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2年勤めたnoteからスタートアップへ飛び込むことにした

本日7月28日は約2年勤めたnoteの最終出社日でした。

直接ご挨拶できなかった方も多くいらっしゃると思いますので、代わりといってはなんですが、ご報告と「頑張るぞ」という宣言がてら転職の経緯について書いてみました。

少し長いですがもしよろしければ読んでいただけると嬉しいです。


転職する理由

大前提としてnote社のことが嫌になったとか、大きな不満があったとかではありません。とても良い会社だと今でも思っています。

サービス規模の大きさの割に、一人が与えられる影響は大きい方だと思いますし、技術や開発環境(貸与されるラップトップなど)への投資も積極的です。
ベンチャーにありがちな残業上等な空気もなく、極めてホワイトな会社です。

2022年12月には上場もしましたし、福利厚生や働く環境も巷のイケてるIT企業にありがちなものは大体揃っていると思います。(技術研鑽への金銭的な補助・産休育休の取りやすい環境・リモートワーク手当 etc…)

自分の専門であるフロントエンドにおいては、リアーキテクチャのような取り組みも開始されており、客観的に見ても面白いチャレンジができる環境がありました。

自分がそんな会社として十分に魅力的なnote社を辞めて、小さなスタートアップへ転職することに決めた理由は以下の3つに集約されます。

  1. いつか小さなチームからプロダクトや会社を大きくする経験をしてみたかった

  2. 結局チャレンジすることでしか成長できないと実感したから

  3. 二度とないであろうチャンスが巡ってきたから

いつか小さなチームからプロダクトや会社を大きくする経験をしてみたかった

これは読んだままですが、自分がITエンジニアという職を本格的に志した頃から、小さな会社・チームで働き、自分の力で会社やプロダクトを成長させるということに漠然とした憧れがあったからです。

自分は小さなラップトップ一台で、たった数人で、世界を変えることができるというインターネットやIT技術の可能性に取り憑かれてこの世界に入った一人です。なので、自分もいつか自分の力で大きなことをやってやりたいという野心がどこかにありました。

しかし現実には、そのようなチャレンジとは程遠く、コンフォートゾーンを抜け出しきらずに楽な道を選んでしまうことも多かったように思っています。

それでも、これまでの人生、十分幸せを感じながら生きてきましたし、この日々が続けられるならそれはもう十分に幸せだと思う自分がいるのも事実です。

ですが、自分はどうしても、その安定志向を打ち破って何かを成したいという願望を捨てきれませんでした。

正直、ここ数年はその気持ちを忘れかけていたのですが、いくつかのきっかけがあり、「やっぱり自分は何か大きなことを成し遂げたい」と思うようになりました。
それらのきっかけのうち、ここでは真っ先に思いついた2つを書いておこうと思います。

一つ目は、身近な人がチャレンジする姿を見たことです。思いつく人が3人います。

誰もが知る大きな会社で努力を重ねて、ついに今年やりたかったことを叶えられることになった(らしい)2歳下の妹、スタートアップへ一人目のエンジニアとして飛び込んでフルスタックに活躍している前職の後輩、一度起業して道半ばで会社を解散することになったけれども諦めずに二度目のチャレンジをしている先輩です。

3人とも、形は違えどやりたいことを追いかけてそのためになら努力を惜しまない、そんな人だと感じています。

そんな人たちの姿を見たり、話を聞いたりした時、「彼ら・彼女と比べて自分はカッコよくない」と悔しさを感じていました。


そして二つ目のきっかけは、note社の上場です。

note社は2022年の年末に上場しました。
上場の日、社内で流された会社の歩みをまとめたスライドショーにはnoteを今まさにローンチしようとしている瞬間のオフィスの写真がありました。

そこには小さなオフィスでPCに向かいリリース作業をするCTOの今さんが写っていました。

noteというプロダクトを一から生み出し、会社を上場させるまでグロースさせてきたということや、その過程で得た経験を活かして、開発組織が大きくなった今も技術者として第一線で活躍する姿は、この業界に入ろうと決めた頃に自分が思い描いていた姿そのもので、自分もいつかこうなりたい、という気持ちを思い返す大きなきっかけになりました。

