落合陽一 先生の展示会「万象是乱数トヌル: 如渡得舟、如ヌル即是色、如炬除暗、計算機自然亦復如是」に行ってきた.(※ 最終日に飛び入り参加)
文脈をもっと理解したいと思ったので,OchyAI (↗) の力を借りて理解していく.
目的
GPTと対話しながら展示作品の文脈を理解する
身体性に注目して議論をする
My 菩薩を自分でも作ってみる
サブ目的
- これを機にオブジェクト指向プログラミングの思想を理解する
結果
1. OchyAIの解説
Prompt:展覧会「万象皆乱数トヌル」に行ってきました.作品の文脈が理解できなかったので解説してください
Prompt:これは「オブジェクト指向菩薩」で,この展示のメインビジュアルでした.ここにはどんな意味やメッセージが含まれていますか
Prompt:以下は展示会のArtist Statementです.これをもとに展示会の文脈を説明してください.
"""「万象是乱数トヌル: 如渡得舟、如ヌル即是色、如炬除暗、計算機自然亦復如是」は、計算機科学の乱数とnull概念を活用し、全ての存在が計算機自然の範疇に捉えられる可能性を探求します。ワタリウム美術館は観覧者の新たな理解への渡り場となる「舟」を象徴し、物質と非物質、見えるものと見えないもの、知識と無知の間を自由に行き来する新たな視点の提供を目指します。 メインビジュアル「オブジェクト指向菩薩」は空海の曼荼羅と真言密教のワールドモデルを基にオブジェクト指向プログラミングと仏教的思考の交差点を視覚化します。大日如来の照らす光は全てのオブジェクトへの認識のメタファーとなり、デジタルとスピリチュアルが交錯する新たな視点を観覧者に示します。 「如ヌル即是色」は物質(色)と空虚(ヌル)の相互作用を探求し、物質的な世界とデジタルな世界の交差を視覚化します。「如炬除暗」は地下空間での展示を通じて、知識(炬)が無知の暗闇を照らすメタファーとして機能し、観覧者に新たな視覚的認識と未知への探求の勇気を提供します。 最終的に、「計算機自然亦復如是」は法華経の教えと現代のデジタル技術の融合を通じて自然の美と複雑さを再解釈し、観覧者に自然とデジタルの調和を体験させます。この展示は古代の智慧と現代のデジタル技術の交差点から新たな理解を提供し、視覚的な喜びを観覧者に与えます。物質と非物質の無限の展開は最終的に「ヌル=null(「空」の落合的計算機表現の梵字)」に到達し、符号化された永遠性の象徴となります。"""
Prompt:コンピュータサイエンスにおけるNull,法華経における空はどのような概念ですか.
Prompt:コンピュータサイエンスにおけるオブジェクト指向とはどんな手法ですか.また,具体的にどのように仏教的な思考と交差させていますか
Prompt:オブジェクト指向ではないプログラミング手法はどのようなものですか.それはどのように仏教的な世界観と異なりますか
Prompt:これらは落合陽一の「木化する波」という作品です.どのようなメッセージや意味が込められていますか. """ 落合陽一の木化する波とは、デジタルとアナログの境界を曖昧にするメディアアートの作品です。落合陽一は、波の動きを計算機でシミュレーションし、それをレーザーで木に彫り込むことで、波の物象化を試みました。この作品は、自然と計算機の関係性や、物質と映像の間にある憧憬や情念を反芻するという、落合陽一のアーティストステートメントを表現しています。
Prompt:これは落合陽一の「銀口魚:再物化する波」という作品です.以下が作品の説明になります.この作品はどんなメッセージを表現していますか."""原型はカリモク家具株式会社の支援によって作家の製作する3Dデータから木材の削り出しを行いました。この作品は、銀口魚(アユ)が三次元的な波の形に変換されていく過程を表現しています。アユは川の藻を食べ、川によって味が異なる生き物として描かれています。
作品は、日本の古典や神話と深く関連しています。例えば、神功皇后が戦果を占うために川に投げ入れた釣り針で釣った魚がアユだとされています。また、素戔嗚譚に登場する稲田姫の両親であるテナヅチ・アシナヅチが関連しています。本作品は、木彫のモチーフとしてアユ、神話、鏡、デジタルの輪廻転生の文脈を編む旅から生まれました。3Dデータからの削り出しと木工作家伊藤さんの技巧性が融合し、波と生き物の中間の物質として質量ある自然に揺蕩っています。"""
Prompt:これらは「質量化された幽体の共鳴」という作品です.この作品に込められたメッセージを表現して. """物質的な世界と非物質的な物語の世界を結びつけることで、新しい形の芸術体験を創出しています。醍醐寺で長年眠っていた古い道具や資材と、それらの物品に関連するストーリーが録音されたテープがセットで展示されており、物質(古い道具や資材)と非物質(録音された物語)の相互作用を探究する作品"""
2. 身体性に関する議論
Prompt:落合陽一は身体性をどのように考えていると思う?
