第31首:曲がり角 迷い間違え 遠回り おかげで楽しむ 新たな景色
私のまわりの方向音痴さん
昔、『話を聞かない男、地図の読めない女』という本がヒットしました。
初版が2002年。
20年以上前に読んだので内容はほとんど忘れてしまいましたが、男脳と女脳の特徴を面白く教えてくれる本だったと思います。自分は女なのですが、この本によるとだいぶ男性脳寄りだと思ったことを覚えています。
この『歌会始』の可愛いイラストを描いてくれているtwomoonsさんは、この本のタイトル通り地図が読めないし方向音痴。なんども行ったことがある場所でも、待ち合わせ場所をちょっと変えるだけで迷うし、一緒に歩いていても、なぜか目的地の反対方向の道を選ぼうとする…。だから、いつも「そっちと思った反対を行くといいかも」と笑いながら話します。そんな彼女は、自分の特性を理解しているので、いつ、どこで迷ってもいいように、いつも時間に余裕をもって行動します。
迷ったほうがいいこともある
一方、男性脳寄りの私は、道に迷うということがめったにありません。ふつうに生活していればまずは間違えない。理屈で方角を理解するというよりもランドマーク的な物の位置づけを体で把握しているので、自然と方角が解る感じです。しかも、視覚優位の脳なので、一回行ったことがある場所は写真を撮ったように景色を覚えてしまう…。
だから、待ち合わせの時間に道に迷うための時間を入れるという考えはありません(笑)。自分が把握している道を行くだけ。私は、この自分の特性を効率的で合理的でラッキーだなぁと思っていました。
先日も、お互いに勝手知ったる街であろう新宿でtwomoonsさんと待ち合わせをしたのですが、想定通り彼女は道に迷いました。待ち合わせは駅ビル内。駅の出口から20mもないところ。そこでも迷うことができるのは、逆にすごい!と思ったのですが、彼女の話を聞くとなんだか面白そうです。
考えていたところとは全く違う改札に出てしまって、これは違うと思って、待ち合わせ場所の近くの改札を目指したということ。ただ、間違えた改札の周囲には見たことのないお店がたくさんあって…。
私には最初からありえないシチュエーションです。目的の改札口が解っているなら、そこに最も近い車両に乗るのですから(笑)。
彼女の道に迷った話は、大変だなぁ…というより、とにかく面白い。
「方向音痴っていいなぁ…」と思えてきたのです。
迷ったほうが、いろんなことを知ることが出来るチャンスに溢れている!のですから。
迷わず、すんなり行けちゃうと、知り尽くしている景色しか見ることがありません。じっくり見たり、探したりすることがありません。
迷ったほうが、新しい発見が多いのです!
道には迷わないが人生は方向音痴
彼女の道に迷った話を聞きながら思ったんです。
私は方向音痴ではないけれど、人生は迷い道くねくね~だなぁ…と。そのおかげで、飽きることなく刺激的で、痛い目にも遭うけれど面白い人生を過ごしているのかもしれない。
そう思ったら、
方向音痴、万歳~!!!!
と両手を上げたくなりました。
デジタル化で合理性が追求されている世の中だからこそ、自分の人生は迷いや間違いがあって上等!なんだと(負け惜しみじゃないですよ~)、思いました。迷わないと、間違えないと想定外の新しい景色を見ることができないのですから。
確実性の高いツールに頼るのもいいですが、人生を面白くしたいなら、自分の中に在る感覚にしたがって生きるって面白いです。
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