ほっくんのぶっつけ本番1

本日から不定期で新たにエッセイを連載する事にした。
題して「ほっくんのぶっつけ本番」。
他のエッセイは書き貯めたモノを順次掲載していく形なのだがこちらでは読んで字の如く今まさに思っている事を下書きして見直す事もなくそのまま書いている。エッセイなうってヤツだ。ブログではない。

音楽の事も書くが飼っている蛇の事だったり大好きなラーメンの事だったり子育てや家族の事だったりとこちらでももちろん好きなように書かせていただく。
称賛が欲しいわけではないが、読んでいただける機会を少しでも設けるためにむやみやたらとハッシュタグを付けてはいるが、ハッシュタグを付けるという事はそのうちその内容についてここでも他の連載でも書くつもりではいるので、
たまに暇な時にでもチェックしておいてもらえると嬉しい。
ちなみに「ほっくん」とは昔の筆者のあだ名だ。ちょっと恥ずかしかったりするのであまり触れないで欲しい。それでは始めよう。

新型コロナウイルスの影響でライブはすべてキャンセルとなりアルバイトの仕事も無くなった。
私の妻の何とも男前過ぎる鶴の一声のおかげで、まだ赤ちゃんである娘をウイルスの感染から守るためにも無理に仕事を探さずもう1ヶ月以上家にこもって過ごしている。
無収入であるにも関わらずこんなに幸せな日々を過ごせているのは全て、今回に限らずいつも私を支えてくれている妻のおかげだ。

なので現在は生後半年も経たない娘の育児に夫婦で熱中している。子育てとは何とも面白く、毎日が発見の連続で素晴らしく充実した時間である。
独身の頃もずっとアルバイトをしながら音楽活動をしていたし、結婚してからも雇用形態を変えずにある程度の収入を得るためにあまり休みもない状態だったのでこれは予期せぬ育休なのだ。
思う存分娘の成長を間近で見る事が出来た。
とは言えさすがにもう二ヶ月目に差し掛かったこの生活も終わりにせねばならない。
世間も少しずつ落ち着きを取り戻してきているし、もちろんまだ油断は出来ないが感染リスクに十二分に配慮して、そろそろ仕事に出なければならない。

仕事が無い事に対してももちろん多少の焦りはあったのだが、
実を言うとそんな事よりも、全く曲が書けなくなってしまった事の方が数倍焦っている自分がいるのだ。そんな事と言ってしまうと怒られてしまうかもしれないが、ソングライターである筆者にとっては新しい歌が湧いてこないというのは死活問題なのだ。

私が書く歌は自分が体験した事を題材に構築していく内容が圧倒的に多い。
誰とあってどんな話をして、その時どんな景色だったか、何を思い何を感じていたか。そういった内容をそのままだったり比喩したりして書き上げていく。

しかし現在のこの世の中ではどこに行く事もなく新しい何かに直接触れる事がなくなる。家庭以外で定期的に行われるルーティンと呼べるモノがほとんど皆無に等しいのだ。
それに言い訳はしたくないが、世の中の子育てに追われるママさん達が自分の時間が無くなるとおっしゃっているのがよくわかる。子育てをしていると睡眠時間を削らないとまとまった時間を取る事はなかなかに難しい。

もちろん娘と妻とのふれあいの中での発見はたくさんあるにはあるのだが、
放送禁止とまでは言わないまでもそれなりに過激なワードを用いて作詞をする私にとって、そんな愛情溢れたのほほんとした曲がそういくつも書けるわけではないのだ。
あまりにも家族との時間にどっぷりつかり過ぎてついにこの間、
娘と一緒に風呂に入ってあやしながら鼻唄を歌っていたらまるで「みんなのうた」で流れてきそうなオリジナルソングが出来てしまった。
タイトルは「すっぽんぽんの歌」だ。NHKに連絡してEテレに売り付けてやろうかと思ったぐらいだ。なんて事だ。
そういった歌をうたってはいけないとは思っていないが、私のやっているのはロックバンドだ。正直御呼びでない。

家族との時間を濃密に過ごす事が出来ているのは大変喜ばしい事ではあるのだが、
やはりバンドマンたるもの外に出て経験してなんぼである。
飯を食えば糞が出るのと同じなのだから、インプットが無ければアウトプットもない。
バンドマンとして再起不能になってしまう前に、是非とも何らかの形でトロトロにふやけた脳ミソをビシッと刺激したいものである。
私の唯一のインプットは幼少期から愛読している少年ジャンプだけだ。

もう1つ。
何とか新しい仕事のアテが出来たので、おかげさまでそろそろ無職無収入の生活に終止符を打つ事が出来そうだ。
しかし二ヶ月近くもこんな生活をしていたので、どうしても働きたくないと心と体が悲鳴を上げている。愛する妻と娘と四六時中一緒にいたので、なんとしてもこの生活を続けたい一心だ。
寝る前に布団に潜り込み、なんとかして働かないまま月収50万ほど稼ぐ方法はないものかと考えている。ダメに決まっているであろう。
やはり人間、動いていないとダメになるのだと実感したステイホーム期間であった。
あぁ愛しき日々よ、サヨウナラ。私はそろそろ、現実世界へ帰るとしよう。

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