【#metoo編】2018年ニュース総集編
2017年終盤にはじまった「#metoo」の波は、2018年を代表するトピックとして君臨し続けた。毎日、次から次へと新しいニュースが飛び出しては増殖し、問題は雪だるま式に深刻化。身体中に回った毒を絞り出すだけでは足りず、徹底的なクレンジングまでが期待されたのは、今年前半でのことだった。
しかし、モーガン・フリーマンやジョージ・タケイら個別の事件にも見られるように、行き過ぎた追求への揺り戻し効果も少なからず開始。ハーヴィー・ワインスタインの行為を告発した女性のひとりであるアジア・アルジェント自身も、「若い男性へのセクシャル・ハラスメントにまつわる問題を金で解決させた」というニュースが報じられるなど、「#metoo」の危うい一面に対して警鐘が鳴らされたことも忘れてはならない。
といっても、ワインスタインのみならずジョン・ラセターやケビン・スペイシーら業界の大家ともいうべき人物たちに、はじめて裁きが下ることになった「#metoo」運動の功績は明らかだろう。
作用こそ、バランスの源。
勢いあって、初めて自転車は走る。
総集編の中でもとびきり長いニュース記事のラインナップを、とくとご覧あれ。見逃した記事にも目を通してみるといいだろう。
関連記事:
「冷蔵庫に押し込まれる女性たち」の闇
(掲載:mofi 第209号 2018/06/11)
1月−3月
■ 俳優マーク・ウォルバーグ、Time’sUp基金に$1.5Mを寄付へ
セクハラ問題によりケヴィン・スペイシーに代わってクリストファー・プラマーを起用し登場シーンを全編再撮影した話題の映画 “All the Money in the World” において、共演者どうしの給与格差が問題となった本件で、ウォルバーグが再撮影のギャランティを全額寄付すると発表。給与の男女格差問題は依然として平等が達成を待たれる。(M)
■ 『トゥルーライズ』スタントマン 12歳出演女優への性的暴行明らかに
これまでのハラスメントの事例とは異なり、ハリウッドにはびこる未成年への性的暴行にも踏み込まれた初の事例か。おぞましい話題が続く。(M)
■ ジェームズ・フランコ、5人の女性からセクシャル・ハラスメントを追及
フランコ氏主宰のアクティング・スクールの元教え子を含む女性5人からの追及。(M)
■ 『マスター・オブ・ゼロ』アジズ・アンサリ、ハラスメント疑惑に声明
好感度が高いキャラクターで人気を博していた人物であるだけに、この問題の根深さをただただ感じさせられる。同意の有無を読み違えるのは苦しい言い訳にしか見えない。(M)
■ 女優カトリーヌ・ドヌーヴ、#metoo の動きの極端さに対し批判
本件は世界的に炎上し、のちに謝罪のコメントが出たかたちでいちおうの収束をみている。(M)
■ 「女性の行進」今年もロサンゼルスで開催 ハリウッド女優らも演説
都市部での局地的な活動であること、そして不確定要素の少ない平和的な行進であることから、注目度がその他のバカバカしいニュースよりも低いと言われている。この意義深いデモは深く心に刻むべきだ。(O)
■ D・ファローがTVインタビュー初出演 W・アレンの性的虐待体験を語る
「同じ話を20年間訴えてきた。そして業界から組織的に黙殺されてきた」。年貢の納め時か、アレン御大。まさにTime’s Upというやつかもしれない。(O)
■ ワインスタイン製作三作が公開未定に 「最強のふたり」リメイク作など
ハイ・プロファイルな三作品が今年のスレートからいずれも除外、公開未定に。この時勢で公開することの悪影響を考慮してのことと想像。だとすれば、無難だ。(O)
■ 『アントラージュ 俺たちのハリウッド』J・ピヴェンに告発者3人追加
表題のドラマで演じた “Ari Gold” の激しい役柄を知る人からすると、さもありなんとも思われる事例だが、本人は法的措置に出るとも言っており、真実は藪の中。(M)
■ C・アフレック、今年のアカデミー賞の最優秀女優賞プレゼンター辞退
プレゼンターを行わないということは、かかっている容疑を認める形になるようにも思える。意図や思惑はさまざまだろう。(M)
■ 「運転しろ」と脅したタランティーノ Y・サーマンが明かす撮影現場
