消しゴムの思い出は十人十色?
こんばんは、もげらです。
ある日、姉が私の部屋に来て言った。
「消しゴムある?」
……ある。
あるけど。
「普通のでいいの?」
私は、一般的なプラ消しゴムに、ペン型の消しゴム、練り消しを持っている。
「普通のでいい。貸して〜」
貸すけど。
消しゴムあるし、貸すけど。
なんで消しゴムだけ????
しかも普通の。ノーマルの。
ペン型や練り消しなら、万人が持っている確率は低そうだけど。
消しゴムが必要ってことは、鉛筆かシャーペンか、消しゴムで消せる筆記具で何かを書いたということ。
(消しゴムで消せる筆記具が、今、鉛筆かシャーペンしか思い浮かばなかった)
鉛筆やシャーペンがあるってことは、通常、消しゴムも一緒に持ってないかい?
消す前提の筆記具でしょ?
筆記具を何も持っていない状態から買ったのだとすれば、消しゴムも一緒に買わないかい?
消す前提の筆記具でしょ?
姉に聞いてみた。
「なんで消しゴム?」
「え? 消したいから」
いやいや、そうじゃないのよ、こっちの質問の意図は……!
逆に消したいとき以外に消しゴム使うタイミングある?
いや、消しゴムの使い道は他にもあるやろうけど。すぐには思い浮かばないけど。
なぜ、筆記具があって、消しゴムがない??
大体はセットで持っているものじゃない??
不思議でしかたない。
そんなのはただの思い込みだと言われたら、そうだろう。
一緒に買った消しゴムだけ、行方知れずになったのかもしれない。
たぶん、それが最有力候補。
姉の口から明確な理由は語られなかった。
けれど、そのくらいの理由だと思う。
「消したいけど、消しゴムが無かったから」
それだけで、消しゴムを借りる理由として十分に成立する。
別にそれほど『なぜ』を追求する案件でもない。
なのに、ただ「消しゴム貸して」と言われただけなのに、この記憶がなかなか無くならない。これも不思議。
消しゴムを貸したその瞬間も、今もまだ、『なぜ、姉は消しゴムを借りたのか』がなぜか離れない。
おそらく、そのときの私にとって、消しゴム(だけ)がない状態は、とても奇妙で衝撃だったんだろう。
消しゴムで思い出すとしたら『消しゴムに好きな人の名前を書いて全部使い切ると〜』とかの、昔に流行った(?)おまじないの類とか。
『好きな子にわざと消しゴム借りる』とかのきゅん話とか。
いろいろありそうなものなのに。
今後も『不思議な姉の消しゴム貸して案件』として、消しゴムにまつわる記憶ダントツ1位に君臨しそう。
……ただし、エピソード的にはなんの広がりもみせられそうにない。
読んでいただき、ありがとうございます!
読んでいただいたかたの手元には消しゴムがありますように。
2022.08.15 もげら
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