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ヲタク落語家による機動戦艦ナデシコTVシリーズの感想3

ヲタク落語家の春風亭吉好でございます。

前回の記事では今年25周年の機動戦艦ナデシコTVシリーズ2クール目前半の解説、感想を自分なりに書かせていただきました。

前回の記事は↓

前々回の記事は↓


今回は機動戦艦ナデシコTVシリーズ2クール目後半の感想、解説記事を書かせていただきます。


第21話 いつか走った『草原』

會川昇先生の脚本。アキトらパイロットとユリカ、イネス、ルリの脳内がIFSを通じて脳内で繋がり記憶を共有する話。
共有されている脳内は何故かマージャンをしているという描写がナデシコらしくて面白い。(その流れからか後にナデシコの麻雀ゲームが出る)
エヴァでいう電車の中の自問自答の部分だけど見た目がシュールなので辛気臭くならない。
切った牌の共有と記憶の共有がかかっているのだろうか。
現実世界では普段抑圧された人格で動きアキトは熱血、アカツキは弱気、イズミは過去の女らしさ、そしてジュンは凶暴と普段との差が顕著。
そしてトラウマを1つ乗り越えていく、、

第22話 『来訪者』を守り抜け?

會川昇先生、荒川稔久先生の脚本。
木連の白鳥九十九の妹である白鳥ユキナが乗り込んでくるのだけれど天然な行動、擬音を口に出すなどとにかく可愛くナデシコクルーに負けない個性。
大谷育江さんの声の魅力もかなり大きいだろう。
この回の最後にユキナを守るためにアキト達はナデシコを追われる事になる。
誰が味方で誰が敵か曖昧だったところが少しずつくっきりしていく回。
艦を追われるままに次回へ続く。

第23話 『故郷』と呼べる場所

佐藤竜雄監督みずからの脚本。神回。ナデシコは神回だらけだけど。
前回ナデシコを追われたクルー達が再集結する回。
解散からの集結とロボットアニメではありがちなパターンだけどそれをナデシコらしく。
最初はぼんやりと集まったナデシコクルー達が航海を続ける内にナデシコを帰るべき場所と思い、そして動き出すキッカケで後押ししたのが他ならぬルリだったというのが熱く、泣ける。
クルー達の中でも特にルリの成長物語という側面もあったナデシコ。
1話でお世話になったシェフにお世話になり味を認められるアキト。
それはコックとしてだけでなく男としての聖地の比喩か。

第24話 どこにでもある『正義』

會川昇先生、川崎ヒロユキ先生の脚本。
ガイの面影のある木蓮の軍人白鳥九十九と共に和平の道を模索。
九十九の持参したゲキガンガー上映会で多くのナデシコクルーがゲキガンガーにハマり和平に乗り気になるが木連の草壁の暗躍で最悪の展開に、、
それまでは興味を示さなかったナデシコクルーがゲキガンガーにハマるのは唐突な気もしたが改めて通して見返すと長い航海、戦争、ナデシコを追われてからの再集結と怒涛の流れで抑圧されていた心にスッとハマったのかもしれない。
全然アニメに興味示さなかった人もちゃんと見たら一気にハマる事もあるしね。

しかしせっかくいい方向にいっていたのにそうは上手くいかず、、

第25話 『私らしく』自分らしく


第26話 『いつか逢う貴女のために』

ナデシコの最終2話。會川昇先生の脚本。
恐らく1年4クールでやれそうなナデシコの膨大なストーリーの中の1つの決着。
25話ではアキトとアカツキのリアルロボット的なお互いの主張をぶつけ合いながらのバトル。
皮肉にも前回で70年代アニメなゲキガンガーに嫌気がさしたアキトゆえか。
そして過去が謎だったイネスさんの正体。
ここまで丁寧に、わかりやすく伏線が張られていたのですんなり受け入れられた。
諸々のテクノロジーをもたらした古代火星人に関してはやんわりと触れるだけ。
これが他のロボットアニメならもっと解明して欲しいところだがナデシコに関しては気にならなかった。
それ以上の主題であるアキトとユリカの恋の行方に最後の最後でスポットが当てられる。

意外にもアキトに直接好きと言っていなかったユリカ。
確かに「アキトはわたしを大好き!」と常に言っていたけれどもアキトを好きと本人には言っていなかった。
ユリカにとっては当たり前だったんだろう。
満面の笑みで「わたしはアキトが大好き!」と言ってキスをし火星の遺跡がワープしてエンド。
限りある話数の中で最良の落とし所。
もちろんSF的なオチも見たかったけれども。

ここから劇場版に向けてその間を埋めるストーリーが雑誌展開やゲームで語られていく。
その辺ももちろん知っているけどそれはまたの機会に。

改めて全話を見返してみて令和でも全く色褪せない面白さだった。
ギュウギュウに詰め込んだ情報量の処理の仕方が上手くて見ていて疲れない爽快感。
作画は流石に大変そうな話数もあったけれども要所要所のクリオリティが極めて高く、特にキャラデザの後藤圭二さんの作画は現在においてもトップレベルに思う。
何よりキャラの魅力が凄まじく特に最愛のルリルリは令和のどのアニメヒロインにもいまだに負けていない。

本当に我が青春であり、いつまでも第一に好きなアニメと実感。

今回は劇場版に関しても触れるつもりでしたが更に長くなりそうなので次の記事で単独で書きます。

春風亭吉好

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