田舎の片隅で、愛は叫ばないが、とぼとぼ、夜明けの道をひとり放浪する。
タイトルとは、関係ない話からになるが、
6月は家族の体調不良に一喜一憂する1ヶ月だった。7月になったが、その余波かまだありそうな予感がして、常に頭の片隅にある。
子ども達が、何度も発熱と下熱を繰り返して、4月から転職した職場にも早々に、休みを何度ももらった始末だ。それがやっと落ち着いたと見せかけて、娘の手足口病に続いて、息子は授業中に発熱。幸いにも、どちらも軽症で早期に回復。そう信じたい。
外野からの「親の都合優先の生活の代償」と揶揄される事には、もう怒る気も失せる。
タイトルの話。
子ども達の体調不良で仕事を休んだ日。とは言っても、ほぼ回復していたので、親子3人で何もせずぼんやり1日を過ごした。
その夕刻、やる気のない私は、のらりくらりと夕飯のハンバーグを作る。そして、1本の電話から私のスイッチがやっと入る。
姑から、舅が帰宅してからの様子が良くないと。家に来てほしいと。最初は「それなら、救急車呼んで下さい」と伝えたものの、明日、旦那の実家に行く予定だったのと、第六感的なものが働いて、5分で支度を済ませて、旦那にハンバーグ作りと子ども達を任せて、電車に飛び乗った。
※なぜ、旦那ではなく私が行くは割愛。
1時間に1本しか電車がない路線に、運良く乗り継ぎ出来て、スイスイと旦那実家に到着。
舅は意識はしっかりしていたし、平熱。でも、血圧が高い。舅自身は横になってれば大丈夫だから放っといて、という感じ。
血圧が落ち着くのを待った。時間をおいて何度か計測し直したが、血圧が下がらない。流石におかしい。
22時半過ぎ、その状況を電話で旦那に伝える。そして、先に寝てもらった姑にも。二人共、明日に病院に連れて行こうと、眠気のせいもあって判断を渋る。
隣で見守る私の身になってほしい。
何かあってからでは遅い。舅の体の中で異変が起きていても、どれだけ側に居てもそれは私には見えない。
旦那と姑がやっと眠気から覚醒して、二人が電話でやりとりして、やっと救急へ電話。
と、その前に食べそこねていた夕飯をパパっと頂く。
救急車が来る前に、必要なものを姑に用意してもらう。そして、救急車到着。舅に付き添って救急車へ。ちょうど0時を過ぎていた。
搬送先での検査の結果は、脳内出血。
入院の手続きが終ったのが夜中3時過ぎ。
出際に、姑から「田舎だから、帰りのタクシーはないかも」と言われた事を思い出す。
スマホで近くのタクシー会社を検索して、電話するが、どこも営業時間外。
とりあえず、外に出てGoogleMapを頼りに近くのコンビニにたどり着く。そして、イートイン。まだ4時前。
タクシー会社も電車も朝7時近くにならないと稼働しない事実に直面。土地勘のない田舎にポツンと放り出された私。
眠気よりも、変なアドレナリンが出て、歩いていける距離に、マクドをGoogleMapで発見。
コンビニを出た。薄闇の夜明けの道を歩いて、マクドに到着。
しかし、なんと、ドライブスルーとテイクアウトしかしていないとの事。GoogleMapにも看板にも24時間営業って書いてあるのに、そんな事ってあるの。
GoogleMapでマクドを見つけた時に、徒歩30分先にネットカフェがあるのも見つけていた。長い道を真っ直ぐ歩けば分かる場所だったので、とにかく室内で座って寛ぎたい一心と、ここまで来たら放浪を楽しもうと、半ばヤケになった私は、30分の道のりをスタスタ歩いて20分でネットカフェへ到着。
そして、まさかの人生で初めてのネットカフェ利用。店員さんに説明と案内をお願いした。疲労困憊だったので、マッサージチェアの個室を選択。最高だった。
朝食に、無料のセルフサービスのトーストがあったので、欲張って2枚頂いた。
完全に眠気はなくなって、カラオケを楽しんだ。疲れてもあって声が出にくかったが、なんだかんだで、おひとり時間とネットカフェを2時間程楽しんだ。
朝の9時前に、旦那の実家に帰宅。
諸事情であちこちに電話しながら、10時過ぎにやっと仮眠。
そして、14時半には入院セットを持って、また病院に居た。
自宅に帰宅したのは、17時半。
姑や旦那、義妹にもお礼を言われた。
ベストを尽くせたかと思う。だから、
「私って、ほんま良い嫁やなと思う」
と、自分で言った。
旦那は「自分でそれ言ったら、台無しやで」と言う。じゃあ、もっと労いたまえ。
追伸、
旦那が動けない事には、何の怒りもないし、これが我が家のルールで私も納得しているところです。
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