スタントマンを要する撮影シーンで、サーマン本人に林道を時速65kmで運転する要求したタランティーノ監督。サーマンは砂道にタイヤを滑らせ、膝と頭部に怪我を負う事故に巻き込まれた。この一件のみならず、ワインスタインによる相変わらずのセクハラ暴行も明らかに。訴訟が検討されている。実際の事故動画は、YouTubeで視聴可能。(O)
■ 『ビル&テッド』俳優A・ウィンター 子役時代の性暴力被害を告白
加害者の男性は他界しているが、#MeToo運動が起こってからはじめて明かすことができるようになった、という。ウィンターは現在、音楽家フランク・ザッパを題材にしたドキュメンタリーを監督することになっている。(O)
■ ウディ・アレン最新作が最速公開のフランスで不調 配給元は監督を擁護
いく年ものあいだ問題になっていた、アレンによるディラン・ファローへの児童性的虐待疑惑が、いまになって真剣に取り上げられはじめている。いまとなっては水掛け論にしかならないが、彼の映画が平気で公開される世の中であってはいけないのかもしれない。(O)
■ タランティーノ監督、ユマ・サーマンのNYタイムズ記事の真相語る
ユマ・サーマンの記事に対するタランティーノ氏の「弁明」。もともとサーマンの事故動画の獲得に尽力した人物であった彼の言い分も真実味を帯びており、NYタイムズ紙の仕切り方の問題にも思われてくるが、真相はいかに。(M)
■ ワインスタイン、M・ストリープとJ・ローレンスに謝罪 訴状での名前借用
「セクハラされなかったとは言ったが、セクハラされた女性たちに対する逃げ口上に名前を使って良いとは言っていない」とストリープ。ごもっとも。謝罪は妥当。(O)
■ 米テレビジョン・アカデミーが組合倫理規定を改訂
同組合はアメリカのその他の主要組合たちと共同で、セクシャル・ハラスメントおよび多様性の推進に焦点を据えた新たな委員会への参加も表明。事態は着々と進展している。(O)
■ ワインスタイン・カンパニー、破産宣告
いよいよ、といったところか。(M)
4月−6月
■ 給与の男女差、各社公開 ディズニーUKは男性が女性の22%高い水準
1600人弱の被雇用者たちのうち、男性の方が女性より平均22%、中央値で15.8%高い給与を受け取っている。ボーナスとなると差はさらに開き、平均41.9%、中央値で14.4%の違いがある。差別撤廃への道のりは長い。(O)
■ 給与の男女差報告、アマゾンVideo UKでも発表 差は歴然
ストリーミング・サービスではアマゾンが初めてデータを発表し快挙。だが数字は芳しくない。ディズニーUKよりも開きのある数字で、男性被雇用者の方が平均で56%、中央値で40.1%もの差。いったい何を言い訳にしてこれだけ差をつけられるのか謎。(O)
■ ワインスタイン・カンパニー 事業再生手続きの入札日延期
公開入札は予定よりも2日遅い5月4日に実施されることに。現状、ストーキングホースであるランターン・キャピタルは同社を$310Mで買い取る取り決めを、違約金$14Mの値札付きで交わしている。公開入札日での参戦に興味を示しているのは23社ほどいると言われているが、果たして最高値を提示するのは誰か。(O)
■ J・J・エイブラムス、『スター・ウォーズ』第二撮影班に女性監督を起用
女性であるのみならず、アフリカ系アメリカ人であるヴィクトリア・マホーニーを採用した。第二撮影班とはいえ、マイノリティに属す女性を監督に据えたことは快挙。とはいえ、アヴァ・デュヴァーネイから発表がなされたことも含め、今回の報道は明らかにパフォーマンス感が目立つ。ジョン・ファヴローが同フランチャイズ新作の監督に就任したことへの騒動も響いているのは想像に難くない。(O)
■ 多様性推す「インクルージョン・ライダー」運動、大手は腰重く
キャスティングをはじめとした映像製作の契約書に、多人種および女性の起用を数値的に義務化する条項を盛り込む「インクルージョン・ライダー」という考え方を広めたのは、昨年のアカデミー賞受賞者のフランシス・マクドーマンドだった。彼女のおかげで、同概念は認知度を一気に高めたわけだが、賛同するスタジオはまだまだ少ない。大手の腰の重さが、同運動にブレーキを起こしかねない状況に陥っているようだ。(O)
■ 米女優アリソン・マック 性的人身売買の疑いで逮捕
テレビドラマ「ヤング・スーパーマン」のレギュラーとして活躍した同女優の逮捕は、Keith Reniereというビジネスマンが代表を務める「女性のサポートとメンターシップ」を名乗る団体「Nxivm」への勧誘を行っていたことによるもの。発音の仕方すらわからない同団体は実はカルト集団で、入団した女性は性労働に従事させられていたそう。サイエントロジーも紙一重に思えてくる。(O)
