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第8首:しかたない 忘れたことも 忘れてる 知らぬが仏は 最強の術
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覚えていたい…思いすら忘れてしまう(涙
50歳を過ぎて、自分の記憶力は「うっかり(忘れ)」から「すっかり(忘れ)」に変化しました。
40代半ばくらいまでは忘れてしまったことに自己嫌悪を感じていたけれど、忘れてしまったことすら忘れるようになると、もう反省したりヘコんだりすることがなくなります。
特に、家族の会話では、用件を伝えあうことが多い割に、仕事とは違って気を使うことがないのではなっから覚えられない。子どもが自立を始めてしまえば子どもの用事もなくなります。肩の荷が軽くなってラクにはなるのですが、緊張感や責任感が不要になると、頭の活動はどんどん鈍っていくのは当然の成り行きでしょう。
数年前から筋トレをしているのですが、脳も活動域を積極的に動かさないとどんどん衰えていくことを実感しています。ストレスはできるだけないほうがいいけれど、多少のストレスはあったほうが心身を鍛えるためにもいいのかもしれません。
「覚えてない」「忘れてる」がデフォルトに
一度話した内容なのに、しょっちゅう「忘れた~」「え?そんなの知らないよー」と言うようになると家族はそのうち私の記憶力をあてにしなくなります。以前は、言ったor言わないでケンカしたり、「なんで忘れるの?!」と怒られたりしましたが、今は覚えていない想定で動いてくれています。結果として、諦められていることが私を甘やかすことになり、さらに脳が怠けるのですが…。私に覚えておいて欲しいことは何度も念を押すようになり、メッセージ送ったりメモを貼ったり、LINEのリマインド機能(リマインくん)を教えてくれたので、甘えるところはとことん甘えてしまっています。
忘れることは…悪くない…かも?!
これまで私は、記憶力の低下は老化現象だと思っていましたが、実は生き抜く力なのかもしれないと考えるようになりました。長く生きれば忘れてしまったほうがいいことが増えます。覚えていると辛いこともあります。いつまでも新鮮に記憶にとどめておくことがよいことばかりではない…のが人生です。
シンガーソングライターの河島英五さんが『酒と涙と男と女』で「忘れてしまいたいことや~ どうしようもない寂しさに~」と歌っていたのは彼がまだ若かったからで、今もご存命なら酒の力を借りずともなんでも忘れられちゃう…ことにホッとしたかもしれません。
衰えたり鈍るのはネガティブなことばかりではなく、生きるのをラクにするために必要な"発達"だと思えば、私の脳は順調な発達をとげています。
都合の悪いことはサッサと忘れ、覚えておきたいことだけは必死に記録を残しましょう!推しのイベントの日程とか、センイルとか、観たい映画の公開日や、ハマっているゲームの攻略法とか…うわっ、書いていたら「自分はどんだけお気楽な人間なのか?! 」
流れてくる情報が多すぎる時代です。ネガティブな情報を気にしだしたらキリがありません。知らないほうがいいこと、知りたくないことが世の中には溢れているからこそ、忘れちゃえ!知らなくてもいいことにはそもそも首を突っ込む必要もありません。知らぬが仏です。覚えていたいことだけ、何度も念を押して頭の中に叩き込もう!
こんな時代なのですから、生き抜く力は自分で工夫するしかありません。