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#037:お盆休み中のせんべろで日本のヤバさを実感した件
珍しく帰省のないお盆休み
お盆休みは長年、帰省したり旅行したりすることが多かったのですが、今年は珍しく自宅(都内)で過ごすことに。
なんだかんだで毎日予定が入ったのであちこち出かけたのですが、渋谷や新宿、池袋などの繁華街はガチヤバレベルの人出でした。海外からの旅行客も多いし、一昨年の夏とは全く違います。
一方で、都心へ向かう道路は従来とは違ってスイスイなので、こういうときは車での移動がもってこいです。
休暇最終日となる16日は、幼馴染とふたたび赤羽せんべろに行ってきました。
猛烈な暑さの中、真っ昼間からダラダラとおしゃべりをしながらはしご酒をするのですが、お盆休みということで、ふだんより赤羽は人出が少なめのように感じましたが、それは…猛暑だからかもしれません。
1軒目はお昼ご飯を兼ねて鉄板焼き居酒屋に行きました。座った席がやたらと空調が効いていて、入店時は「天国~」だったのに30分もしないうちにカラダが冷えっ冷えに。食事メインに飲んでいたものの、いよいよ寒さに耐えきれず、熱燗を頼むしかない段になったため退場。店の外に出た時に「ふぉ~っ、あったかーい!」。
カラダを温めたかったのもあって、せんべろ街をプラプラと散歩しました。お盆期間中にお昼の営業を休んでいるお店もあったので、人出が少なめだったようです。
我々はお腹はいっぱいになったので、飲み物さえあればいいということで2軒目を探すと、
友達が「あー。この前、この店の池袋店にいったんだけど超安いんだよ~」と。
確かに!驚き価格です。
2時間、ビール飲み放題!290円!!!!
マジか!?
私も友達もビール党だし、食事は済ませたのでビールさえあればOKっす。「ここにしよう!」と早速、エレベーターに吸い込まれました。
2時間→3時間 ビール飲み放題290円に!!!
エレベーターの扉が開くと、いきなり店舗になっています。店内を見まわすと、チラホラとお客さんはいる様子。主に、おひとりさまの男性客。
世の中ではおやつの時間、午後3時の居酒屋です。窓の外がピーカンな真っ昼間から盛況ということはない…でしょうね。
お店の人を探すと、厨房から黒いTシャツを着ていた男性が我々のところにやってきました。
店員さん「いらっしゃいませ!2名様ですか?」
我々「はい、2人です!」
店員さん「あの…実は、いま、厨房に人が居なくて、僕が一人でやっているので、お食事を頼まれても50分くらいかかってしまうのですが、それでもいいですか?」
我々「あら!それは大変ですねー。大丈夫です。飲み物さえ出していただければ…」
居酒屋などでは飲み物で利益をあげるものですが、この店の企画は「2時間、ビール飲み放題290円」。飲むだけじゃあ商売あがったりなはず。
…なんかとても申し訳ない気持ちに。
とはいえ、我々の『飲みたい』のニーズと、お店側の『お食事オーダーされても…』というニーズが合致したとても相性のいいご縁、いただきました!
お好きな席に…と言われて、まず、我々は天井(空調)を確認し、エアコンの風が直接当たらなさそうなベスポジを確保。
ほどなくして、唯一のホールさんであろう女性がやってきて、オーダーを取りに来てくれました。
私は1軒目でかなり飲んだし、この店の事情を思うとなんとなく申し訳ないので、単品のビールを頼もうとすると…
「今のお時間なら、こちら(2時間ビール飲み放題290円)のほうがおススメですが~」
と言ってくれました。
私は
「でも、今、おつまみを頼むと50分くらい待たされちゃうって聞いたから、おつまみはあまり頼めないでしょう?それじゃあ悪いから、ビールだけでも単品で頼んでいこうかなーって思うのよ」
と話すと、
「そんな…大丈夫です。こちらのほうがおトクですので。…ちょっとお待ちください、私、聞いてきます!!」
と、若くて可愛らしい店員さんが、小走りに厨房へ向かいました。
我々は、メニューを見ながら時間がかからなそうな、出すだけっぽいつまみを選んでいると、店員さんが戻ってきて、
「いま、店長に聞いてきたんですが、おつまみが出るまで時間がかかるので、2時間飲み放題を、同じお値段で3時間飲み放題でっていうことで…」
「なに~~!?!?」
いいんですか、このお店。
大丈夫ですか、このお店。
私たちは、お店の経営のことをちょっとだけ考えて、ビール飲み放題よりは単品を頼もうかなって思って言ったのに。なんだか、
[つまみ頼んでも来ないなら、2時間ずっと飲みだけなんかいっ!!!]
って文句を言ったみたいじゃないですか!!
「いいの~?本当にいいの~?なんか申し訳ない~!」
ホントに、ホントに申し訳なくなって、なんども聞きなおしたのですが、
「はい。飲み放題のほうがおトクですのでどうぞ、こちらを頼んでください」とな。
これぞ赤羽!人情の街や…なんて言っていていいのでしょうか。
人手不足は深刻です
確かにお盆休み中となると、バイトやパートさんの中にはお休みを取る人もいるでしょう。それにしても人材不足は深刻です。
入店時に厨房からやってきた男性がたぶん店長さんだと思うのですが、我々に説明していた時の顔が明らかに疲弊していました。
居酒屋のお昼時間とはいえ、たった一人で厨房を切り盛りするとは…。
友達は、
「ちょっと厨房に行って、私たちが少し『手伝います!』って言ってこようか。代わりにビール無料にしってって言ってさー(笑」
確かに、あの店長さんの顔を見たら、
「私たちで良ければ…手伝いますよ」と言いたくなります。
バックヤードならお得意な主婦歴20年以上のベテラン2名なんですから!笑 可愛らしい女性店員さんの代わりはできないけれど、料理や皿洗い…はアラフィフ、オバサジェンヌの得意技です。
せんべろの聖地、赤羽はライバル店が多いし、価格競争も激しいでしょう。世の中は何でもかんでも値上げ!値上げ!なのに、お客さんを取り合うためにおトクに飲めるサービス競争も激しく、簡単に値上げできそうにない事情も読み取られます。
人材は不足…。安定利益の確保も出来ず…。
うーむ。。。
物価高が進む一方で、賃金の上がり具合は渋ーい現状。結果、市民の財布のヒモは固くなり。
どうなっちゃうんだろう…日本。
おつまみのキャベツをバリッとかじりながら、日本の未来も寒くなり、1軒目の冷え切った店内を思い出して鳥肌が立ちました。
とはいえ、結局、お店のご厚意に甘えて、すぐ持ってきてもらえるビール(数え忘れました)と、すぐできそうなつまみ(やみつきキャベツとか)を頼んで、気づけば窓の外は夕暮れに。
夕方5時くらいから、お客さんはどんどんやってきて、店員さんも増えていました。夕方からのシフトの人員は確保できているみたいで、今日のわたしの“良かったこと”のひとつは、
「あのお店の夕方からはスタッフがそれなりに揃ったこと」
です。
さんざん飲んで飲んで…。
お会計は二人で2500円ちょい!!!!!!!!!
ヤバくないですか?
大丈夫ですか?
この店の心配から日本の心配までしちゃって、酔うに酔えず、家に戻ると際に帰宅していた家族はだーれも私がさんざん飲んできたことに気づきませんでした(笑。
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