■ ロマン・ポランスキー、ビル・コスビー、アカデミーから追放
当然の帰結といえば、そうだろう。(M)
■ レッドカーペットで女優ら82名が腕を組み行進 カンヌでの差別を批判
71年におよぶカンヌ国際映画祭の歴史で、女性アーティストの作品が選出されたのはたった82本。残り1,688本は男性アーティストによるものだと言うのだから、その差は極端だ。ケイト・ブランシェット、アヴァ・デュヴァーネイ、そして女性としては数少ないパルム・ドール受賞者のアグネス・ヴァルダらが先陣を切った。しかし諸々の報道から鑑みるに、カンヌの遅れようも甚だしい。運営側が時代についていっているのか、怪しいところだ。(O)
■ H・ワインスタインの元アシスタント、独占インタビュー@カンヌ
昨年12月、TWCの元職員として初めて、秘匿契約(NDA)を破りワインスタインとの体験について証言したゼルダ・パーキンス。彼女がNDAを反故にするという前例を作ったにも関わらず、元TWCの従業員でパーキンスに続く者はいなかったことが興味深い。合わせて、「The language of law is masculine. It has historically been written by men for men.」という文句も象徴的なインタビューだ。(O)
■ リュック・ベッソン監督に性的暴行の容疑
『TAXi』シリーズ、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』の監督が、27歳のフランス人女優による匿名の告発で性的暴行疑惑が浮上している。もはや、誰も信じることができない状況と言えよう。(M)
■ ワインスタインついに逮捕も当日中に仮釈放 保釈金は約1億円
初公判時の様子を描いた法廷画家の絵がネット上で急に注目されるなど、騒動の余波は大きい。自身の身の上について「すべてのカタがついたら」この一件についての「ドキュメンタリーを製作しよう」という話を業界の誰かに話しているらしい。まさにロバート・アルトマン監督作『ザ・プレイヤー』状態だ。(O)
■ モーガン・フリーマンにセクハラ疑惑 女性8人の告発に反論
8人の女性がモーガン・フリーマンに「居心地の悪い思いをさせられた」と告発。フリーマンは一度目の声明で謝罪したのち、二度目の公式声明で「不愉快な思いをしたすべての方に謝罪する」とした上で「私は女性に性的虐待をはたらいた覚えはない」と名言。「#MeToo」は本当に難しい。 (O)
■ G・タケイ糾弾男性 TV番組で証言を訂正「精神的苦痛は抱かなかった」
30年前にジョージ・タケイにセクハラされたと名乗り出た男性が、TVでのインタビューで証言を和らげた。曰く「コーヒーを交えた打ち合わせに行ったと言ったが、あれは嘘」「彼とのやりとりで精神的な苦痛はなく、心に傷は受けなかった」「それでも不快な思いをしたことは変わらない。謝罪を求める」。こういう話が出てくるから、#MeTooも#TimesUpも勢いを失わないよう慎重に進める必要がある。(O)
■ H・ワインスタイン、NY州マンハッタンにて起訴 複数の強姦容疑で強姦容疑で1件、そしてオーラルセックス強要の容疑で1件。80件以上の同等の事件について糾弾されているワインスタインであることを思えば、まだまだこれからというところだろう。(O)
■ ピクサーのジョン・ラセター氏 セクハラ問題をうけ年内に辞職へ
ピクサーのクリエイティブを率いてきたトップの、あまりにあっけない幕切れを、決して残念には思えない。本件をとりあげた日本のメディアの記事で「不適切なハグ」「不快なハグ」という日本語訳を目にするが、よほど恐ろしいハグをされたのだろう。想像するだけでホラーである。(M)
■ ハーヴィー・ワインスタインの契約書内容明らかに
ワインスタイン・カンパニーの破産をめぐる裁判で、一連の書類の中にワインスタイン氏本人の雇用契約が含まれていた模様。取り上げるか迷うが、希少な資料であることは確かだ。(M)
■ ピクサー、J・ラセターの後継ににP・ドクター、J・リーを任命
『アナと雪の女王』監督を起用するところが特筆される。ジョン・ラセターの残してしまった「イメージ」を、男女一人ずつの起用で払拭できるか。来年以降のピクサースタジオの真価が問われるが、この人事には各方面も納得するのではないか。(M)
