彼の愛と私
恋の始まりの予感があるように、終わりにも予感があると感じる。
今、恋の終わりの予感がしている真っ最中の私である。
今の彼と出会った時、なんとなく自分の人生が大きく変わるような気がした。
彼は恋人というよりも、人生の先輩に近かったと思う。
人に流されて、ふらふらと彷徨うように生きていた自分は、彼に出会ってたくさん自分の頭で考え、感じるようになった。
そして優柔不断で何かを始めるのにいつも躊躇してしまう私の性格をよく見ていて、力強く背中を押してくれるような彼だった。
そのおかげで私の人生は見違えるように鮮やかになっていった。
彼がいる世界は異常なまでに綺麗で、明るくて、美しかった。
彼が、友達でも、職場の先輩でもなく、恋人として近くにいてくれたことがどれだけ自分にとって大きかっただろうか。
何度別れの予感がしても離れる決心はつかなかった。
それは、彼のくれる愛が、他の誰がくれる愛とも全く違う性質のものだったからだろう。
優しいだけではなく時に厳しく、困った時には本気で助言をくれる。
私の弱さと強さを、一番真剣に見てくれていた人かもしれない。
あの時の私には彼が必要だったから惹かれたのだろうし、今も彼が必要だということに変わりはないんだと心の奥底では思っている。
何で離れなきゃいけないのかなぁ。
泣いちゃいそうだから、もうやめよう。
この世のみんなが幸せな恋をできたらいいのにね。
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