チャレンジすることでしか成長できないと実感したから

二つ目の理由はチャレンジすることでしか成長できないと実感したからです。

これまでのキャリアの中で大きく成長することができた機会を思い出すと、「なんとかしないといけない」というシチュエーションに追い込まれた時であると気づきました。

挙げればキリはないですが、学生時代の卒論で進捗が出ずTCPやHTTPの仕様を追っかけた時、同じく大学の時のアルバイトで一個下の後輩がバリバリコード書いてるのに自分は既存のコード追いかけるので手一杯だったとき、インターンシップで追い込まれてネカフェで徹夜したとき、突如テックリードが現場を離れてしまって自分が一番詳しい人間になってしまった時、フロントエンドをやると思って入社した会社でサーバーサイド書くことになったとき、ずっと複雑すぎて出せないと思われていた機能をチームで作り上げてリリースした時などなど…。

中にはしんどいなあとか、やめちゃいたいなあなんて思いながらやってたこともあるけれど、今思えばこれらの経験一つ一つがなければ今の自分はいないと感じますし、このような機会に恵まれてこれまでのキャリアを過ごせたことは幸運だったと思っています。

だったらその機会を作るしかないじゃないか、というのが今回転職を決めた理由の一つです。

noteとは作るものの性質も、会社の規模も、一緒に働く人の人数も、ユーザーさんの属性も何もかもが違う環境へ飛び込むことが、自分の目指す姿への最短ルートであると感じたので、今回思い切ってチャレンジをしてみることにしました。

二度とないであろうチャンスが巡ってきたから

そして最後は二度とないであろうチャンスが巡ってきたから、ということです。

幸運なことに、前職時代に一緒に仕事をしていた先輩がボードメンバーとして参画している会社に、「エンジニアとしての腕を信用しているので一人目の正社員エンジニアとして入って欲しい」と誘いを受けました。

ここまでに書いたように、いつかはやってみたいと思っていた仕事でしたし、声をかけてくれた先輩のことは以前から尊敬していたので嬉しい気持ちもありました。しかし、それと同時にさまざまなことを悩みました。

エンジニアとしては、周りに自分よりもできるエンジニアや、自分とは異なる専門性を持ったエンジニアと関わる機会が減ることで、これまで以上に能動的に技術研鑽をしないと、比較的トレンドの移り変わりが激しいWeb開発の業界では生きていけなくなってしまうのではないかと思いました。

また、自分が技術面全てを見るということは、裏返せば自分がどうにもできなかったら最後、誰も代わりにやってくれる人がいないというのは純粋に怖さがありました。

また、プライベートにおいても、今年6月に結婚したばかりで、万が一追い込みすぎて自分が仕事できなくなったり、会社が立ち行かなったりして収入がなくなれば、妻にも迷惑をかけてしまう可能性があるというのも、決断するにあたりとても悩んだポイントでした。

それでも最終的に自分が転職するという道を選んだのは、これまで述べた理由に加えて、このチャンスを逃したら同じチャンスは二度と現れないと思ったからでした。

ずっとやってみたかった正真正銘のスタートアップでのチャレンジを、尊敬する先輩と共にできるチャンスです。

それに、取り組むことになる事業の内容も自分が昔から抱えていた漠然とした社会に対するモヤモヤを解決するポテンシャルがあると思えたことも、決断を後押ししました。(事業の話はまた別で語ろうと思います!)

万が一うまくいかなくても(もちろんそうはさせないつもりしかないですが)ハードシングスからしか得られない成長は絶対にあるはずで、そういった意味ではどちらに転んでも失敗ではないし、プライベート面においても、まだ20代半ばなのでいざとなれば妻との生活を守っていくだけの仕事はあるだろうと考えました。


総じて「あの時やっておけばよかった」となる気しかしなかったので思い切って決断をしました。

終わりに

以上3つが僕が転職を決めた理由でした。
たくさん悩みましたが、良い決断ができたと思っています。というより、良い決断だったと言えるように頑張らねば、と思います。

退職に際して、note社のチームの皆さんにはご迷惑をおかけすることになってしまいました。

それにも関わらず、今回のチャレンジについて、たくさん応援の言葉をいただけて本当に嬉しかったですし、事業や会社を成長させて、「あいつ、いつの間にかすごくなったな」と思ってもらえるような活躍をすることで送り出してくれた皆さんへ恩返しをしたいと思います。


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