4月−6月
■ H・ワインスタイン、性犯罪に関する複数の追加訴状で提訴される
出てくる膿はとどまるところを知らない。(M)
■ ロビン・ライト、『ハウス・オブ・カード』共演者K・スペイシーを語る
「仕事上のやりとりは極めてプロフェッショナルで、プライベートではやりとりはなかった」「(性暴力の一件を聞いたときは)驚いた」と、ケビン・スペイシーによるハラスメントについては認識していなかったとのこと。なお『ハウス・オブ・カード』の最終第6シーズンは5月に撮影を終えている。(M)
■ 女性レビュアーの少なさが女性アーティストの登場を阻害 研究示す
紙、ウェブ、そして放送媒体に登場する映画の批評家たちのうち、68%が男性だということを、サンディエゴ州立大学の教授が統計で明らかにした。この分布が、女性アーティストや女性を主人公に据えた作品の存在感を薄める危険性があるという。4,111本のレビューのうち、紙媒体では70%、ウェブ関係では69%もの割合で男性が紙面を埋めているのだそう。(O)
■ CBSのCEOレス・ムーンヴェス、女性6人からセクハラの告発受ける
ワインスタイン騒動が出た当初、声をあげて性暴力・セクハラの廃絶を主張していた張本人が告発されるかたちに。膿はまだ深く。(M)ワインスタイン騒動が出た当初、声をあげて性暴力・セクハラの廃絶を主張していた張本人が告発されるかたちに。膿はまだ深く。(M)
■ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』監督の復帰求める署名に17万人
騒動の発端は『ガーディアンズ〜』の監督であるジェームズ・ガン氏に対し、9年近く前に彼が発言した不謹慎な内容のジョークのツイートが米議員により掘り起こされ、炎上したことをうけ、ディズニーが予定していた同作3作品目にガン氏の起用を取りやめたことである。確かに内容を確認すると、ジョークとはいえ許容されないかもしれない。しかし、昔の発言を蒸し返されたことが現在の仕事にどこまで影響してよいものか、考えさせられる出来事だ。(M)
■ 「LOST/ロスト」プロデューサーら、E・リリーの告白に対し謝罪
リリーをスターダムへと押し上げたヒット・ドラマ内で、セミヌード撮影を強要されたという彼女。J・J・エイブラムスをはじめとしたプロデューサー陣が即座に謝罪文を発表した。(O)
■ K・ラッセル、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』監督降板に反発
無名のマーベル原作を大ヒット作へと導いたジェームズ・ガン監督が、10年前に児童性的虐待じみたジョークの数々をツイートしたことが発覚した一件。ディズニーはガンを『ガーディアンズ〜』続編から降板させたことが話題になったが、ラッセルを含むキャストやファンがその対応に反発している。ただこの事件は、極右志向の活動家の扇動が大きく絡んでいることも問題視されている。単純な話ではない。(O)
■ C・ハードウィック、女性虐待問題発覚も番組復帰 ネットワークが擁護
クロエ・ディクストラが、同氏(と思われる匿名の人物)との3年間の交際中、性的虐待を受けたと綴ったエッセイをめぐり、サンディエゴ・コミコンでの登壇なども中止となっていたハードウィック。ところがほとぼりが冷めたのか、NBCのAmeirica’s Got Talentでの出演確定が報じられるなど、復帰のステップが着々と整いはじめている。タレントによって、処遇は異なる。程度には差があるようだ。(O)
■ K・スペイシー主演映画、初週公開劇場たったの10館で$126の売り上げ
セクハラ問題で事実上の業界追放の憂き目に遭っているスター俳優、ケビン・スペイシー。そんな彼の共演作『Billionaire Boys Club』の製作を手がけたVertical Entertainmentは6月、彼にまつわる問題が勃発する2年以上も前に撮影された同作を「共演陣とスタッフの努力に配慮」して公開することを発表し、この週末、実際に上映開始した。しかし7月にはすでにストリーミングで視聴可能にしていた上に、公開館数も10館のみという弱気ぶり。その結果も...日本円にして1万円弱という、興行と呼べるかどうかも戸惑う数字。いろいろな意味で世知辛い。(O)
■ A・アルジェント、自身のセクハラ糾弾案件を隠蔽?
