ニヒルな笑いに隠れた愉快な性格
2017年、突然の顔面麻痺に見舞われ、左半分の笑顔を失いました。
鏡に映る自分の顔がゆがんでいるのを見て、驚きと混乱、そして深い悲しみに陥りました。
笑顔が左右対称でなくなり、写真を撮るのも、誰かと談笑するのも億劫になってしまいました。
写真を撮るときに「笑って笑って!」と何気なくカメラマンから言われる一言に、無駄に傷ついていました。
(僕は笑っているつもりなのに、くそー!)
顔面麻痺という病気は自然治癒することがほとんどです。
しかしまれに神経が満足に回復しないことで、完全治癒しない場合もあります。僕は完全治癒しませんでした。
(ジャスティン・ビーバー、TKO木下なんかはすぐに治っていましたね、くそー!)
平常時の顔の歪みは緩和したものの、笑顔になると左右対称でないのはそのままとなりました。
僕は少しでも現状回復しようと、「笑顔の再建手術」に望みをかけました。
遠路はるばる千葉県の病院に1ヶ月も入院する計画でした。
左側頭部を大きく切開し、自身のももの筋肉を動かなくなった左顔の筋肉に移植し、表情筋の回復を試みる大手術です。
結果は確かに少しは動くようになりましたが、思い描いていたほどの回復は得られませんでした。
そして手術跡は左側頭部に稲妻のような痕跡を残しました。
(手術=全回復と期待していただけに大きなショックでした、くそー!)
そんな中、ストア哲学に出会いました。
自分の身体ですらもコントロールの外にある借り物であると理解することで、麻痺という現実を少しずつ受け入れられるようになりました。
落ち込んだり悩んだりしても現状が変わるわけではないと気づき、むしろこの状況をアイデンティティの一部として捉えることにしました。
僕は普段から短髪でしたが、手術で残った傷跡をあえて剃り込みのように見せることで、美容師さんとの会話のきっかけにしたりして、前向きに付き合っています。
このユニークな特徴は、今では私の愉快な性格をさらに引き立てる一部になっています。
僕の笑顔が一見「ニヒル」に見えるかもしれませんが、心の底から楽しんでいることがほとんどです。
僕の子供たちは僕の本当の笑顔を知りません。
いつもニヒルな笑顔で接していますが、ちゃんと僕に心を開いてくれています。
表面的な笑顔にとらわれずに、心の底から笑顔になることの大切さを子供たちから学びました。
僕はこの経験を通じて、どんな困難にもユーモアを忘れずに取り組むことの大切さを学びました。
どんなことがあっても前向きに、楽しく、そして愉快に生きることをモットーにしています。
最後まで読んでくれてありがとうございました。