![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157233150/rectangle_large_type_2_b026cf1f85c159833a5417c0e64a4904.png?width=1200)
無料の仮想化環境を使ってWindows上にLinuxサーバーを構築しよう!
Windows11 Proに無料で付属するHyper-Vという仮想化環境を使うと、1台の計算機の中に複数の仮想的なサーバーを構築し、同時に起動することができます。
この仮想マシンは、ファイルのコピーで簡単に複製できるので、バックアップを取ったり、最新のOSアップデートを試しに適用してみる等のサーバー管理の手間が大幅に削減できます。
時間とお金がないサラリーマントレーダは、サーバー管理の手間もできるだけ減らしたい!しかもそれがOSのライセンス料以外の追加料金なしでできるなんて嬉しすぎる!
Windows11 Proに付属するHyper-Vによる仮想化環境は手軽で便利!
Windows11 Proに付属するHyper-Vという仮想化環境を使うとWindows11上に様々なOSの仮想マシンを構築できます。
ちなみにHome版には付属していないようですのでご注意下さい。
私が学生の頃は、仮想化環境のソフトウェアは何万円もしたので、趣味で手を出せるものではありませんでした。今ではOSに付属しているなんて便利な世の中になりました。感謝です。
仮想化環境を使うと、1台のPC(物理マシン)の中で、複数のOS(仮想マシン)を同時に動かすことができるようになります。
物理マシンのネットワークインタフェースを共有することで、仮想マシンがネットワーク上の別のマシンとして見えるようにできるので、ネットワーク越しのアクセスも可能です。
また、任意のタイミングで仮想マシンの状態を保存しておいて、後から戻すことも簡単にできます。PCを丸ごとバックアップしているような感じです。
また、メインの仮想マシンは残したうえでコピーを作成し、コピーに対してOSのアップデート等を実施してみて、自作のプログラムが問題なく動くかどうかを事前に試してみるような使い方も簡単に行えます。
要するに、サーバーの管理が格段にしやすくなります。
今回は、先日Windows11をインストールした、Dell PowerEdge R630に、Hyper-Vを使って、Ubuntuを仮想マシンとしてインストールする方法をご紹介します。
Ubuntuインストール用イメージファイルをダウンロードしておこう!
最初に今回インストールするUbuntu Desktop 24.04 LTSのインストール用イメージファイルをダウンロードしておきます。
公式サイトのダウンロードページからISOファイルをダウンロードします。
私が作業したときの最新版は、Ubuntu Desktop 24.04 LTSでしたので、ubuntu-24.04-desktop-amd64.isoというファイル名でした。
Hyper-Vをインストールします!
次に、Windows11 Proの機能として備わっているHyper-Vをインストールします。
Windowsのスタートボタンをクリックして出てくる検索欄に
「Windowsの機能の有効化または無効化」
と入力し、ウィンドウを開きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181049-AhVTjuBeJgHFlP5bMzYitfO9.png?width=1200)
出てきたリストの中に「Hyper-V」という項目があるので、それにチェックを入れ、中身の「Hyper-Vプラットフォーム」と「Hyper-V管理ツール」の両方にもチェックを入れて、OKを押します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181151-QrE9gFyoRzUfcS3dDCBXjbZi.png)
インストールが始まり、無事に終了すると、「必要な変更が完了しました。」と出ます。その後、再起動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181217-dmSEpj8cQutUwb2DBFhO0Neo.png?width=1200)
無事にインストールされました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181245-ExQS1vgmBb5w7OGjPulC8sYd.png)
以上で、Hyper-Vのインストールは完了です。
Hyper-Vを設定しよう!