ケビン・スペイシーの一件が話題になったと思ったら...こちらは仰天のブーメラン的報道。たった数時間前の米時間の日曜午後にすっぱ抜かれたニュースで、NYTが初出しした。ハーヴェイ・ワインスタインによる長年のセクハラおよび性暴力強要を告発した女優のひとり、アジア・アルジェント本人が、当時17歳だった少年に対して行ったというセクハラ案件に対し、手切れ金を支払うことで隠蔽を行った、というもの。#metooの潮流が消し飛ぶような話ではないだろうが、確実に波紋と反発を呼び込む案件になるはず。米メディアの公平性を証明するような案件といえば、そうとも言えるわけだが...。しかし、こんな報道の応酬には陰謀が渦巻いていると思ってしまうのは、ドラマの見過ぎだろうか。(O)
■ ルーイ・C・Kがスタンダップ再来 セカンドチャンスは与えられるのか
セクハラで糾弾され、事実関係を全面的に認めたルーイが、9ヶ月ぶりにスタンタップに復帰したとのニュースが話題をさらっている。NYでの馴染みのクラブハウスで、予告なしに登壇した彼の行動には、賛否両論。しかし問題の一件にはひと言も触れず、何事もなく新ネタを披露したというあたり、微妙な印象が残る。会場は拍手喝采だったとのことだが…セクハラの加害者に再起のチャンスは与えられるのか。(O)
■ ワインスタイン騒動をアシスタント視点で描いた脚本、密かに出回る
#metoo騒動の映画化企画は現在判明分で3つ出ていたが、いよいよトロントで本格的にセールスをかけ製作段階に進められるだけのところまできている。アシスタント視点の企画がトロントで買い手を見つける段階、その他2企画の動向含め進捗が気になる作品となりそうだ。(M)
■ ビル・コスビー、過去の性暴力で3〜10年収監の実刑判決下る
ペンシルバニア州で判決が下り、州立刑務所で最低でも3年の服役が確定した。睡眠薬のような錠剤を飲ませ、眠った女性を襲ってきたとされるコスビー。同様の手口を指摘する女性たちが、彼を相手取って起こしている訴訟案件はこの一件に限らない。(O)
10月−12月
■ ワインスタイン裁判 6件の立件のうち1件を棄却 NY最高裁
残りの立件についても判決を延期するとのこと。ワインスタインにとっては少しの間命拾いした形だろうが、残りの件で刑は免れないだろう。(M)
■ テレビ番組における女性監督の起用率の上昇記録 全米監督協会調査
全テレビ番組のうち女性が監督をつとめる割合は昨年比+4ポイントの25%を記録した。この水準は5年前の2倍と、着実に男女の機会格差は埋められていることが伺える。マイノリティの監督も増加傾向にはあるものの依然として進歩は遅め。(M)
■ 女性監督が全米監督協会を批判 クレジット表記めぐる差別との指摘
The CWのドラマ「Crazy Ex-Girlfriend」のAudrey Wauchope監督が、共同監督としてRachel Spectorの名を表記したいとの申請をしたところ、監督協会がこれを棄却。「コーエン兄弟」や「ルッソ兄弟」「ダッファー兄弟」などの併記は可能なのに、なぜ女性同士の併記はだめなのか? 協会のクレジット表記に対する厳しい保護意識は有名だが、今回の一件が女性差別によるものかどうかは定かでない。(O)
■ ニール・ドグラース・タイソン 3件のセクハラ糾弾に対して返答
天体物理学者として数々のテレビ番組に出演し、アメリカで絶大な人気を誇るタイソンが、このほど三人の女性からセクハラの糾弾を受けた。これに対し、タイソンはフェイスブックで長文の声明文を公開。全文を読むと、彼の人となりがわかるだけでなく、本人が第三者機関による調査を前向きに受け入れるつもりであることを打ち明けている。これは公正な検証で結論を出すのが筋。(O)
■ ケヴィン・ハート、2019年アカデミー賞司会を降板へ
打って変わってアカデミー賞では、これまた「読み違い」事件以来のスキャンダル?が発生。内容は、司会予定であったコメディアンの10年前の同性愛者差別的発言。これが掘り起こされ「炎上」。謝罪を求められるも抵抗した本人だが、このような結末に。過去のあやまちをどこまで遡って精算するか? 『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』の監督降板劇との共通点を考えさせられる。(M)
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