甲本ヒロトに学ぶ、モノの見方
僕たち、人間は短期的視点で物事を判断しています。
僕らの言う長期的視点はせいぜい、自分の老後もしくは子供の成長まででしょう。
しかし、人間は地球の歴史的にはほんの一瞬であることは、地球カレンダーなどから理解できるでしょう。
人類が誕生してから500万年が経っていてとても長い時間に感じても、地球の歴史からみるとほんの一瞬です。地球の歴史を1年に換算すると人類の誕生は12月31日の11時37分くらいと、途方もなく悠久の時間が流れていることがわかります。
それでも、一瞬を大切にする、今を大切にするというのは今を生きているたかだか寿命100年程度の僕たちにとって、とても大切なことだと思います。しかしながら、そればかりに注視して、未来の世代に、未来にツケをまわしていいのでしょうか??
今が良ければ、将来自分の子孫が不利益を被ってもいいのでしょうか??
中学生のときにブルーハーツに出会って、全てのアルバムを聴き漁って、ネット上(Winny)でライブ映像やインタビューを探して、甲本ヒロトや真島昌利の生き方をトレースしようと必死でした。
慣れない海外の小説を読んだり、2人が好きな昔のロックを聴いたり、映画をみたり、何でもかんでも真似をして少しでも近づこうと必死でした。
僕の青春(中学から大学まで)は2人を意識しすぎた厨二病真っ盛りで、世間を斜めに見ながら、理由もなくイラついていて、屁理屈野郎でした。一言で言えば痛々しい青春です。今思い返してもゾッとします。
僕はこの名言に深く感動しました。
将来のために勉強するとか、働くとかそんなことよりも、今この瞬間、刹那的な一瞬を大切にしようという趣旨の言葉です。その一瞬一瞬を大切にし続ければその後の人生もきっと大切なものになるだろう。そういう意図があると思います。
僕は今を大切にしてきました。今を大切にするあまり、将来を無碍にしようとか、破壊的なことをしようとかのパンク精神はありませんでしたが。。
今を生きることは、今を大切にすることだと感じていたました。どこかで自分とその周りにいる人さえ幸せであれば、それでいいだろうと思っていたこともありました。
けれども環境の変化、成長するにつれて物事の考え方も変わってきました。
子供が産まれてこの子が、成人するまでは元気でいようとか、経済的に困窮しないようにプランニングしようとか。
少しだけ長期的視点を取り入れるようになりました。
子供たちの世代が今よりも豊かになるように、選挙で政治家を選んだり、街づくりに意見をしたり、今よりも遠い未来に目が向くようになりました。
それでもたかだか10年から20年程度です。
NHKの「ギョギョッとサカナ☆スター」という番組に甲本ヒロトが出ると言うことでとても楽しみにしていました。
ロックスターのイメージが強いですが、昆虫オタクの一面もあり、魚オタクのさかなクンとどんな対談をするのか楽しみでした。
番組の中で、イワシの解説をしている時にヒロトが抱いたイワシへの感想がとんでもなく長期的視点だったので紹介します。
昨日も明日も関係ない!!
今がすべてだ!!!
とライブで叫んでいた人と同一人物とは思えないほど、優しくて哲学的な言葉です。どこか仏教的要素もあるようなとても深い考え方だと思いました。
子供と一緒にこの番組を見ていましたが、僕はこの子の成長のための部品にすぎない。そう素直に感じました。
さらに、この子が年老いて寝たきりになった時、この子の孫たちが、おじいちゃんであるこの子の周りを取り囲んでいる情景を想像しました。少し飛躍し過ぎていますが。。。
当然、僕からしたらひ孫、玄孫にあたる子で、きっと会うことはない人たちです。それでもその子孫に当たる人たちの部品に少しでもなれるなら何を残せるだろうか。そう思いを巡らせました。
この問いにはすぐに答えを出すことはできません。
それでも、長期的視点で物事を考えることの大切さに気がつきました。僕は良き祖先になれるだろうか。
少しでもいい部品になりたい、少しでもいい祖先になれるように今をしっかりと生きていきたい。
常に心の中に「僕はいい祖先になれるか」を自問自答しながら生きていきます。と静かにここに宣言します。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。