
Spotifyの広告にツッコむ。〜逃げるたかしくん vs. ラブラブチュッチュ女の子〜
Spotifyをフリープランで使っている。
「流し聞き」に使うこと多いので、課金しなくてもいいかと思っているだけ。
でもなんとなく聞いているだけでも「この広告、なんか好きじゃないわ」と思うこともあって、その小さなストレスから解放されたいとも思うのである。
とにかく今の時点ではフリープランなので、ときにうっとおしいなと思いながらも広告が入るまま使っている。
そして、好きじゃないわ、とか、うっとおしいな、とか思うだけでなく、ツッコみたい広告もある。
ツッコみたい広告がこちら:
(女の子の声)「たかしくんへ。電波の届かない山奥で修行すると聞きました。だから私、歌うね! 君に届けるラブラブチュッチュ〜♪」
(男の子の声)「俺、プレミアムプランなんだけどな」
※狙って聞けるわけではないので、完全に正確ではないことをご了承ください。
さあ、ツッコんでいこう。
・たかしくんから直接聞いていない?
『修行すると聞きました』
ということは、たかしくん本人から聞いたわけではない。
◆ 【付き合っているふたり】と仮定してみる。
「俺、山奥で修行することにしたんだ。山奥だから電波も届かないんだよね」
くらいは言うでしょう?
仮に付き合っているふたりだとすると、たかしくんは彼女に直接告げずに山奥へ行ったことになる。
電波も届かないところへ行くということは、連絡も取れないということ。
恋人といきなり連絡が取れなくなったら多くは心配するでしょう?
なにかあったのかな、なにかしちゃったかな、なんでだろう——
つまり、たかしくんは女の子に対して『そうなってもいい』と思っているわけである。冷め冷めたかしくん。
◆ 【付き合っていないふたり】と仮定してみる。
ふたりがおともだちだとすると、『聞きました』はわりと自然な流れでしょう。
しかし、それはそれで、「たかしくん、山奥に行ったらしいよ」と友だちのほうから話したのか。
それとも「ねえ、たかしくんって最近どうしてるか知ってる?」と女の子から聞いたのか。
どっちの流れかによって、だいぶ印象は変わってくる。
後者のニュアンスによっては恐怖すら漂う。
ふたりの関係ってなに?! どういう関係?!
……っていうかまず、修行てなんやねん!
・盛大な愛の歌
『聞きました』という不自然な導入なのに、
『ラブラブチュッチュ〜♪』
と女の子は盛大な愛を歌うわけです。
だから、どういう関係?!
男の子はすでに冷めている恋人同士なのか、おともだちなのか。
どちらにしても一方的である。悲しき現実。
・電波の届かない山奥にどうやって歌を届けた?
『電波の届かない山奥』ということは、これを聞いているのは、スマホではない。
電波が届かないんだから、メッセージの類は届かないはず。
ということは、女の子は郵送かなにかで、音源となるなにかを送った……?
郵送ということは住所も誰かに聞いたのか、調べたのか……?
「山奥で修行するよ」と直接教えてももらえない女の子が、電波の届かない場所に居る男の子に『ラブラブチュッチュ〜♪』というでっかい愛の歌を……?
こわすぎない????
つよすぎない????
ふたりの関係ってなに!!!!
・会話が足りていない?
『俺、プレミアムプランなんだけどな』とポツリとこぼすたかしくん。
女の子は、たかしくんがプレミアムプランに入っていることも知らない。
さては会話してないな、きみたち?!
恋人でも、ともだちでも、会話が足りていないのでは?!
いや、他人のサブスク加入状況なんて知らなくて当たり前なのだろうか。
でもわざわざ「私が歌うね!」なんて言うくらいなので、“音楽好き”という認識はあるんじゃないだろうか。
だとしたら、「Spotifyはいろんな音楽聞けるから良いね」「俺、プレミアムプランにしたよ」とかいう会話くらいはしてください。
たかしくん、女の子に情報与えてなさすぎ。
女の子、たかしくんへの愛が大きすぎ、強すぎ。
というか、盛大な愛の歌への反応が『プレミアムプランなんだ』ってたかしくんよ……、
もう、これはもう……、終わっている。
ラブラブチュッチュ女の子、残念ながらその恋は終わりです。
おともだちだろうが、恋人同士だろうが、脈なし確定演出。悲しき現実、悲しき未来。いや、未来はもはや見えない。
ふたりの関係がなんであれ、終わりは目前。
しかし、これだけ引っかかってしまうということは、広告としてはある意味成功しているのだろうか。
2025.02.26 もげら