Hyper-Vのインストールが完了すると、Windowsツールのリストの中に「Hyper-Vマネージャー」が出てくるので、それを起動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181433-waUEYnjGg9Kh1ldtupZoVS2f.png?width=1200)
Hyper-Vマネージャのウィンドウでは、左上に物理マシンの名前が表示されています。
私の場合は、Windows11のインストール時にPE1という名前(PowerEdgeなので)にしたので、それが表示されています。
その物理マシン名の上で右クリックし、「新規」→「仮想マシン」と選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181632-9PNZIJ0y7SxmF8RDHBgWfU1M.png?width=1200)
すると、仮想マシンの新規作成ウィザードが開始されます。
「次へ」をクリックします。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181679-dnMsQ8X4mr7u5WHo9KitGwj3.png?width=1200)
仮想マシンの名前と仮想マシンのファイルの置き場所を指定します。
私は仮想マシンの名前は「Ubuntu1」とし、ファイルの置き場所はデフォルトのままとしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181773-mOZjRruaCgW8AkHyixs6ToJI.png?width=1200)
次に世代の指定を行います。
Ubuntu 24.04 LTSの場合は第2世代を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181916-84RSmyEkQDh3tnNbdUzlq2jL.png?width=1200)
次にメモリの割り当てをします。
後から変更できるので、ここではあまり深く考える必要はないのですが、今回は32000MBとしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727181974-Y29Jf5XFHN0hOmZIx7jUVpRq.png?width=1200)
次にネットワークの構成を選択します。
物理マシンに複数のネットワークインタフェースがあり、仮想マシンも複数のネットワークにつなぎたい場合には、ここで選択する仮想スイッチをあらかじめ設定し用意しておくことで対応できますが、後で自由に変更できるので、ここではDefault Switchを選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182219-qZkfV9jbRzNJPXt748MCeEcy.png?width=1200)
次に仮想ハードディスクの設定です。
新規に作成する場合と、既存のものを選択する場合等が選べます。
今回は新規作成を選び、ファイル名と保存場所、ファイルサイズを指定します。ファイルサイズは後で拡張することもできます。
なお、ここで指定したサイズの巨大なファイルがいきなり作られるわけではありません。保存するデータ量に応じてファイルサイズが変わるので、あくまで最大時のサイズの指定です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182337-sLm09N6ZqBcfHhGC7IUTY2xP.png?width=1200)
次にインストールに使用するメディアの指定をします。
最初にダウンロードした、Ubuntuのインストール用のイメージファイルを指定します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182738-QGSzmAYHtuO9jk6qrWvcL4Ua.png?width=1200)
設定結果の一覧が表示されるので、確認して、「完了」をクリックします。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182779-dztvFyhRYl0USGepJL4P6Wcs.png?width=1200)
設定が完了すると中央上部の仮想マシンのエリアに作成した仮想マシンが追加されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182840-BQPRkKi80G97SMYynfVHZ15I.png?width=1200)
実際のUbuntuのインストール前にもう少し設定します。
追加した仮想マシンの名前の上で右クリックし、「設定」を選びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727182924-9XveghTCGlcnjf06EqzadNI4.png?width=1200)
左側に設定メニューが出てくるので、「セキュリティ」を選択し、右側の選択肢の「セキュアブートを有効にする」のチェックを外します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727183005-o4CYviTAzBIl3Udb0gOEf9jZ.png?width=1200)
次に左側メニューの「統合サービス」を選択し、右側のリストの中の「ゲストサービス」のチェックを外します。
最後に右下の「適用」をクリックして完了です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727183156-IiEuT60BWyhFKsYOm5cwvbRz.png?width=1200)
以上で、Hyper-Vの設定は完了です。
次に実際のUbuntuのインストールに進みます。
いよいよUbuntuをインストールします!
次に仮想マシンとしてUbuntu 24.04 LTSをインストールしていきます。
まず、Hyper-Vマネージャの仮想マシン名の上で右クリックして出てくるメニューから「起動」を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441000-oNcK9UBO1TDHy3dMhV0nw4ub.png?width=1200)
すると下方の仮想マシン名(今回の場合は「Ubuntu1」)のエリアに起動画面が表示されます。
それが確認できたら、仮想マシン名の上で右クリックして出てくるメニューから「接続」を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441177-yqA4ENCuLrnbk0JgOIi8MZ7X.png?width=1200)
仮想マシンに接続され、仮想マシンの画面が出てきますので、通常のインストールと同様に操作していきます。
最初に言語を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441240-pgSkGEZBqi7VCQIjvsYHRrdJ.png?width=1200)
次にアクセシビリティの選択画面が出てきます。特に設定したい項目が無ければ「Next」をクリックします。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441304-OHbkvUDRhZs2xn6No4WzgQ3a.png?width=1200)
次にキーボードレイアウトを選択します。
私は日本語キーボードを使用しているので、「日本語」を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441367-2cQvh498OLzDUna3b1ZkImTR.png?width=1200)
次にネットワークの接続方法を選択します。
