『新生児発熱(息子)』のおはなし
前回は息子を出産した時のことを書きましたので、今回はその直後に起きたことを書いていこうと思います。
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息子が生まれて10日ほど経ったある日の明け方。
私と夫は息子の異変に気付きました。
顔が赤黒い。
体温を測ると、なんと39.6℃。
えっ、新生児って熱は出さないんじゃなかったの・・・!!?
慌てて息子が生まれた病院に電話して、すぐに連れていくことになりました。
朝の4時頃のことだったと思います。
病院に到着し、すぐに検温。
やはり40℃近くの熱がある。
「診察しますので、お父さんお母さんは外でお待ちください。」
看護師さんにそう言われ、私と夫は診察室の外へ。
誰もいない、薄暗くて静かな廊下でただひたすら待ちました。
とても果てしない時間のように感じられました。
しばらくして、息子の泣き声。
そして・・・。
・・・先生と看護師さんの笑い声・・・???
何があったの・・・息子はどうなってるの・・・???
不安になって状況を聞きにいこうとしたら、
「お入りください」と促されました。
中に入ると、息子は「ひえ~、ひえ~」と泣いています。
あ、これ、お腹が空いた時の泣き方だ・・・。
「お腹が空いたって主張してるから、すぐにどうこうなるわけではないと思います。熱はあるけど、元気はあるようです。」
と先生。
「ひえ~」というのはお腹が空いた時の泣き方であることを説明したら、看護師さんも「やっぱり!!」と納得の様子。
息子は泣きながら口をパクパクしていたそうです。
高熱を出しているのに「おなかすいた!!」と主張する息子を見て、可愛くてたまらずに笑ってしまった・・・というのが、先ほどの笑い声の理由だったそうな。
とはいえ、新生児が発熱するのは問題なので、そのまま入院することになりました。
小児科病棟への移動中、看護師さんが励ましてくださいました。
「こんなにわかりやすく『お腹空いた!!』と泣く子は初めてみました(笑)。
不安かもしれないけど、元気がある子だからきっと大丈夫ですよ。」
エレベーターの中。
相変わらず顔が赤黒い息子を抱っこしたまま私は夫と顔を見合わせて、そしてお互いに少しだけホッとしたのを覚えています。
入院手続きをして、ベッドにいる息子。
顔はまっかっか。
この時点でまだ熱は40℃近くありました。
この日の午前中から検査を始めるとのことで、私たちは一旦帰宅して、面会時間にまた来ることになりました。
ついこの間、やっと生まれてきてくれた息子。
またすぐに離れ離れになってしまうなんて・・・。
泣きそうになりながら病院を後にしました。
数日間検査を繰り返し、息子の腕にはたくさんの包帯が巻かれました。
痛々しい姿。
面会に行くたびに胸が締め付けられる思いでした。
幸いにも熱は比較的早くに下がり、届けていた搾乳とミルクもよく飲んでいる・・・というより、「たりない、もっと!!」と激しく訴えていたそうで、追加するミルクの上限量が息子に限り「気にしなくていい」になったと看護師さんに知らされました。
搾乳だけではとても足りず、ミルクをガンガン飲んで機嫌良く過ごしていたようです。
面会時間外に電話で問い合わせをした時には、「たいへんリラックスして過ごされていますよ」と言われて笑ってしまいました(笑)。
(思えばこの頃から息子は自分の主張がしっかりあって、言葉が操れないだけで、ちゃんと大人に訴えかけていたんだなと思います。)
検査の結果、疑われるものが2つあがってきました。
ひとつは、『GBS』。
GBSは常在菌です。
普段は特に問題ありませんが、産道を通って生まれてくる赤ちゃんに感染した場合には感染症を引き起こすこともあるので、抗生剤を投与しながらの出産になります。
健診時に私がGBS陽性と出ていたので、点滴をしながらの分娩となりました。
もうひとつは、『尿路感染症』。
尿道から最近が侵入し、細菌感染を起こしたのでは・・・というもの。
ただしどちらも「これが原因です」と断定するには出てきた数値が低いらしく、もしかしたらたまたまその2つが組み合わさって悪さをしたのではないか・・・というのが先生の見解でした。
なんにしてももう少し様子を見るために、しばらく入院生活が続くことになりました。
毎日搾乳を届け、出来る限り夫も一緒に面会時間を過ごしました。
小さな体で頑張る息子。
だっこして、おっぱいを飲ませて、たくさん話しかけて。
家族で過ごす場所は家ではなく病院でしたが、息子と一緒にいられる時間はとても幸せでした。
点滴をしていたので、人相が変わるほど浮腫が出ていました。
立派な二重顎です。
「えっ、この子本当にうちの子・・・?」と思ったほど。
たくさん水分をとっているのだから、そりゃそうですよね。
それからもいろいろな検査を繰り返し、息子が退院できたのは12月上旬のこと。
クリスマスが近づいていたので、トナカイスーツで。
こうして、息子は元気になって帰ってきました。
入院した時よりも大きくなって。
結果的に原因の特定には至りませんでしたが、その後同じような症状がでることはなく、息子は現在4歳。
妹の誕生を待つ、立派なお兄ちゃんになっています。
生まれてたった10日でぶつかった、最初の大きな壁。
病院のスタッフさんたちのお力をお借りして、家族になったばかりの私たちはなんとか乗り越えることが出来ました。
『新生児発熱』。
こういうものもあるのだということを、皆様にも知っていただけたらと思います。
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