにしたのでフィクションも入れやすくてそれはそれでよかったのですが、パーツそれぞれを配置して誤魔化しているという点がデスクマットという広い面をデザインするには後からしんどくなるというのもデスクマットのラフを描き始めた時点でわかったところではありました。
なので、キーボードという既に存在するものをテーマにしてデザイン全体の方向性がブレないようにしたのですが、これは後から振り返るとよかったと思ってます。
イラストを描くのに大事にしていること
デザインのテーマは決まりました。さぁ後は描くだけだ!とキーボードのイラストを描き始めました。キースイッチ、キーキャップ、スタビライザー、キーボードケース、PCBとキーボードに必要なパーツを描き起こしました。
イラストを描くにあたって大事にしてることがあります。その一つは見た目に違和感がないことです。
これはあくまでも個人的な感覚なのですが、サイズ感や位置、パースなどに狂いがあるとイラスト自体に違和感を感じてしまって魅力的にみえないのでそこはかなり気にしています。
キーボードや取り付ける部品は実在するものなので実際の寸法を計測しながらイラストを描き起こしています。そのため、見えるかどうかわからないところも含めて描くようにしています。
順調から一転
方向性が決まり、キーボードのイラストをせっせと描いて順調に思えたのですが、一通り描き終えたところで壁にぶち当たります。
描いたパーツを組み合わせてキーボードに仕上げると何にも引っかからないシンプルなイラストが出来上がったのです。
「これがデスクマットになっていたとして買うか…?」と考えた時に即答でNoでした。
ただ、漠然と魅力がないという結論にしてしまうとここからどうやってよくしていいかがみえてこないので次の方向性を考えるために整理してみました。
Simplessのときにはあった「目で見て楽しいイラスト」ではない
キーキャップをカラフルにしたら解決するか?
せっかく描いたキースイッチは見せたい
キーキャッププラーなどを描いて風景に仕上げるのもアリか?
特徴的なキーキャップにするとさらに工数がかなり掛かりそうだな
など描いたキーボードのイラストからどういう方向に展開するかのアイディアを広げてみました。
有力だったのは他のアイテムなどを並べつつ風景として作り込む、だったのですが、風景を作り込むには等角投影だと表現しにくい部分もあり断念しました(いずれはチャレンジしてみたい)。
そこでSimplessの良さを改めて振り返ってその良さを詰め込もうという方針にしました。
カラフルなイラスト
様々な色やアイテムが散らばってるけどいい感じにまとまってる(ようにみえる)
実在するものとしないものの調和
これを今回のイラストに落とし込むならば「あり得そうであり得ないキーキャップとあり得そうなキーボード」を組み合わせることで表現できると考えました。
自分との戦い
方向性が決まったら後はやるだけだ!となったのですが、試しにキーキャップを一つ描いてみました。
すると、「これはかなりの数のキーキャップをデザインしないと自分の考えるよさにならないぞ…」となり、序盤から心が折れかけました。
ただ、デスクマットとして完成はさせたいという想いは強く、1つ1つアイディアを出しながら描いていきました。
アイディアや進捗が出なかったりして苦しみながらも、その中で工夫をしていることがありました。それは進捗をTwitterで公開することでした。
これは進捗を見てもらいたいというよりかは状況を自分の外に出すことで客観的に進捗を確認するようにしていました。ここの作業はジャストアイディアの連続で気が休まらないところもあったので冷静になるためのいい取り組みだったようにも思います。
反省点
これを執筆している時点ではまだ予約受付段階なのですが、既に反省点があります。
それは期日を決めずに制作に着手してしまったことです。
趣味のものづくりなんだし、納得のいくまでやればいいという気持ちもあります。しかし、イラストを描いてわかったのですが、納得がいくイラストはいつまで経っても仕上がらないのです。こだわりが強くなってしまうとどうしても納期 < クオリティを優先してしまって終わりが見えなくなります。
趣味を通じてプロダクトデザイン(広義)を経験しつつ、ゆくゆくは仕事にしたいと最近は考えているので納期に対する意識が低くなってしまったというのは反省すべきところでした。
方向性が定まらないままスタートしてしまったところもあるので、コンセプトや設計の初期段階の工程をどうするかは第3弾の課題にしようと思います。
最後に
デスクマットのデザインは産みの苦しみを存分に経験でき、大変ではありましたが自身の成長につながる体験でもありました。率直にやってよかったです。
これからも自分が楽しめるものづくり、そして皆様の心が躍るような製品を世に出せるものづくりができるよう努力しますので声援をいただけるとうれしいです。