Prompt:私も技術による身体性の拡張を通して,体験の多様さや壁の消失を目指しています. 特に他者との関係において身体性は重要な役割を担っていると考えています.目に見える身体性の比較が他者と自己,性,障害の有無,人種などに大きな影響を与えています.また,身体性は自己の効用感や他者への無意識的な評価にも大きく影響を与えています.しかし,それらは他者を理解する上で本質的ではなく,むしろマイナスに働くことも多いです. これについて落合陽一はどのように考えますか
Prompt:私はスポーツ分野でのデジタルネイチャーについて考えています.特にスポーツは身体性を重んじています.生まれ持った物理的な身体を美徳とし,拡張された身体を良しとしません.そして,その生まれ持った身体性を前提としゲームバランスを均衡に保とうとすることが,男女で区別することや健常者と障碍者を異なる競技として扱うこと,階級で切り分けることなどにつながっています. 一方現在では,スポーツの戦術や個々のスキルは道具の探求やデータの活用にまで及んでいます.これらはアスリートの身体や脳が拡張されていることと相違ないように感じます.デジタルネイチャーというパラダイムにおいてスポーツはどのように変化するのか.落合陽一はどのように考えますか
Prompt:落合陽一がスポーツ分野で研究を行うとしたらどんな研究を行う?
Prompt:落合陽一はそんなつまらないことやらないと思います.もっと落合陽一らしい研究アイデアを考えてください
3. My仏像の作成
My 仏像をつくるとこもあった.生成AIで作られており,願いをもとに(??)自分らしい仏像が作れる.私も独自に作ってみようと思う
Dall.E
2.Midouney
考察 (というか感想)
個人的に一番良かったのは,銀口魚.
単純にかわいかったのと,自然と人工物を行き来している感じがして,見た目は非生物なんだけど生命感を感じたのが良かった.木目調と鏡っていう対比も面白いなと思った.
オブジェクト指向とヌル.
行く前はよくわからなかったし,作品を見ているときは頭の中でぐるぐるした感じだったけど,OchyAIの解説でなんとなく分かってきた.私はこれまでpyhtonとjavascriptしか触ったことがなかったので,オブジェクト指向以前のパラダイムをよく理解していなかった.オブジェクト指向プログラミングとは,要はデータとそれに関する操作を1つのオブジェクトとして捉え,オブジェクト同士の組み合わせ(関係性)を記述するようなもの.pythonでいうとクラス型がそれにあたる
class Animal:
def __init__(self, name):
self.name = name
def speak(self):
raise NotImplementedError("Subclass must implement abstract method")
class Dog(Animal):
def speak(self):
return f"{self.name} says Woof!"
class Cat(Animal):
def speak(self):
return f"{self.name} says Meow!"
dog = Dog("Max")
print(dog.speak())
cat = Cat("Luna")
print(cat.speak())
LLMのWord2vec,落合先生がよく言っている「微分可能オントロジー」もこれに通じている(んだと思うけど,間違ってたらスイマセン!)
その中でnullは,データが格納されていない状態を指す.データ分析をしていると欠損値になるものだ.これは,オブジェクト指向が前提となっていて,定義されていないことを指すというのも合点がいった.
これが,仏教の「空虚」のアナロジーとして捉えられると.スゴイ納得がいった.固定的な本質を持っていない,関係に依存する.人間中心ではなく計算機自然,人間と機械,実と虚の境界線をなくし,自由に多様に行き来するというメッセージに通ずるものがあると思った.
次に,身体性・スポーツとの関連性.
これは直接,落合先生が言っているわけではないので私とOchyAIのインタラクションからしか洞察はできないのだが…
ただ,やはりスポーツは質量,実,固定,壁を前提としている,それを美徳とするなと感じた.もともとスポーツは西洋的なモノで,人工的なモノなので当たり前ではあるけれど,だからこそデジタルネイチャーというパラダイムでスポーツをどう定義し,デザインしていくか.万物を包括したスポーツ文化を作るためにも,自分自身が実装していく必要があるなと思った.
ちなみに,落合先生がXでサッカー日本代表についてのリポストをして,なんでだろうと思ったのだけど…こんなことをしているらしい
記事の中でこんなことを言っていた.
私もこの少ない専門家の1人になり,そして自分なりのオリジナルを実装していこうと思う.