ベジータの生え際
ハゲにはなりたくない。
とりわけ、汚いハゲにはなりたくない。
汚いハゲってどんなのだろうか。
バーコードハゲ
終わってる。私の担任がそうだった。ふわふわと頼りなく、歩けばたちまち抜け落ちていきそうだ。そのせいかは分からないが、その担任はいつも歩くのが遅く、下校時のホームルームは決まって他クラスより遅れていた。
てっぺんハゲ
バーコードに比べればマシであるが、これはこれでキツい。バーコードは本人が「ハゲてますでしょう?」と思えるだけましだが、てっぺんの場合、相手よりも高い位置にいるとすぐには気づかれない。
てっぺんハゲが社長だった場合、入社式でどんなに素晴らしいスピーチをして、新入社員が「一生この人についていこう!」と思ったところで、最後のお辞儀でハゲがバレた時点でほぼ全ての社員が退職を決意する。三年離職率はすごいことになりそうだ。
スキンヘッド
ベスト。ブルース・ウィルスやドウェイン・ジョンソンなど、ハリウッドにはスキンヘッドのカッコいい俳優も多い。仮に彼らがバーコードだった場合、人ならざる扱いを受けていただろう。日本の一般人だとそうもいかないが、他のハゲよりは第三者から見ても扱いやすい。バーコードもてっぺんも、ハゲを隠さんと する意思が見え隠れして、どうにもいじりにくい。一番「ハゲとるやないかーーーい!」と言いながらひっぱたきやすいのはスキンヘッドである。手に抜けた髪がベタベタと付くこともない。
こんな無意味なことを延々考えてしまうほどに、男はハゲを恐れている。命よりも毛だ。
昔、私の髪の生え際を見た友人が「ベジータだ!」と言ったことがある。
友人曰く、ベジータはM字ハゲとして有名らしい。ドラゴンボール。あの戦闘あり、笑いあり、涙ありの名作を見ている視聴者の多くが「ベジータの生え際」に注目していたとは思わなかった。それに、私の生え際は富士額である。
うせやろ……。
ワイ、女やったんか……。
うせやろ……。
ワイ、美人やったんか……。
まぁ、それは、やったね。
私が生まれついての美女だったことが証明されたので、ここらで終わりにしたいと思う。
ヘアケアには気を使おう!
空白を埋めるにゃ!