第36首:結婚は 良い所より 短所みて 相互理解の 平和条約
トキメキフィルターを解除する婚姻届
自由を求めマイペースを貫き、結婚にはまったく不向きだと思っていた私にとって結婚生活はドミノ並べに似ています。わずかな刺激で一気に倒壊するような綱渡り状態を続けながら、なんと知り合って25年以上が経ちました。まさに、ギネスに挑戦!の心境です。
契約時は、とりあえず「お互いにずっと一緒に生きていこう」と信じるのが結婚です。当初は、この契約への不安はあまりなかったはず。それくらい、見当違いや思い込みを必要とするのが「婚姻」なのでしょう。
子どもは血縁という点で切っても切れない縁ですが、婚姻は一種の契約です。出会う前は他人、そして、別れた後も他人、実は、結婚してたって他人です。そんな危なっかしい契約に「とりあえず」判を押すことができるのは、なんだかんだで何かしらの勢いがあったから…なのだと思います。
好き・スキ・だいすこ~♪と舞い上がっていたとおもいきや、それはうたかたの夢。
契約を結んで家族という新しい形になると、その安心感?からか、相手への遠慮や配慮がすっかり“甘え”にシフトしてしまうのが結婚です。
「あんなはずじゃなかった…」
「こんなヤツじゃなかった…」
と、無遠慮モード全開の相手を見て、結婚を決めたトキメキフィルターは完全解除。素の自分が露わになってから…が、本当の意味での結婚生活となります。
良いところ…よりも互いの欠点への許容範囲がポイント
20数年間という我が結婚生活を振り返ってみると、結婚前の自分にアドバイスしたいことがありすぎて、おせっかいババアになりそうです(トホホ)が、反省の意も込めてここに書き留めておこうと思います。
●結婚のリアル:継続は力ワザ!の5ポイント●
(1) 恋愛時の「スキ♪」の気持ち=トキメキフィルター(偏った認知バイアス) なので、婚姻届の提出と同時に、このフィルターは解除されます。
(2) 相手への思いやりが相手への甘えへとシフトした瞬間、トキメキフィルター解除します。
(3) 相手への甘えはそのまま相手の短所として映るので、結婚前に必要なのは、相手の良い所よりも短所に着目するのが重要。
(4) 結婚に関係なく、ありのままの自分をまるごと認められる状態になると人生が大きく違ってくる。
(5) 必要あって結ばれた縁という点で自分を成長させてくれる相手であると思えれば、みんなベストパートナーを選んでいるということ。
上の5つのポイントに、「大好きならば」「愛しているならば」結婚へGo!Go!というセリフはありません。が、これが、結婚のリアルかなぁ…。
互いの感情をぶつけながら考える『平和』
結婚生活を営んでいる人なら、結婚という人間関係は国家間の関係にも似ていると思う方が少なからずいるはずです。
バックグラウンドが全く異なる相手と争うことなく、助け合い認め合いながら、持続可能な生活を続けていこうとするアクションが結婚です。互いの価値観のズレ、相手への要求、パワーコントロールなどで相手を御そうと思うと関係が悪化しますし、紛争だって起こります。平和への道は相互理解ということが解っていて、それはそう難しくないように思えるのになぜか、うまくできないのは人間の性なのかもしれません。
アラフィフ以降に必ずやってくる互いの「老い」
時々、一触即発という状況を迎えても、どうにかこうにか維持してきた我が結婚生活ですが、今後想定されるのは互いの「老い」です。
国家間の関係でいえば、互いの国力が下がってきた場合、より助け合いが必要となってきます。足りない部分を補っていくことになるわけです。EUみたいな?共同体的な運営が必要になってくるかもしれませんねぇ…。
とにもかくにも、私たちが生きていくには『平和』であることが大前提です。できるだけ穏やかに、健やかに生きていける時間を維持したいと思いますし、そのために、自分の人としての成長が必要なのだということを思うと、私のためにこの人が遣わされたと思うしかないですねぇ…(お互いに)。
★最上川えつこのデビュー作『アラフィフ歌会始』
Kindle & Kindleペーパーバックにて販売中です ▼▼▼