システムトレードとは
はじめに
株トレードについて今後何を書いていこうかと考えてみた前回の記事からあっという間に1ヶ月近く経ってしまいました。
もっと頻度を高くして記事を書こうと思っていたのですが、本業がなかなか忙しく、帰宅するとあっという間に眠くなってしまいます。
子供たちも夏休みだったので、ほぼワンオペ状態の嫁さんのサポートもできるだけしたい。子供たちの「夏休み」は、嫁さんにとっては「夏忙し」。
家族との時間も確保しながら、note記事の執筆時間を捻出するのはなかなか大変そうです。でも頑張ります。
当面の目標は株トレードシステムの検証結果の公表
前回の記事を書いたあと、やはり一番需要がありそうな部分から執筆していこうと思うようになったので、これまでに私が行った株トレードシステムの検証結果の公表を当面は目指すことにしました。
これまでの検証結果は、当時からある程度整理しており、誰かに見せるわけでは無いのですが、仕事柄なのか資料化していました。
でも、公にするとなると、改めてやったことを分かりやすく整理して、文章も丁寧に書き直す必要があるので、その作業を通して新たな発見があることを期待しています。
検証結果の説明に必要な前提知識
検証した株トレードシステムの内容と評価結果を説明するには、ある程度の前提となる知識が必要です。
それらが無いと、株トレードの経験が無い方には、おそらく非常に理解しづらい内容になってしまいます。
なので、まずはその前提となる知識から何回かに記事を分けてご紹介していきたいと思います。
この作業を通じて、私の頭の中もより整理されていくはずです。
今回はシステムトレードがどのようなトレードなのかをご紹介します。
システムトレーダ
トレーダのスタイルには、大きく分けて「裁量トレーダ」と「システムトレーダ」の2種類があります。
裁量トレーダは、自分の持つ情報・知識・経験を駆使して、その都度自分の裁量による柔軟な判断でトレードを行います。
システムトレーダは、あらかじめ自分で決めた「売買ルール」と「資金管理ルール」から構成されるトレードシステムに厳密に従ってトレードを行います。
そこに裁量や柔軟性はありません。
実行中のトレードシステムをやめると判断するまで厳密に従わなければいけません。
私はシステムトレーダです。
株トレードを始めたばかりの頃は、裁量トレーダでした。
裁量トレーダは、その都度自分で判断してトレードを行うので、いつでもトレードが始められます。
株式投資の入門書を読んで、証券会社に口座を作って、スマホにアプリを入れたら開始できます。
一方で、システムトレーダは、事前準備にとても手間がかかります。
トレードの際に厳密に従うことになる「売買ルール」と「資金管理ルール」を決める必要があるからです。
売買ルール
「売買ルール」は、日々の株の売買の指示を厳密に規定するものです。
「これらの条件に一致したら、この金額で買い注文を出す」のようなものです。
この売買ルールに従えば利益が出せる、と自分で強く信じられるものである必要があります。
なので、売買ルールを決める作業は、過去の株価データを用いたシミュレーションによって、様々な売買ルールの性能を検証し、良いものを探し出していく作業になります。
この作業によって、その売買ルールを強く信じられるようになるための裏付けが獲得できます。
これはとても大事なことです。
世の中には、売買ルールの検証やシステムトレードを比較的容易に行える便利なソフトウェアやオンラインサービスがあるようですが、私は使ったことはありません。
私は、そういうものをあまり信じられず、特定の企業やサービスに強く依存したくないという思いがあることに加えて、結構な費用がかかりそうでしたので、私の場合は、昔からプログラミングが好きということもあり、完全な自作プログラムでこれらを行っています。
自作のプログラムなので、やりたいことが自由自在にできる代わりに、手間と時間はかなり掛かりました。
私は、基本夜間しか作業時間が取れないので、2,3種類の売買ルールを一通り検証して結論を出すのに数か月かかることもあります。
また、多くの変数がある売買ルールの場合には、シミュレーションの計算自体に数日から1週間程かかる場合もあります。
しかも、いくつかの売買ルールを、多くの手間と時間をかけて検証しても、望ましい結果が得られない場合も多く、心が折れそうになることもあります。
資金管理ルール
「資金管理ルール」は、一度のトレードに資金のどれだけを割り当てるか、一度のトレードでどれだけのリスクを取るか、を決めるものです。
一度のトレードに資金を多く割り当てすぎると破産のリスクが上がりますが、少なすぎても資金がいつまで経っても増えません。
資金が増えなければトレードをやっている意味がありません。
自分にとって丁度よいバランスを見極める必要があります。
また、使用する売買ルールの特性も考慮する必要があります。
例えば、勝率が高く、一度の利益も大きいが、あまりトレード機会がやってこない売買ルールでは、資金の多めの割合を一度のトレードに割り当てることになります。
逆に勝率はそこそこで、一度の利益もそこそこだが、トレード機会がたくさんやってくるような売買ルールでは、同時に複数の株を所有することが多くなるため、一度のトレードには少なめの割合の資金を割り当てる必要が生じます。
なので、売買ルールを決めたら、その特性も踏まえて資金管理ルールを決めることになります。
単利と複利によるトレードシステムの評価
売買ルールの検証は、資金管理ルールが無くても行えますので、まずは売買ルールを決めることから始めます。この時は単利での検証となります。
単利とは、トレードで得た利益を次のトレードの投資資金に含めないことです。損失の場合も同じです。
なので、一度のトレードに割り当てる金額はシミュレーションの最初から最後まで変わりません。
複利の場合は、トレードで得た利益を次のトレードの投資資金に加えていきます。なので、利益を重ねると投資資金が増え、その分一度のトレードに割り当てる金額も増えて行きます。損失の場合には、次のトレードに割り当てる金額が減っていきます。
複利での検証を行うためには、資金管理ルールも必要になるので、単利で売買ルールを検証したら、その特性も踏まえて資金管理ルールを作り、その後、売買ルールと資金管理ルールの両方を用いで、複利での検証を行います。
複利での検証を行えば、長期間での視点として、最大ドローダウン率やそのリカバリーに要する時間等の追加の指標も使って売買ルールを評価・比較できるようになります。
トレード開始後も定期的に自分のトレードシステムを評価
実際のトレード成績が、事前のシミュレーション結果から得た予測と完全に一致することはありません。
なので、トレードをしながら定期的に評価を行い、必要に応じて再度シミュレーションを行ったり、資金管理ルールを見直すなどの作業が必要になります。
最後に
このように、株トレードを始めたばかりの人が、いきなりシステムトレードをやるのは結構大変です。
私も裁量トレードから始まり、少しずつ準備を重ねてシステムトレードに移行しました。
私は、少しだけ裁量トレードをやりましたが、散々な結果でした。
全く良い思い出はありません。
当時、本を読んで、分かった気になってやっていただけだと今では感じています。
私が裁量トレードでうまくいかなかったのは、私のメンタルが弱いからです。私はガラスの心の持ち主です。
なので、私は今後もシステムトレードしかしません。
そんな私のシステムトレードを今後少しずつご紹介していきたいと思います。
時間は掛かると思いますが、地道に頑張っていきたいと思います。
システムトレードに興味を持たれている方が、できるだけ早く実践にたどり着けるよう、少しでもご参考になれば幸いです。
今回も最後までお読み頂きどうもありがとうございました。
次回は売買ルールについて、深堀してご紹介したいと思います。