Hyper-Vのネットワーク構成の設定の中でDefault Switch等の設定をしていれば、ここでは「有線接続を使用」を選ぶことでネットワークに接続できるようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441522-WikUIRpLBw5czAmCyX9xt6Kb.png?width=1200)
次にインストール時に最新のアップデートを併せて適用するかを選びます。
インターネットに接続できており、特段の理由が無ければ「今すぐアップデート」を選択するのが良いでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441615-jE5d4NfLzAorpeMtvg1DW9lU.png?width=1200)
次にインストールの方式を選択します。通常のインストールであれば「対話式インストール」で良いと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441691-coK3hQuPWtzqEixkSJg9HNmT.png?width=1200)
次にデフォルトでインストールするアプリケーションを選択します。
オフィスツールなども入れたい場合は「拡張選択」でも良いと思いますが、私はサーバ用途なので「規定の選択」を選びました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727441800-5IS1HEtFusBlwJ8kxeDqbYVi.png?width=1200)
次に所有権等の理由からUbuntuの通常セットに含まれない第三者によって提供されるソフトウェアも併せてインストールするかを選びます。
例えばNVIDIAが提供するドライバーなどです。
入っていた方が便利なこともありそうなので、私は両方にチェックを入れました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442048-iSgo2NXtRlfy7e3kz69W04xO.png?width=1200)
次にインストールするディスクの設定です。
特にこだわりが無ければ最近のインストーラーは適切に設定してくれますので、手動でなくても、お任せで良いと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442174-yXjUDewAmR0Ga9LkoCz7tE4l.png?width=1200)
次にアカウント設定をします。最初のユーザを作成します。
好きなユーザ名、パスワードを設定します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442486-jeAmODVk5dzS7TgCb8s0KIc4.png?width=1200)
次にタイムゾーンを選択します。日本に住んでいる場合は「Tokyo」を選びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442536-jVBS1ZInvgPYOuHwK3fkXE76.png?width=1200)
最後に、ここまでの設定結果を確認し、インストールを開始します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442603-2ArkTontFufmHW5yBg9iaXRG.png?width=1200)
インストールの完了をしばらく待ちます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442642-SukWlMwThvz7RN3fEj6HJDaK.png?width=1200)
インストールが完了したら、再起動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442673-2BTePcL35FAWQlwOVn8z4hGb.png?width=1200)
再起動が完了するとログイン画面が出てくるので、ユーザ名をクリックし、パスワードを入れてログインします。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442720-EVUuxA4wqH53LsBIetJaGSdD.png?width=1200)
無事にログインできました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727442745-47wCuqYBGjxzebSHspDtcT0U.png?width=1200)
以上でUbuntuのインストールは完了です。
ここまでで、仮想マシンを起動し、ログインするところまでできるようになりました!
もう少しだけHyper-Vの設定をします!
仮想マシンの自動起動設定
物理マシンが起動したときに、仮想マシンも自動で起動してくれると手間が省けて便利です。
仮想マシンの設定画面を開くと左側のメニューに「自動開始アクション」という選択肢がありますので、それを選択し、「常にこの仮想マシンを自動的に起動する」を選びます。
これで、物理マシンが起動すると毎回自動で仮想マシンも起動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727445148-DNOHAb9er52gqjC0VkLu8acs.png?width=1200)
仮想マシンに割り当てるプロセッサ数の指定
トレードシステムの評価に使うサーバマシンですので、より短時間で計算が終わるように、物理マシンの56個の論理プロセッサ全てを仮想マシンに割り当てたいのですが、仮想マシンに最大負荷が掛かっている時でも物理マシンが自分自身の処理を行えるように1つだけは残しておくことにして、55個を仮想マシンに割り当てることにします。
![](https://assets.st-note.com/img/1727445351-mhAJncipKZo4EwuTMNQG1yz6.png?width=1200)
メモリの割り当て
私のトレードシステム評価用のプログラムは大量のメモリを消費するわけではないのですが、物理マシンが持つ128GBのメモリの半分(64GB)を仮想マシンに割り当てることにします。
実際には動的メモリの機能があるので、仮想マシンのメモリ使用量に応じて動的に割り当てが行われます。
なので64GBは最大値の設定となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1727445777-RPbMHuy47c08CWOFUVJtfKoN.png?width=1200)
追加のHyper-Vの設定は以上です!仮想マシンが出来上がりました!
最後に
今回は、Windows11 Proに無料で付属するHyper-Vという仮想化環境を使ってUbuntuを仮想マシンとしてインストールする方法をご紹介しました。
この方法を繰り返すことで、1台の物理マシン上で、複数の仮想マシンを動かすことができるようになります。
物理マシンの起動時に仮想マシンも自動で起動するように設定できるので、物理マシンさえ起動してしまえば、あとは通常のサーバーと同様に、リモートデスクトップやSSH等を使って仮想マシンに接続し、作業が行えます。
また、仮想マシンは、物理マシン上で簡単にコピーができるので、お試しで最新のアップデートを適用してみて自作プログラムの動作に影響が無いを確かめたり、バックアップを取ったりすることが簡単に行えます。
サーバー管理の手間がかなり省けます。
サーバー構築方法の一つの選択肢として、これから挑戦されようとしている方のご参考になれば幸いです。とてもおすすめです!
いいなと思ったら応援しよう!
![Moff & Jolly](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150101342/profile_411d0ef142799ead34f41ba4c9676dac.png?width=600&crop=1:1,smart)